ギスランンンンーーーッ!!!
ギスランルートのエンドをほぼ全部回収して放心状態でした。
涙も枯れ果てた。
でも、本当に物語に没頭した。
評判の高いギスランルート、確かにこれはいい。レオンもいいけど。なんていうか、一番レーヌと騎士の悲恋ものだなと印象が濃かったという感じ。騎士はレーヌに従い守り抜き、いわゆる運命共同体なわけだよ。その中でも一番騎士らしいのがギスランなんだと思う。元軍人の彼は自分を律し、常に主に忠実に仕えるべくありたいと思っていたのに。ギスランの故郷(クリザンテーム)の土地の事情で体調を崩すギスラン。それぞれの騎士はその体が国と繋がった状態で天上へと上って来てる為に、不毛の地でありグラースが常に不足してるクリザンテームを体感するギスランは常に苦痛と闘わなければならない。でも我慢してるんだよねギスランは。
ヴィオレットがギスランの事を知ろうと怒られそうなのを覚悟で会話をするシーンとかもすごくよかった。彼も別に意地悪がしたいわけじゃなくて、仕える主として相応しいのか、蝶よ花よと育てられたお気楽な人間なのかを自分の目で判断しようとする。ここらへん、ヴィオレットの相手を知ろうとする姿勢、自分の未熟さは素直に認めるとこ、すごく好感が持てて、ギスランもそういうところに惹かれていったんだと思う。
この2人、ほんとに少しずつ歩みよってたなぁ。ギスランの馬に乗せてもらって早がけをしているシーンとか、ロマンチックだった。騎士様ってこうよね!!ていうスチルでさ、お姫様を横抱きに自分の前の馬の背に乗せて、彼女を囲うように手綱を掴み、かけていく。もちろんヴィオレットはギスランの胸に顔を寄せることになるわけで…そんな近さで「ギスラン、すごいわ!こんな景色初めて!」とか嬉しそうにはしゃぐ彼女の顔を見させられてごらんよ。「今、こっちを見るな!////」あああああああ、ギスランのツンデレのデレが炸裂した瞬間でございました。デレ、ごちでした。その前に馬に見せる笑顔はとても優しいってのも素敵で、きっとプレイヤーもヴィオレットも同じ目線でギスランかわいいって思えたんじゃないかと。
けれど、4騎士とのお茶会など楽しいドタバタは2部まで。個別に入ると途端に厳しい悲恋な展開になっていきます。
いよいよもってギスランの体調が目に見えておかしくなってくる。歴代の東の騎士がそうだったように、あまりの苦痛に狂気に苛まれ、暴れ出した騎士は守護蝶がみな斬って来たという。この時点ではまだ自我を保ってはいたけれど時間の問題で、いつ狂ってもいいように自分を地下牢に鎖でつないでおけと褄紅達に言うギスラン。
みなが大絶賛している地下牢のギスランの慟哭シーン。
エンド回収のために同じとこを通るんだけども、そこだけは辛いのにスキップできずに聞いてしまう。ギスランの心からの叫びを無視はできなくて。その度に号泣していたアタシです。レーヌの為に自らの命をかけて騎士になったのに、宿命だと言われて狂うしかないのかと。こんな理不尽があってたまるかという…いやーもう近藤さんの演技が凄まじくて。ほんと凄まじいとしか良いようがない。スチルも素晴らしい。そう。ギスラン√のテーマは「理不尽」なのでありました(涙)(涙)
その時に愛情エンドと忠誠エンドで彼に渡すアイテムが違うってのがなかなかに面白いなと思った。愛情だと鍵。忠誠だと銃。愛情エンドの方の地下牢の鍵を使ってヴィオレットが繋がれたままのギスランに近づいてキスをするシーン。美しかった。「私を諦めないで…」そう言いながら何度もキスをするヴィオレットに段々心が解けて行くギスラン。どんどん心が弾かれ合うのね~なんていうかもうシェイクスピア悲劇の舞台でも見てるかのような気持ちになったわ。
