私たちを取り巻く環境因子は、自然老化の原因そのものではないのですが、
老化を加速させたり、増幅させたりしますので、老化の重要な要因とみなされます。
なかでも紫外線、酸化、乾燥は重大な老化促進因子とみなされます。
人は生きている以上、外界からさまざまな刺激を受けます。
その中には不快なストレスとなるものが多く、現代社会ではそうした刺激が
ますます過剰にのしかかってきます。
寒さ、暑さ、けがといった物理的・化学的ストレスや、騒音、排気ガス、
光化学スモッグといった人工的なストレスの他に、細菌汚染といった
生理的なストレス、ビジネス社会の過労ストレスなどが加わります。
都市社会での人間関係のもたらす孤独感、緊張、不安、失望、怒りといった
心理的・社会的ストレスが高まっています。
また、過度のストレス負荷は、表皮細胞の分裂を減少させ、
表皮が薄くなることが知られています。
皮脂腺についても、ストレスが加わるとホルモンが変動し、
皮脂腺活性が減弱することが分かっています。
このように皮膚のバリヤー機能の回復がストレスによって遅れることから、
お肌は「心の鏡」と言われるのです。
あなたの肌に触れてみてください。
あなたの触れたその肌は、①あなたの心の鏡、②あなたの健康の鏡、
そして③あなたの過ごしてきた環境の鏡が写し出した結果なのです。
今、あなたはニキビ(吹き出物)で大いに悩んでいるとします。
おそらく洗顔剤でよく洗い、殺菌剤入りのアクネ化粧品を使えばいいと考えることでしょう。
しかし、肌は3つの鏡の結果だと考えてみれば、ストレスから来る
ホルモン異常が原因かもしれませんし、便秘が原因かもしれません。
根本から美しさを保つためには、あなたの心、栄養、運動、環境を整え、
肌の変化に応じたスキンケアを心がけていかなければなりません。