さて、ふたたびイタリア旅行の続きです。

旅行のお題の一つが、「カラバッジョの絵を訪ねる」。
以前来たときに開いていなくて見られなかったところを含め、暑い中、教会を巡ってきました。  

あくび@NY→ロンドン-caravaggio poporo
まず、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会へ。

あくび@NY→ロンドン-poporo inside
この教会には「聖ピエトロの逆さ磔」と「聖パウロの改宗」がありましたが、残念ながら
撮影禁止でした。

礼拝堂の左右に向かい合うように架けられている二枚の絵はどちらもドラマチックですが、
落馬したパウロが地面に横たわって神の声を全身で受け止めている「聖パウロの改宗」は
構図がとても斬新でした。

あくび@NY→ロンドン-martyrs chiesa
お次は、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会。

あくび@NY→ロンドン-martyrs
コンタレッリ礼拝堂に「聖マタイの召命」、「聖マタイと天使」、「聖マタイの殉教」の
三部作が飾られています。カラヴァッジョ初期の作品だそうです。

画像にはありませんが、「聖マタイの召命」は、テーブルの左はじにうつむいて何やら
お金を勘定している風の若者、右はじに何やら若者に訴えている人、その人をびっくりした
表情で見上げているテーブルに座った面々…という設定。

召命されているようにあまり思えず(笑)、「一体何が言いたいのかしら」と考え込んで
かえって印象に残りました。

あくび@NY→ロンドン-agostino 01
聖アゴスティーノ教会もカラヴァッジョファンには見逃せないところ。
パンテオンのすぐ近所です。

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こちらが「サン・ロレートの聖母」。

ドラマチックなシーン、そして男性を取り上げることの多いカラヴァッジョにしては珍しく、
聖母像を厳かに、静かに描いた作品。今回の旅で出会ったカラヴァッジョの作品の中で、
一番好きになりました。

農民に拝まれて、驚いて後ずさり気味に見えるマリア様に対し、幼いキリスト様が右手を
さしのべているところに将来の救世主としての姿が暗示されているように思ったのですが     
どうでしょう? 

ところで今日ご紹介した作品はすべて、小銭を入れると短い間ライトがついて絵を鑑賞できる
仕組み。照明がついている間に目に絵を焼き付けよう、とすごく集中しました、笑。

ちなみにバチカン美術館にもふだんはカラヴァッジョの絵があるのですが、どこかの特別展に
貸出し中で留守でした。