メラメラスペイン・カミーノ巡礼「歩き旅」のINDEXはココ メラメラ



海月漂流記-Camino

08/09 カミーノ歩き旅 31日目の出来事 その5







誰もいない


森の中へと続く、巡礼路を


BGMにDeep Forestを聞きながら


一人


歩く

海月漂流記-Camino

30分ほど歩き


お腹が空き始め


巡礼路から続く、細い枝道へ


しばし


歩く



海月漂流記-Camino

さらに道を外れ


人の気配のないWILDな森の奥へ


茨の蔦が足を切り


あわてて半ズボンを長ズボンに変える


海月漂流記-Camino
21:57


急激に周囲が暗くなり始め


少しスペースのある


場所に枯葉を集め


寝仕度をする


習慣からか・・・眠気が襲う



テントは、あえて張らない


サンチャゴ到着前に


一度くらいは自然の中で


体、一つで寝てみよう・・・


そんなことを思いついた



これまでにも


南の島暮らしが長かったこともあり


無人島やジャングル、


インド奥地の滝の上


等で寝たことは


あるのだが・・・


たった一人・・・という経験はない


まして・・下見すらしたことのない


場所というのも初めてかもしれない


完全な行き当たりばったり


だが昔の巡礼者達は・・


毎日こんなことが当たり前であったのだろうね



海月漂流記-Camino

先ずは朝から・・パンばかりだったので


食事にすることに


乾燥した日々がコノ辺りも続いているせいか


燃やすものには事欠かないが


水の手持ちも少ないために


山火事などに細心の注意を払い


火を熾す場所を選定


土の盛り上がった場所に


更に穴を掘り


土で消化が可能な態勢を整え


点火


闇の訪れと共に


遠くから犬の低い遠吠えが響く



海月漂流記-Camino

昼間は相変わらず40度近い猛暑の日だったが


急激に夜の訪れと共に冷え込み始める


湯を沸かしながら


炎の暖をとる


炎に驚いたのか


枯葉を擦る


得体の知れない生物の蠢く物音が


周囲から聴こえる


フクロウなのか・・・


時折甲高く、時折低く、鳴き声が


夜が訪れた森に響く



海月漂流記-Camino

簡単料理の代名詞パスタを茹で


海月漂流記-Camino

茹で終わったお湯で


火を消化し


更に土で埋め戻し


しばらく完全に鎮火したことを見届ける



海月漂流記-Camino


常備していた鰯のオリーブオイル漬けを


混ぜ合わせ、塩を振り、もう一混ぜで完成


簡単な食事を終え










ヘッドライトを消すと





海月漂流記-Camino

完全な闇が訪れた


時刻は23時少し過ぎ




気温もすっかり下がり


焚き火でも朝まで灯したい気持ちではあったが


乾燥した枯れ草だらけの場所で


一人・・


水も十分になく、火の管理が出来るわけも


なく断念









海月漂流記-Camino

枯葉の上に轢いたマットに寝転がり


夜空を見上げるも


森の木々に覆われた夜空は


星さえも見えない


時折、風が吹き抜けると


木々のざわめきの間に


一つ二つと星が煌くが


闇が圧倒的に周囲を制覇する




そして大地に近づいた耳から


魑魅魍魎の蠢く音が不気味に


枯葉を伝い、その音を増幅する




眼を閉じる


闇は変わらない


だが・・・何かの気配と


音が波となり押し寄せてくる





フクロウが鳴き




犬が遠吠えを、遥か彼方から轟かせる



眠ろうとする意志に反して



意識はドンドンと



恐怖心と共に冴え渡る



疲れた体は



リッラックスと眠りを求めるが



意に反し、体は緊張で硬くなり



ますます頭と感覚が冴えていく





人気のない闇に包まれた森の中









30分ほどだろうか・・・


手に恐怖心を抑えようと


アーミーナイフを握ったりしながら


眠ろうと抵抗を試みたが














無理!!


寝れない!!!







ヘッドライトを頼りに


荷造りをして


巡礼路までソソクサと戻り


トボトボ







闇が支配する


夜空が見えない一本道を


一人


周囲に注意を払うため


音楽すらも聞く気にならない


心に摂りついた恐怖心を


払いのけながら


全感覚を研ぎ澄ませ


疲れた体を引き摺る


トボトボ






海月漂流記-Camino

23:35




前方に朧に明かりか何かが見えてきた






いや・・・何もなかったのだが・・




森を抜けると




開けた月のない夜空には



ミルキィーウェイ(天の川)



が眩しく輝いていた




少し軟らかくなった闇の中



収穫前の広大な麦畑の端っこで



横になり



広い夜空に輝く星々を眺め



時折流れ落ちる流れ星と共に



麦畑のベッドで



0時ごろ眠りに落ちた






08/09  58,114歩   36.0km

累計 1,457,145歩  901.5km






DAY34-1 AM3:30 麦畑の中  へつづく

アップ注意02/13 12時公開注意アップ




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