08/11 カミーノ歩き旅 33日目の出来事 その6
「CAMINO DE SANTIAGO 最終話!」
ニッキーとトーマスが買い物に向かっている間に
見上げればサンチャゴの鐘楼がある場所に
次から次へとサンジャン・ピエ・ド・ポーから
旅してきた仲間達が集まってきた
しばらくして当人達が戻り
事情を既に知っているとはいえ
皆、口々に・・・「なぜだ!?」と問いかける
リアクションも様々だ
中には一言サンチャゴのカテドラルに向かい
「ファキン・チャーチ!」なんて呟きながら
中指立てる女性なんかも・・
皆、一様に私同様
コンポステーラなんて、たかが紙だ!と
慰めるも・・・
サングラスに隠した瞳に涙が溢れそうな
ニッキーの気配に
皆、言葉を失う
気分転換じゃないけど
皆持ち寄ったビールなんかで
ひとまずサンチャゴのカテドラルの前で
互いの到着を祝い祝杯
だれがなんと言おうと我々は
彼らが多くの一般巡礼者よりも
過酷な手段でココまで辿り着いたことを
知っている
証明書は無いかもしれないが
これだけの証人が彼らにはいるのだ
たかが・・ラスト100km程度の証明書よりも
もっと大事なもの
そのことを彼らに教えられた気がした
なんとなく皆でBARにでもと
移動中
小さな広場で
音楽が
特に行くあてもなかったので
なんとなく皆
しばらく聞いていくことに
ここまでにも彼らとは
いろんなトコロで音楽、聴きながら
ここまで来たよね~
仲間と共に音楽を聴く
最高の時間
それは・・一人カテドラルに到着したとき以上の
もの
すっかり演奏が終わるまで
特に会話もなく
ただ・・・皆、音楽に身を任せていた
ガリシア語による歌だったので
意味はさっぱり解らなかったけど
音楽は人種、宗教、国境の垣根を越えるよね
アンコールの頃には
小さな広場は人で埋め尽くされていた
大人も子供も犬も
皆・・ただ音楽に身を委ねる
そこにはカテドラルの中よりも
平和な時と一体感が漂っていた
この曲が終われば
ここに集った人たちも
また新たな旅へ旅立つ
でも多くの時間を共有し
仲間達とここまで辿り着いた
ここが僕にとっての
一つの区切の場所となったような気がした
そこはサンチャゴ市街の
名も知らぬ小さな広場
だが・・カテドラルよりも
大きな思い出の地
なにより、旅の間、杖となってくれていた
音楽の流れる広場
アンコールも終わり
私の知る、カミーノを歩ききった
最も小さな巡礼者も
また旅を続ける準備をする
誰にとっても、サンチャゴは到着点であると共に
また新たな旅の始まりの地である
αとΩ
彼ら2人と2匹に
コンポステーラは無い
だが・・・彼ら自身が誰よりも
互いのことを知っているはずだ
いつも4人一緒だったのだからね
そんな彼らとの
ラストショット
またいつか・・どこかで!
「ブエン・カミーノ」
周囲も暗くなり始め
巡礼宿の門限も迫り始めたので
共に結局食事をすることも無く
皆、それぞれの宿へ
ニッキー達も
ここまでの道のり同様
野宿するそうだしね・・・
明日のホテル泊まりは
さぞ格別なものになるだろうね
一人サンチャゴの路地を
しばらく
考え事をしながら
彷徨い
宿にもどり
快適なシングルルームで
眠りに
サンチャゴへの道のりは
一つの区切を迎えた
明日から、僕は中世時代の世界の終わり
スペインの西端
フィステーラへ向け
スペインの東端から始めた旅を
更に西へ旅を続ける
08/11 33.901歩 21.0km
累計 1,521,606歩 941.4km
さて、ココまで181話
お付き合い頂き、アリガトウございました
一つの区切を迎えたということで
旅はまだ続くのですが
CAMINO DE SANTIAGOのコーナーは
今回で最終話とさせて頂きます
引き続き
話は・・・
CAMINO DE FISTERRAのコーナーへ
続きますので
新たな旅もお付き合い頂ければ幸いです
皆さんに「ブエン・カミーノ」
最初から読み直してもらえたら・・・
うれし~なぁ~・・・長いけど!!
CAMINO DE SANTIAGO の INDEX はココだよ!
海月岳人 くらげがくと
CAMINO DE FISTERRA 始まり!
DAY36-1 新たな旅の始まりに へ続くんです!