一年ちょっと前に
いまのアパートに越してきた
部屋の窓から外を覗くと
向かいの空き地の隣にちょっと大きなお宅
その家の広い駐車場兼庭?の片隅に
手作りの少し大きめな小屋がある
小屋の前には駐車場の入り口があって
その入り口を守るようにして
白い雑種っぽい犬が立ってた
一年前ですでに毛並みがボロボロで
あきらかに老犬なのがわかる
でもどっしりとかまえるように
入り口前をとおる人や車を
けして吠えることはせず
たまにとおる散歩の犬にも
吠えられてもただ黙って
家を守って立っているようにみえた
毎朝わたしはその白いわんこに
通勤する車の中から
おはよう
帰ってきたら
今日も1日ごくろうさんだねー
とつぶやいていた
雨の日も雪の日も
わんこは入り口で番犬する
やせほそってガリガリにみえたけど
飼い主がご飯をあげているのは確認済み
もう年だからしょうがないのかー
とにかくがんばれー番犬よ
ちょっと前
風の強い日に
わんこが気になって窓から見ると
なんとか門の前に立とうとしては
風で飛ばされそうに横になってたわんこ
しばらく立ち向かったけど
最後はとても哀しそうに小屋に入った
番犬わんこも強風には勝てなかったか
でも無理するなー年なんだからー
昨日夜
外から獣の叫び声というか
哀しい苦しい叫び声が聞こえた
あ
と思い
窓を開けた
夜で暗くてよく見えないけど
わんこがよこたわってないてる
ああーおーん ああーおーんて
すごくすごく哀しい声でないてた
もしや危ないのかわんこ
わたしは見に行く勇気も
その哀しい声を聞きつづける勇気もなくて
窓をしめて
イヤホンで音楽をききながら寝た
ただただ
わんこの飼い主が
あの声を聞き付けて
わんこの側に寄り添ってくれていることを祈って
次の日朝
わたしは早くからでかける予定があった
わんこの声はたまにまた聞こえた
わたしは
命が消えかけているわんこを見れなかった
わんこがいるほうとは逆に向かって
車を走らせた
その数時間後
同じくわんこを心配していた同居人から
アイツ さっき 逝ったぞ
最後はちゃんと飼い主に看取られてた
ってラインきた
ああ
やっぱり天に召されたのか
わんこ
今日朝
ちゃんとおはようしてけばいかった
番犬ごくろうさん
毎日お前はちゃんと
家族を守っていたんだね
おつかれさま
番犬わんこ