初回お見合いでグッタリした私。だが、すぐに次の紹介がやってきた。

 

うーん...写真は年齢相応かな。太ってもいないし。でも、覇気がなさそうな感じ。勤務先も、親会社は一流上場大企業の関連会社だから、「〇〇ナンチャラ株式会社」みたいな感じ。(そう、〇〇には誰でも知ってる企業名が入る。)うーん…それに年収がねぇ…年齢の割に低くない?って思ってしまった私。なぜってこの年収、私の周囲にいる人と比較してたから。私の周囲の男性はいわば高収入ばっかり。だから、この人の年収低いなぁって思ったのだが、調べてみたらアラフィフ男性では平均年収だった。あらら。世間ってこんなものなのね。私が無知だったわ。

 

大卒は大卒だけど...ってところ。技術系。勤務先もこんな感じ。年収もうーんって感じ…。どうしよう...???

 

いやいや、決めたじゃないか。とりあえずしのごの言わずに会ってみると決めたはず。それに、「先方からはぜひお会いしたいとおっしゃられていますから、一度お会いするだけでもいかがですか?」とお仲人さんに言われ、まぁ会ってみることにした。

 

さてお見合い場所に到着したが…いや...またかよ。衝撃的すぎて、絶対に顔に感情が出ただろうと思う。だって…また写真詐欺だもん。今回はデブとかではない。釣り書きと一緒に来た写真は、いわば年齢相応だったのに、目の前にいる本人は...えっ60代半ば?って感じのおじさんというよりオジイサン。えっ…冗談じゃないわよ!!!私、こんなオジイサンとこれからお茶するの???と、もうこの段階でダメだった(泣)。

 

暗~い気持ちでティールームに移動したが、その間に頭の中がグルグル…いや、確かにあの写真は年齢相応だったが、目の前にいる本人はそれよりもはるかに老けている…ってことは、あの写真はかなり前のもの?要するに、本人はそこそこ前からお見合いを繰り返している。写真は変えてない。若いころの写真が、今の本人の年齢相応。だから、当の本人は写真よりも遥かに老けている…。

 

と、結論?に至り、お茶したけど…。

 

見た目もさることながら、中身もオジイサンだった。口を開けば「いや~、疲れますね。」「最近、言葉がすぐ出てこなくって…名前もすぐ出てこないし…そういうことないですか?」「えーっと、ほら、あれあれ…あれですよ。あー、また出てこないなぁ。」が繰り返される会話…認知症予備軍???と思ってしまった。

 

その理由は.いろいろあった。

1.大学4年間以外実家から出たことがない。この年齢(50代)になっても、80代の母親にすべて家事をやってもらって、自分では何もしたことがない。(もう、それ聞いただけで、勘弁してほしいと思った!!!)

2.仕事が機械相手で、会話とかコミュニケーションの必要性がない。基本的に1人仕事。

3.日曜日のみが休日設定で、寝て終わり。友達と出かけるとか趣味に費やす時間も体力もエネルギーもない。

 

特に3はビックリ。私は新卒以来、基本的に完全週休二日制でしか勤務したことがないので、日曜日しかお休みがないということに驚いた。さらに、GWも半分は出勤、夏休みも日曜日+2日だから、実質世間でいうようなお盆休みはない。年末年始も同様...ムリだぁと思った。

 

趣味も釣り書きには「旅行、スポーツ、スキー」って書いてあったのに、全部ウソ。とりあえず書いたらしい。実際には上記のようなお休みだから、旅行なんて行ったことない。スキーも行けない。スポーツもしてない。日曜日のお休みは寝て終わり、ジムとかいいなぁと思うけど…とのこと。はぁ…ダマされた…いや、会った瞬間気づいたけどね。

 

ようやく出てきた趣味は読書だったが、好きな小説家の名前がこれまた出てこない!「えーっと時代小説が好きなんで、あの池…池…」ほらまただよ、名前が出てこないパターン。仕方ないので「池波正太郎ですか?」と言ったら、「あっそうそう。」だってさ。

「それと…あの…犯人を捜すような小説が好きで…」はっ???「推理小説ってことですか?」と聞いたら、また「そうそう、それ。あのー容疑者Xナントカっていう…」イラっときた私は「東野圭吾ですか?」というと、また「あっそうそう。」…いや、好きな小説家の名前はもちろん、ジャンル名もすんなり出てこないようでは、老化もかなり危険な状況と判断した。もう無理無理・・・。

 

