時紡ぎ-扉 黄昏時から彼は誰時にかけて 御社から下ってくる行列は この世のものではない その列の中に見知った顔を見ようとも けして目を合わせてはならない もし合わせてしまっても この世に留まりたいならば 振り返らずに立ち去ることだ 彼等の途は 異境へと通ずる 誤って踏み込もうとも 橋さえ渡らねば還ってこられる 迷った時は川面を見るがいい そこには現が映るであろう…… ──橋の名を『戻り橋』という ~元郷(もとごう)の言い伝え *** 時紡ぎ-壱 へ***