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娘の旅立ち

娘の旅立ち

                          

四月、我が家の一人娘も無事大学生となり東京へと旅立った。

「寂しくなるよー」という大方の予想を裏切り、二人と三匹の生活のなんと平穏で楽ちんなことか。張り合いがなくて夕飯の支度が億劫に感じたのもつかの間、ああだこうだと文句を言うやつがいないということは、自分の食べたい物を作っていればいいということで(夫は基本的に何でも食べられれば満足の人)こんなに楽なことはない。それに加えて洗濯物の量が激減した。これまでの半分どころか3分の1だ。部屋も散らからない、送り迎えの心配もない。何より「勉強、勉強!」と言わなくていい!少々寂しさを感じるときは甘えん坊の犬たちが癒してくれる。

 そんな生活に慣れたころ、五月の連休で娘が帰ってきた。一人暮らしを始めて一月、そんなに急に変わるはずもないことは後で考えてわかったことで、相も変らぬわがままぶりに父と母はがっくり。連休が終わってからも「コンタクトをなくした」「ガスコンロが壊れた」「携帯を濡らして使えなくなった」「階段で転んだ」「熱が出た」とひっきりなしのSOS。これは東京まで様子を見に行くしかないと覚悟を決めたころ、「もう熱も下がって大丈夫だから来なくていい」とメールが入った。やれやれ!遠くにいるということは不便なことである。

やがて夏休み、台風で不通になっていたJRが開通した日、三ヶ月ぶりに娘は帰ってきた。犬たちの大歓迎を受け、ほんの少し大人びて素直になって。それから3週間、父の帰宅時間は2時間ほど早くなり、母は仕事から帰ると夕食ができているという幸せを味わった。そして9月のある日、娘は父方の祖父母の家に一晩泊まって東京に帰るからと、尾道行きのバスに乗り元気に出かけていった。見送った父と母はどっと力が抜け、なぜかしんみり。

ところが夜になって娘から電話があった。開口一番「やってしまった!」母、「?」娘の言う方向を見るとそこには東京のアパートの鍵が・・・。結局、次の日に岡山まで鍵を持っていくことになった。12時に改札口で待ち合わせて鍵を渡し、「お昼は?」と聞いた母に、娘は「おばあちゃんにお弁当を買ってもらった!」にんまりと笑い、バックの中から半分のぞかせたお弁当の包みには大きなマツタケの絵と『松茸弁当』の文字が。そして、「新幹線の時間だから行くねー、ありがとー!」取り残された母はしかたなく普通の駅弁を買い、乗ってきた列車にまた乗って新居浜へと帰ってきたのであった。ああ疲れた!   

この原稿を書いている最中にも娘から電話があった。「階段で転んで手と足をくじいた」

いつまでも心配の種は尽きない。