銃を使うシーンはエンドで少々違うけれど、その銃で俺をころせというギスランに毅然とした姿勢で「死をもって達せられる忠誠など私はいらない!」て拒絶するのよね。ヴィーかっこいいわ。
とはいえ。4騎士が集まって行うグラースを地上へ送る儀式を今までのようにやってしまうと、女神ミレーヌがヴィオレットの体を乗っ取ろうとするのでなかなかそれができない→できないとグラースが枯渇していく→騎士たちの体調がよくない(ギスランは更に狂気にさいなまれる)後半はどうやってギスランを救い、かつ女神にのっとられないでいられるかということろなんだけども。
愛情エンドはまぁ2人には確かに幸せになってもらいたいんだけども、最終手段としてギスランの狂気のもとであるクリザンテームの花紋を直すのにユベールの命を使うんだよなぁ。うぁーえぐいわあ~って思ってしまった。だまし討ちという手を使った2人は、この罪はお互いが背負う事でより絆が深くなったんだと思う。もう後にはひけないし、追いつめられた2人はほんと怖いものなしに突っ走ってたね。ま、私は2人に幸せになってもらいたかったから結果オーライってことにはしてるけども、守護蝶たちもユベールのことを何も言わないし、レオンたちも何も言わずにいてくれたというのが少々不思議な気がして。ま、レオンが「だーーーーっ!もういい加減にしろお前ら!辛気くさいのにも程があるぞ」て言う気持ちはわからなくもない。(ここらへんのレオンに救われる)
その後のいちゃこらはよかった(///∇//)
みんなにいろいろつつかれて思わず「誰がだ!?俺ほどコイツを愛している男はいない!!」とか言っちゃって思いっきり真っ赤になるとか、もうなんだこのかわいいのはーーッて思ったけども!この時にいろいろ言われたせいで、仕事の後は必ず2人の時間を作ろうという……ああああああもう恋人達は甘いわあああああ(叫)というね。うん今まで辛かったから許してってかんじで。
2人きりのときは箍が外れたように甘い言葉を惜しまないんですって。ああああ、もうギスラン愛しいわああ~。ヴィオレットも結構小悪魔なんだよねえ。だから「もっと…」てちゃんとおねだりしたりして嬉しそうに微笑むギスランがいたりして、ああ、ほんとよかったってそこだけは思った。
忠誠エンドは悲恋エンドだけどもとてもギスランらしくて好きです。
結局のところ、ギスランの為に自分の身を差し出す(女神に体を明け渡す)エンドなわけだけど、ギスランはそんなこと望んではいないこともわかってて敢えてそれを選ぶ。それもギスランには黙ってる。後の事はよろしくねと褄紅たちに言うときのヴィオレットは凛としててかっこよかったわ。けど、そりゃギスランも反発するわけだよ。そこで女神が譲歩案として「半日ほどヴィオレットを戻すからそこで話をしなさい」て復活するんだけど、この2人の逢瀬が切なくてねぇ。言いたい事はたくさんあるのに何もいえなくて、ヴィオレットはお茶会に誘うんだよね。「これは命令よ?」って微笑みながら。女子供のする茶会など苦手なギスランが大人しく向き合ってて、全部命令よ?って言いながら小さい頃の話をさせたり、限られた時間の中でたわいもないことを話している2人。全部命令っていいつつクッキーを「あーん?」てギスランにあげるヴィオレットに顔を真っ赤にして文句言いつつ命令には従うギスランとかもうかわいすぎて!!!ああ、こうやってギスランは尻に敷かれるんだなーと思いつつも最後のときは近づいてくる。前にも来た事がある見晴らしのいい崖から地上を眺めながら、穏やかなときをすごす2人。離れがたいのに時は近づく。納得できないギスランに彼女はレーヌとして再度命令をする。逆らえないのもわかってて敢えて。「お前は……俺にどれだけ残酷な仕打ちをしてるのか、わかってるのか?」「ええ、わかってるわ」それでも2人は固くレーヌと騎士として繋がっているから、哀しい顔をしながらも命に従うギスラン。ここらへんの2人のやりとりがもう泣いた。あああああ、もうっ!(号泣)
