こんにちは、糖尿病専門医のあーこですニコニコ

 

妊娠と甲状腺ホルモンって結構関係があるのです。

 

①甲状腺の病気じゃないのに妊娠して甲状腺ホルモンが上がることがあります!

 

妊娠初期は胎盤から分泌されるhCGの甲状腺刺激作用により軽度の甲状腺機能亢進症をきたします。つわりがひどい人ほどこの数値が高くなります雷

甲状腺の病気でないので見守るしかないのですショボーン

 

②バセドウ病や橋本病が妊娠を機に良くなることも。

妊娠後期には自己免疫異常であるバセドウ病や橋本病の病状が軽くなり、産後には悪くなることがあると言われています。

他の自己免疫疾患(SLEなどいわゆる膠原病)も妊娠中は良くなり産後に悪化することもあります。

それには女性ホルモンのエストロゲンが関与しているということですキラキラ

私が経験してきた中では甲状腺の病気はそこまでわかるほど変化しない印象ですが、個人差があると思います。

確かに以前、SLE(全身性エリテマトーデス)で糖尿病もある患者さんで妊娠すると調子が良いと言っていた患者さんがいました。産後すごく悪くなったとは言っていませんでしたが、妊娠中のホルモンの変動は病気がよくなったり悪くなったりにも影響するのですね。

 

③甲状腺機能低下症は不妊や流早産の原因に

甲状腺機能低下症では妊娠率の低下、流産、早産の増加、妊娠中毒症の増加などが知られていますガーン

不妊治療を行っている婦人科では甲状腺機能を測ることが多く妊娠する前に(潜在性)甲状腺機能低下症が見つかることがあります。

 

甲状腺ホルモンが少ないと赤ちゃんに影響してしまうため、明らかな甲状腺機能低下症がある場合はチラーヂンSというお薬を飲んで、TSHが2.5以上にならないようにキープしなければいけません。

 

でも潜在性甲状腺機能低下症(FT3、FT4が正常)の場合はTSHが2.5から5の間では最近の研究では妊娠率や流産率には違いはないと報告されています。TSHが5以上の場合は補充療法を行う方が良さそうです。

 

また妊娠中は補充の必要量が増えることもあるので定期的に甲状腺ホルモンを不足がないかチェックしてコントロールが必要です。

 

潜在性甲状腺機能低下症の場合は、ホルモンがやや不足気味という程度なので産後は甲状腺ホルモンが不要になることもあります。

潜在性甲状腺機能低下症についてはこちら

 

④バセドウ病の原因である抗体(TSHレセプター抗体)が胎盤を通して赤ちゃんに移行します。

抗体が一部赤ちゃんに移動するとその抗体が赤ちゃんの甲状腺を刺激して甲状腺機能亢進になってしまうことも。赤ちゃんの自己抗体ではないので一時的なものです。

 

妊娠と甲状腺とすると盛り沢山の内容になってしまいましたチュー

もしもっと詳しく聞きたいことなどあればコメントいただければ、もう少しピックアップして書いてみたいと思います音符

 

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