刺さる本だという事でお勧めされていたこちら。

買った当日とりあえずと思って読み始めたら、あんまりおもしろいから一気読みしてしまった。

本当はサウナ行こうと思ってたけど、やめて本読みデーに変更してしまったよ。

だって帯がさ、

人生で一番刺さった小説
やで。


ざっくりあらすじを言うと、とりあえず婚活中の男女の話なのだが、結婚秒読みだったある日、突然婚約者が消える。
婚約者を探しながら相手の婚活履歴を辿っていくうちに、相手を本当の意味で理解する事になっていく。

というような内容の話なんだけど、
解説文にも書かれている通り

「何か・誰かを“選ぶ”とき、私たちの身に起きていることを極限まで解像度を高めて描写する」

というこの解説が本当にドンピシャの表現で、最早この表現力に感服したのだが、



人の心理をよくここまで書けたよな


と思えるくらい、人間の根底に誰もが持って居るであろう矛盾と痛さと傲慢さを
見事に炙り出している。



痛い

痛い自分を自覚




傲慢さは元々自覚があったが、そこに痛さも加わった煽り



だけどね、私がこの本を読んで一番考えた部分はそこではなくて、



この小説、始めは男性パート
後半女性パートなのだが、



その女性(消えた婚約者)、
親の曳いたレールの上を葛藤も無く進んでいた人生だったのよ。

途中まではそれを、

こんな人いるよねー、共依存てやつ

なんて思いながら読んでたんだけど、だんだん読み進めていくうちに、

じゃあ自分は本当に自分の意志で人生生きてるのか?

ってふと思って。


彼女の事を「有り得ない」となかば上から目線で見ていたのに、自分だってそんなに変わりはしないんじゃないかと思い始める。


作中に、
「結婚できる人というのは、目的をしっかり決めてそれに向かって明確に行動できる人」
みたいな言葉が出てくるのだが、



はて、果たして私はそんな風に生きた事ある?


いや無い。




いつも目的など決めず、その時の流れに身を任せる、どちらかというと能動的ではなく受動的な人生だったよな。


ポイントでは目的達成する事もあっけど、人生そのものに関してはいつも受動的で、


なんとかなるやろー

とりあえず生きて行けるやろー

って感じで、
はっきりいって、全く目的達成志向では無い事に気づいちゃった。


でもまあそれはその筈、「自分で人生設計してその通りの人生を送る」という事に魅力を感じなかったからこそではあるんやけど、


賢い人は、目的達成志向の人が多いんじゃないかなと思うよ。


そういう人は、婚活でもそういう動き方をして、自分の望む人生へ持っていくんだろう、きっと。



と考えると、私だって、
親の言いなりで人生生きてきた彼女を見下すのはお門違いなんじゃないかという気がしてくる。




もし、そんな風に(目的達成志向で)人生生きていたらどうなっていたんだろう…


と思う事はある。




もっと普通に生きれたのかな。


もっとまともに生きれたのかな。


もっと安定して生きれたのかな。





そういった、自分の根無し草的生き方やったりとかが、なんとなくぼんやりと

親の呪縛

から来てる気配が濃厚な訳で。



親のレールを進むのも親の呪縛やし、レールから外れたとしてもやっぱり親の呪縛やし、結局どっちも一緒なんじゃない?


同じ穴の狢

なんよ。



だから彼女を否定できんという事に気づいてしまったのです。





なんだか、色々と、主人公達の生き方を見ていくうちに、自らの生き方をも見て考える事になるとても面白い本なので、興味がある人は読んでみて下さい。


傲慢と善良


です。



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