もう涙も枯れ果てた……いやぁギスラン√、切なすぎると言うか、ギスランはなんも悪くない。悪くなくてまっすぐにその誓いを全うしようとしてるからこそ涙を誘う。ここらへんで私のライフポイントがほとんどなくなりまして。バドエン回収には一旦睡眠を取らない事には無理でしたね。。。
_____
ギスランのセリフ萌えポイント。
初めの方で不器用で真摯な気持ちをヴィオレットに言うシーン。
ギスラン「俺はレオンのようにおまえを力強く引っ張り上げる事も、ルイのように甘やかす事も、オルフェのように癒す事もできない。だったらせめて傷ついたおまえを少しでも励まそうと思った……なのに、出てくる言葉は荒い言葉ばかりだ。これでは励ますどころか逆効果だ」
褄紅にヴィオレットのことをからかわれてこの反応www
ギスラン「だから!何が言いたいんだ、貴様は!?////もういい!遠乗りに行く!」
ギスランて本当に彼女のことをよく見てるんだよねえ。ほんと騎士だよなぁ。
ギスラン「こういう言い方はなんだが……レーヌ、おまえはよくやっている。それは俺が、俺たちが一番良く知っている」
地下牢の檻の中での慟哭のセリフ全部。
これはもう書ききれないくらい長ゼリフではあるけれどもあとでこそっとあらすじをどこかにリンクするのでそこで見たい人は見て頂けたらと思う。というかプレイして実際聞いていただきたいシロモノよ。マジで。
そして忠誠エンドのスチルが出たとこ。跪いて彼女に忠誠を誓う場面。
ギスラン「(東の騎士として生き抜きなさいとの命を受けて)……拝命した」
そう言って彼女の足下に跪いてキスしたとこ。騎士……!そこに至るまでにたくさんの葛藤を抱え、本音では突っぱねたいけれども彼女の願いを叶えたいその一心で。
更に愛情エンドのクライマックスの甘々なとこ。「私に命を預けてくれる?」というヴィオレットに答えるギスラン。
ギスラン「愚問だな。忠誠を誓ったあの時から俺の命はお前に預けている……では誓いではなくこの言葉を贈ろう。愛している………ヴィオレット」
あと蛇足ながらここのレオンがいい。
レオン「こいつがどーーーーーーーしてもお前がいいっていうから我慢してんだ。けど惚れた女にこんな顔させる奴なんかにゃ任せられねえ!」
ギスラン「なん…だと!?俺ほど、コイツを愛している男などいない!」
うまいこと言わされてるギスランにそれを聞いて顔を赤くするギスランとヴィーがまた可愛すぎて!!!(机ばんばん)
愛情エンドの最後の方の2人きりのシーン。キスをするギスランにもっと、とねだる彼女。
ギスラン「……言われずとも」
この後のヴィオレットも積極的ですごく2人愛し合ってる空気が素敵だったなぁ。
_______
レオンとギスランを終えて言えるのは、どちらも好きだけれども、騎士というテーマに重きを置くならば、私はギスランルートをおすすめしたいなぁと思ってます。
レオンはレオンでいい。恋する過程の描写とか、ほんとに甘くて。強くて、でも弱さもあってそこが魅力的で…自然なかたちでヴィオレットを甘やかしてくれる頼りがいのある騎士。一番初めの「レーヌ大好き好き好き光線」出しまくってる時と、後半の悲劇的な展開とのギャップもいいんだけど、ただ愛情エンドが少し寂しかったのと忠誠エンドが号泣だったので。(悲恋好きならこちらもおすすめ)
レオンはまた改めて感想書き残したい。(自分のためでしかないw)