なのに、「本とかあまり読みませんか?」ときた。はぁ???今まで話を繋いだのは私だろーが!!!「いや、読みますよ。芥川賞とか直木賞とか取った作品は読むし、最近は『蜜蜂と遠雷』とか、又吉直樹さんの『花火』も読みましたよ。私はジャンル決めるわけじゃなくて、おもしろそうって思ったら読むから。あとは、村上春樹とか。好きじゃないけど、必要に迫られて読んだりしますね。」と言ったら、固まっていた。おまけに、「村上春樹かぁ。読んだことないなぁ。あれって、恋愛小説なんですよね?」ときた…いや、違うし。読書が趣味っていう割には何にも出てこないし…趣味っていってもそこそこなんだってことがよくわかった。

 

黙ってると「いや~、暑くて疲れますねぇ。」しか出てこない。そのセリフ、リピートして聞きたくもないので、とりあえずお茶を飲み終えるまでに話を繋ごうと次の質問を振ってみた。「音楽とか聴きますか?」と聞いてみたら、これまた私には衝撃的な答えが返ってきた。「あ~、そうですねぇ。NHKテレビの歌番組ですかねぇ。何とかコンサート…なんだっけ?」ほらまただよ、言葉が出てこない。「歌謡コンサートですか?」と水を向けたら、「あっそうそう。それ。演歌ですね。演歌が好きです。」って…。

 

いや、いいのよ。演歌が好きだというのをどうこう言うつもりはない。ただ、私は無理だってこと。

 

お茶も飲んだし1時間頑張ったし、もうこれでバイバイだぁと思っていたら、「そういえば、今日はこの後はお忙しいですか?」と聞いてきたので、まずい!と判断。「はぁそこそこで…私、明後日から出張なので…。」と逃げの一手を入れた。だって、1時間が限界だったから。すると…

「どちらにですか?」

「アメリカです。」

「えっ海外出張ですか?私、海外に1回も行ったことないんですよ。すごいなぁ。」…もう無理!無理無理無理無理・・・ムリだよーーーーーーーーー!!!

しかも

「いつ頃、お戻りですか?」

「月末には戻ります。」

「じゃあ、その頃にまた会いますか?私も忙しくて日曜日しか休みじゃないから、早めに予定を決めといた方がいいですから。いつぐらいですかねぇ?」

…えっ?何言ってるの?そもそもそういう話は、お仲人を通すのが筋。それに何より、私がまた会う意思があると思ってる?好ましいと感じていると思ってる?…

無理…ムリ…むり・・・無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理……

もう無理なのよーーーーーーーーーーー!!!!!!!

絶対に無理なのよーーーーーーーーーーー!!!!!!

「出張続きなので、また日程は改めてということで…。」と逃げるようにして帰ってきたのだった。

 

はぁ…疲れた。

やっぱり最初の勘は当たったのだ。

 

年収のことが気になったけど、結局それがすべてにつながった気がする。お休みが異常に少ない、年収も低い。だから、趣味もそれほどないし、どこかに行ったり友人と出かけたりということもない。常に会話するのは80代の母親だけ。

 

その影響もあるのだろうか。読書も時代小説ばかり。聞く音楽は演歌。お決まりのセリフは「疲れるから。」…一緒に過ごしていくタイプじゃないと思った。

 

20代とは違い、夢見る夢子さんじゃないし、恋に恋するお年頃でもない。でも、いくつになっても、一緒に過ごしていくのなら、何らかの共通項とか同じベクトルを持ってないと無理だと実感した。

 

まず言葉が出てこないことは、本当に気になった。認知症予備軍としか思えず。

さらに、趣味が全く合わないことで、共通項が見つけられなかった。しかも、日曜日しかお休みがないなら、一緒に過ごす時間もそれほど持てないだろうから、今後も共通項は見つけられない可能性が高い。旅行は無理だし、外食も難しいだろうなと感じた。

 

海外に1度も行ったことがないというのも、私には無理だった。そういう人がたくさんいることはわかる。それをどうこう言うのではない。ただ、私にとっては、これから一緒に過ごしていこうという人ではないという意味である。アメリカ在住経験があり、仕事も海外関連の私にとって、海外に行ったことがない、興味もない、よくわからない、という人とは、一緒に時間を過ごせないというだけなのだ。

 

大学の4年間以外は自宅生活。母親が全部面倒を見てくれる。職場も車通勤の近隣。そう、生活が半径15キロ以内で全ておさまっている。

 

年収も余り高くなければ、日曜日しかお休みではなく、GWもお盆も年末年始もない。

 

はい、もう行動半径と活動範囲が、私とは根本から異なっている。

むり、ムリ、無理・・・無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!

 

というわけで2回目も無理。

 

さぁ次はいつかな。