黄昏時から彼は誰時にかけて
 御社から下ってくる行列は この世のものではない

 その列の中に見知った顔を見ようとも
 けして目を合わせてはならない

 もし合わせてしまっても
 この世に留まりたいならば 振り返らずに立ち去ることだ



 彼等の途は 異境へと通ずる
 誤って踏み込もうとも 橋さえ渡らねば還ってこられる
 迷った時は川面を見るがいい
 そこには現が映るであろう……


──橋の名を『戻り橋』という






 ~元郷(もとごう)の言い伝え





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