______
あらすじ。(かなり長文)
●初めての儀式でウィエからクリザンテームへグラース移動。その有り様に驚愕・ショックのあまり倒れるヴィオレット。体調を取り戻した翌日、ギスランに会いに行く。
●そこで一心不乱にピアノを弾くギスランを見る。彼の人柄を現すような少し寂しげで、けれど情熱的な惹き寄せられる音色に聞き惚れるヴィオレット。弾き終わった後、彼女を気遣うギスランと話をする。そこでこぼしたギスランの「他の騎士のようにできない自分はせめてお前を励まそうと思った」という言葉にすでに励まされていると答える彼女。ギスランはとても不器用な人間だ。けれどもこうやって少しでも言葉に出して伝えようとしてくれる。この日は2人の絆が強くなった日だった。
●儀式が始まり、ヴィオレットが手を水鏡にいれると異変が起こる。彼女の姿は消え、ロベールが全てを告白する。すべては女神ミレーヌを復活させるためだったと。ヴィオレットは「女神復活のための器」でしかないと。
●女神が眠っている生命の木に抗うようにもがくヴィオレットを救ったのはギスランだった。「戻ってこい!お前は、俺に相応しいレーヌになるのだろう…!?」そう確かに約束した。とりこまれるなとその声は何度も呼び続け……裏切ったユベールは他の三人の騎士に取り押さえられる。
●生命の木の元、ギスランとヴィオレットはそのまま話をしている。無事を確かめるとギスランがひと言。「心配をかけるな!この大馬鹿もの!」いつも以上にきつく怒られているのに戻ってこれた安堵とギスランの気持ちが嬉しくてヴィオレットは泣き笑い。それにうろたえるギスラン。穏やかな空気が流れていたのだが。
●ギスランに異変が。まるで人が変わったように狂気するギスランの瞳に驚くヴィオレット。揚羽と褄紅が駆けつけギスランを取り押さえ事なきを得る。その時褄紅が呟いたひと言。「とうとうこの時がきちまったか」その真意はいかに。
●ユベールの裏切りによって、彼の離れに住んでいたヴィオレットはオルフェの屋敷に移り住む。四蝶と騎士たちは情報を集めたり、監視をしてたりしてくれている。
●そんな中ギスランの様子が気になったヴィオレットはギスラン邸へ赴き、そこで驚愕の有様を知る。地下牢に繋がれているギスラン。それを見張る四蝶。自分自身が望んだことだから何も言うなといわれるが納得しないヴィオレット。「ここから出て行け」と言われ、無理やり外に出されるが黙っていはいない彼女はとある人物に話を聞きに行く事にした。
●ギスランの事を知るために彼より昔の東の騎士のことを聞くために話を聞きに来たのはマダム・エンジュ(愛情エンド分岐)、ボヌール卿(忠誠エンド分岐)。
<忠誠エンド>
●ボヌール卿は4代前の騎士のことを話してくれた。過酷なグラース不足からくる花紋の破損が原因で東の騎士はみな狂乱するという。その狂乱のあまり花人を殺してしまった惨劇、褄紅の腕と目の傷はその時のものだという。そして褄紅もまた語る。クリザンテームは元から人が住めない土地を切り開いた土地。グラース不足で狂乱した騎士の末路は痛ましいものになるという。それを聞いたギスランは自ら檻に繋がれる事を望んだ。「俺が誓言した主たるレーヌを傷つける訳がないだろう。だから、今のうちに縛り付けておいてくれ」と。
●すべてを聞いた三騎士がオルフェの屋敷へ来てレーヌを気遣う。オルフェがギスランに会いに行ったときの事を語る。もう自分は亡き者だと思ってくれていいと、そしてレーヌをできるだけ生命の木から離すようにと。レーヌを頼む,もうここへは来るなと言い残す。それにルイが冷静に反発する。儀式を行えば女神に取り込まれる可能性があり、儀式を行わなければソルヴィエルは崩壊する。「女神ならすべて救えるの?」弱気なヴィオレットに反発する騎士たち。「何してもムダってことは、何してもいいってことにならないか?」レオンの意見でヴィオレットの意向を聞く彼ら。「ギスランにまた会いたい…」
●四蝶の監視をくぐり抜け、裏波の手引きでギスランに会いに行くヴィオレット。(この時、分岐で忠誠エンドは銃、愛情エンドは鍵)ルイが彼女に渡した保険、それは銃だった。ギスランの忠誠心を逆手にとって命令すればいいとルイはいうのだが。
●今の俺は尽きない乾きでグラースを欲しがるただの獣だ、と檻の中のギスランは言う。それでも食い下がるヴィオレット。「努力で補えるならなんでもしている!」ヴィオレットはそれでも語る。そこに自ら繋がれたギスランの気持ちは「優しさ」でそれをみなもわかっていると。何も出来ずに己の無力さを感じてるのはギスランだけではない。私たちも同じだといい、胸の内を明かしなさいと命令する。残酷な命令。醜態をさらせとヴィオレットは言っていた。命令を聞くかわりに願いを一つ聞き入れて欲しいというギスラン。「俺が胸の内を明かしたら、その手の銃で俺を撃て。レーヌ、どうか最後の慈悲をくれ」
●「東の騎士ギスラン、あなたほど誇り高い騎士を私は知らないーーけれど死を持って果たされる忠誠など私は認めない!」そういって空砲を撃つヴィオレットに驚愕するギスラン。本当にどうしようもなくなったら、どんなに辛くとも私が止めてみせると言う。だから信じて欲しい、そういう彼女に「お前は【勇気】を示してみせたのだろう?俺の誇りを守るために…」
●聞くに耐えなかったら立ち去ってくれ、といい、ギスランは慟哭する。「何が花紋の破損だ。なにが東の騎士の宿命だ…クリザンテームは神に見放された土地と言われ、それでも己の力で這い上がって来たのに!騎士に選ばれてからも神は無慈悲なものだと思っていた。けれどそれでも誇りを失わずにこられたのは…主たるレーヌが、ヴィオレット、お前だったからだ。苦言に耳を傾け、自らたつ努力を惜しまなかった。だからこそ仕えるに値すると心から思った。どんなに困難な道でもお前となら歩んで行ける、そう思った。だが!!!なぜここに来てこんな仕打ちを受けねばならない!?俺がここまでやって来たのは何のためだ?騎士として祖国を守りレーヌを守るためだったはずだ…俺はそれを果たせぬままこの檻の中、朽ち果てるというのか!?自らの意志に関わりもなくただ壊れてーーこんな理不尽があってたまるかーーーー!!」
●ただ聞く事しかできないヴィオレット。「もっと自分に力があればよかった。あなただけを救う力が」そして彼女はこのままでいるのは嫌だと口にする。諦めたくなどないと。そこへルイが登場。嫌がる彼女に「彼の意も汲んでやってくれ」と言われ、立ち去るしかなかった。彼らが去った後、ギスランは明らかに苦しみ、褄紅は大方の事を察する。「あまり無理はしないでくれ、姫さん」
●数日後。事態は停滞のまま。双子蝶と浅葱と共に散歩に行くとマダム・エンジュに出会う。彼女は「四代前の東の騎士は自分の夫であった」と告白をする。
●エンジュとの会話でそれでもギスランを救いたい、という気持ちを新たに、他騎士たちとあうヴィオレット。そのまま儀式を続行するも女神に阻まれてしまう。女神はすぐに見を明け渡せと言う。花紋を救うこともギスランを救う事もできない。ヴィオレットは女神を跳ね返すが、東はもう持たないと言い残した女神。
●エンジュと裏波の会話。「もうこんな悲劇は終わらせるべきなのかもしれませんわね」
●結局、前の儀式で少しでも女神の浸食を許したヴィオレットに次の儀式を騎士を許してはくれず……ヴィオレットは彼を諦める事はできない。それならば、諦めるべきは「私」?
●ギスランはすでに限界を越え、昼なのか夜なのかそこに誰がいるのかさえわからない。正気なのかさえ。その時、地下牢に誰かがくる。誰かが檻の鍵をあけてくる。そしてそこに抗えない何かを置いていった。きっと今この手を伸ばせば……すべてが終わる。
●「許せ、俺はもう……抗う事に……疲れた」そう言って去ったギスラン。褄紅が駆けつけた時にはすでに時遅し。ギスランは歴代の騎士と同じように狂いながら花人たちを襲い始める。そして辿り着くはヴィオレットのもと。「寄越せ……その蜜を。おまえだけが俺の乾きを癒す存在なのだ」彼はそのまま刃を彼女の喉元に突き刺そうとする。けれども彼女は言った。彼の誇りをこんな形で傷つけたくはなかった。「私が無力だったから……この忌まわしい記憶があなたの中に残りませんように」これは彼の罪ではない。自分から捧げるものだと。断罪されるべきは。私だ。だからどうか苦しまないで欲しい。
●そこに褄紅が駆け寄り、ギスランは正気を取り戻す。「どれだけ花人を斬って来たんだ?」そういう褄紅にギスランは愕然として答える。「そうか、俺は己の欲望に勝てなかったのか」そしてこれ以上ギスランに斬らせないで欲しいという褄紅に何が言えるだろうか。
●無抵抗のギスランを褄紅が連れて行った。それを見つめる事しか出来なかったヴィオレット。
●「もし」に意味はない。それを言えば言う程虚しい、もう誰も責めたくないーーもうすでに泣きつかれた。決断すべきは私だったはず。再び集まった騎士達に自分の決断を伝えるヴィオレット。「私たち騎士の意見は必要ないという事だね?」ルイが言う。それに謝る事しかできないヴィオレット。
●「僕たちにもうできることはないの?」そういうオルフェ。騎士たちにレーヌは何を命じるのか。彼女の最後の命令は、自分の選択をどんなものでも受け入れて欲しいということだった。彼らは忠誠をもって答える。
●固い決意とともにヴィオレットが向かった先はギスラン邸。どうしても伝えたかったことがあった。<私は最後まで諦めない。だからあなたは私の騎士でいて>と。「褄紅、ギスランをよろしくね」そういって立ち去るヴィオレット。
●そして訪れたのはユベール邸。菊の花紋の完全な花紋の修復方法をとは何かを尋ねる為に。「君が女神ミレーヌに体を明け渡せばいい」本当に女神でなければ救えないんだろうか。
●「本当にどうしようもなくなったら……私があなたを止める」そう言ったヴィオレット。グラースを生み出せるのは女神だけなのだ、私には救えない、そう決意を秘める彼女。
●褄紅はギスランにヴィオレットの「最後まで騎士でいてほしい」ことを彼に伝え、そして水晶宮へ連れて行く。そこにはユベールがいた。姫の最後の頼みを聞き届けにきたという。そして現れたのは女神ミレーヌ。「あいつはどこにいった!?」ヴィオレットはギスランを救うため、自ら器としてその身を差し出した。「ふざけるな!!!勝手なことを!!!?」すべては彼女が望んだ事だったがギスランは反発する。「仕えるべきレーヌがいないのに騎士であれというのか?」けれど女神まで言う。「あの子はあなたのことばかり最期まで考えていたわ。あなたがあなたのまま生きる事に意味がある」
●けれどギスランは信じない。「ならば直接伝えさせましょう」明日の夕刻までの期限としてミレーヌはヴィオレットに体を預けた。再びギスランの前に現れたヴィオレット。限られた時間で伝えなければ。彼女はギスランにいう。「どんな言葉でも受け止めるわ。だから包み隠さず気持ちを伝えて」自分がしたことが彼を傷つけたのはわかっている。伝えたい事も言いたい事も山ほどあるというのに……「今の俺にできることなら何でも…命じろ」「なら、あなたと…お茶会をしたい」
●四六時中文句を言うギスラン。小さい頃の話、お茶会でどう思ったかの話、失敗談など……お茶を飲みながらする話には尽きなくて。(ここでまさかのヴィオからギスランへのあーん?攻撃)「お口をあけて?ギスラン。これも命令よ?」「なっ……!」あーんを成功したあと、クッキーを噛み砕いたギスランはお茶を飲み干し,赤い顔で文句を言い放つ。今度はヴィオレットにお菓子を食べさせると言う。「そんなばかばかしいことで命令とか言うな!」
●本当は命令なんかしたくない。「どこか見晴らしのいいところへ連れてって」これは強制でも命令でもない。ただの「お願い」だ。
●そこは前に彼に連れてこられた見晴らしのいいところだった。「私にはあなたに伝えたい言葉がある。でもそれはきっとあなたが望まない言葉…」もう時間はない。もうすぐヴィオレットはいなくなってしまう。私は最期の命令を彼にする。従ってくれるかはわからないけれど。「安易な自己犠牲に逃げたわけではない」彼の感情は抜きにしてそれはレーヌとしての判断だったというヴィオレット。ギスラン以外の騎士達にはすでに言っていた。
●「どんな答えでも受け入れて欲しい。みなに恥じないレーヌでありたい」と。けれどギスランはそれを良しとしない。「なら自ら死を選ぶの?」ギスランの言葉を退けつつ彼女は死をもって果たされる忠誠など認めないと言い放つ。ヴィオレットが望むのはそのまま東の騎士としてあり続けて欲しい、それだけだった。酷な事だとギスランは言うが、理不尽な仕打ちにも耐えてほしいと。だから命じた。「私が消えた後も命枯れるまで東の騎士として使命をまっとうすること」命じれば彼が逆らえない事を知っていたからだ。
●悔しい事に仕える主を間違えたとは思っていない、とギスラン。どんなに願っても「共にある」ことはできないのだからーー「我が主・レーヌ・ヴィオレット、その資格があるなら姿亡き主の意志を背負い、この身を捧げよう、真の忠誠はこの胸に。お前の姿ごと刻み付けておく」
●「レーヌ、最後の命をーー」それに答えるは「どんなに辛く険しくとも生きなさい。最後まで私の騎士として」ということだった。「我が身至らずこの場でお前を守れずとも、いつか必ずお前のもとに馳せ参じよう」「俺の主は……生涯、おまえだけだ」そういって彼女の足下に跪くギスラン。
●彼女が消え、心の灯火を失っていた。その頃、女神は状況を把握し決断を下した。世界の闇を切り捨てることを。グラースの恩恵のないところは切り捨て、他の土地にグラースを分ける……とても合理的なやり方だった。儀式の度に心痛めていたヴィオレットとは違う。そこには情は全く含まれていなかった。
●廃棄していく地域は、人が住んでない地域で女神もユベールもさしてそれを問題にはしない。避難勧告はしても従わない者の命までは救わないと言う。
●ギスランは心を殺すことで主がいない痛みをやり過ごそうとしていた。
●見放された土地はひどいものだというルイ。次はどこだ、自分のところかと地上の民は戸惑うばかり。「まるで少しずつ命を削っているみたい」オルフェがいう。彼女だったらどうしてたんだろう…???彼女の選択を受け入れたのは自分たちだ。今更覆すこともできない。今や自分たちはレーヌの亡霊。
●ヴィオレットが消えたのと同時に消えた人物がいた。マダム・エンジュ。彼女が消えた後、ギスランの部屋には夫の形見である忌まわしき深紅の剣が残されていた。彼女が何を意図したのかはわからない。そしてギスランはその剣を生命の木の根元に深く埋めた。誰にも知られぬように。いつか来るその時の為に。
●神の恵みを蓄えたはどれほどの威力があっただろう?「ようやくその時は来た」手にするはエンジュに託された剣。そこには生命の木がある。「いつか必ずおまえを取り戻す。その為に俺は生きて来たのだ。俺はお前の騎士として生きる。待っていろ、ヴィオレット」
これから俺は、神に挑む。そう言い残してーーー。








