　名古屋のリニア・鉄道館も開館して早１０年だそうだ。行こう行こうと思いつつ今になってしまった。コロナ緊急事態宣言が解除され学校も始まり月曜日だからきっと人出も少ないだろうと１０月４日電車に乗って鉄道館を訪ねてみた。

　いつもの通り伊勢鉄道鈴鹿駅から快速みえで名古屋へ！　そして初めて乗る「あおなみ」線で終点の金城ふ頭前まで。　

　鉄道館は駅の目の前！

　敷地は広く建物の形もリニア車両をイメージして？ユニークですな。向こうには伊勢湾岸自動車道の名古屋港入り口を跨ぐ大きなつり橋が！

　入口から振り返るとあおなみ線の金城ふ頭駅がすぐそこに見える。

　ロビーへ入ると正面に案内デスクと入場券自動販売機がある。大人千円・・嬉しいことに一旦館外へ出ても再入場可能。

　そしてここを通っていよいよ展示室へ。

　入るとシンボル展示室になってるが真っ暗じゃないか！

　そこにはスポットライトに照らされたＣ６２と新幹線試験電車そしてリニア車両が置かれている（二階デッキから）。ここは高速を目指した車両の展示エリアだ。

　C６２１７蒸気機関車；

　C６２をこんなに間近で見たのは初めて。素晴らしい！！　特急「つばめ」や「はと」を牽引したわが国最大・最強の蒸気機関車で当時狭軌蒸気機関車の世界最速記録「１２９キロ」を記録した。伊勢湾岸に住む私は現役時代の疾走風景を見たことない。整備・保存状態もよくこの機械感が何とも言えない。なんとか動態復活ならんもんかなあ・・。

　９５５形新幹線試験車両（３００X）；

　当時電車としての世界最高速４４３キロを記録。おっとりした風貌だなあ（笑）。

　超電導リニアMLX01-１；

　当時鉄道の世界最高速５８１キロを記録。私個人的にはこりゃ鉄道じゃないと思わないし乗りたいとも思わない。そもそも私のような高齢者が乗ったらあまりの加速にカツラがズレて心臓麻痺を起こすかもよ。扉がこんな風に開くとは！！

　この展示室ではやはりC６２が最高ですな！！

　さて奥へ進むとメインの展示エリア；

　おおおお！　旧型機から新幹線車両まで一堂に揃ってますねえ（二階デッキから）。

　じっくり拝察致しましょう！

　旧型電気機関車２種と奥にＣ５７蒸気機関車がある。

　ED１１２；

　個人的には旧式の凸形電気機関車が大好き！　GE製の輸入機ですな。この手の台車はたまりませんなあ。

ED１８２；

　輸入・改造機である箱形電機。これはこれでいいですなあ・・機械！って感じの台車も素晴らしい。動軸間に軸重を負担する走軸を1軸追加した台車に交換された。

　C５７１３９；

　最も美しいと言われるC５７。この１３５号機はかつてお召列車を牽引したそうでランボードの手すりはその当時装備されたものを再現。テンダー後ろには旧式の給水塔が設置されている。

　これら車両の後ろにはゲテモノ車両が！

　ホジ６００５；

　何んとも凄い機関車要らずの蒸気動車。片側にボイラーを積み込み足回りは蒸気機関車そのもの。ボイラーの手前には加減弁がある。屋根上には当然ながら煙突がある。確かに考え様によっては理想的な車両かも。

　機関室側。車内はまことに普通の客車。しかし扉の向こうにはボイラーが！

　一方反対側は・・

　普通に運転室のある車両としかｋ見えない。しかし転車台で方向転換しボイラー側を常に先頭にすることなくこちら側の運転室と機関室側とは加減弁用のワイヤーと伝声管を介して運転されたというまことに凄い車両だ。まあ決して強力ではなかっただろうし速度も遅かったでしょうなあ。でもこんな車両が走っていいた時代があったのに驚きですよ。是非走らせて欲しいものだ！！

　さて次の列は・・

　モハ１；

　国電の祖と言われる大正生まれのダブルルーフの木造電車で当時首都圏で活躍。JR東海名古屋工場で復元・整備された。車内は木のぬくもりを感ずる実に美しい内装だ。台車は武骨で重そうだなあ。走行中はギシギシと音を立ててそう。

　EF５８１５７；

　これも人気のあるなかなかいいF級電気機関車ですよ。足回りは機械そのもの！　残念ながら運転室をはじめ機械室はガラスに照明が反射して内部の撮影は困難。かつてEF５８が牽引する東海道線・急行「高千穂・桜島」（名古屋→東京）にそして山陽本線・寝台列車（大阪→？忘れた）に乗りましたよ。スハ４３客車を連結して展示されてる。

スハ４３；

　横には手動踏切遮断機が設置され当時の雰囲気が再現されている。

　いいですねえ。きれいに整備されてるし。元々急行列車用のい一般形客車だ。後年は普通列車にも使用されかつての紀勢線では今で言うこの旧型客車列車ばっかしでしたよ。向こうには連結されたEF58が見える。

　当時としては新型のTR４７台車で車軸発電機もしっかり確認できる。

　モハ５２；

　当時の姿に復元・整備された名車中の名車。京阪神地区の急行電車で活躍した流線形電車で流電なるニックネームを有していた。晩年は飯田線などにも使用されたが乗車する機会はなかった。もう一度走らせたい電車！

　クモハ１２；

　鉄道省初のリベット打ちの鋼製電車だが車内は美しい木製だ。幾度か改造が施され顔貌はいろいろで切り妻容姿は運転台の増設改造によるが少々不細工だなあ。主として首都圏で使用されていたが晩年飯田線でも走っていた。下駄履きでも気軽に乗れる電車と言われた当時の世相を反映した面白いニックネームだ。

　クハ１１１；

　新性能電車と言われ都市部近郊で大活躍したいわゆる近郊型電車である。今でも残党が各地で現役で頑張っている。３扉でボックスシートがあるもその幅は少し狭く収容人数を増やしている。この塗装と面構えには人気がある。

　クハ３８１；

　曲線区間を高速で走行するため振子式台車を採用した特急電車（「しなの」や「くろしお」など）。振子機構は見ての通り遠心力によるコロ軸指示式の自然振子装置だ。当初「酔う」と言う乗客が居たが私が乗車した時にはその振子作用を感じなっかたなあ・・鈍感なのかもネ。

　キハ１８１；

　いやあ～こりゃ懐かしいなあ。大好きな車両の一つだわ。強力エンジン搭載による勾配区間の多い中央本線を担当。しかし紀勢本線に来ることはなかった。

　一階展示車両の最後は新幹線車両。

　０系；

　やはり見てて一番落ち着く車両だなあ。名車ですよ。

　１００系；

　初めて二階建て中間車を採用。マスクが精悍ですよ。何度も乗車しましたが二階席に乗っても特に感動はなかったなあ。

　３００系：

　２７０キロ運転で「のぞみ」が誕生した。のっぺりした顔貌は好きじゃなかったけど見慣れましたよ（笑）。

　N７００系；

　現在主力の２８０キロ運行（東海道）の車両で今ではN700sになってる。確かに早いですなあ。

　ドクターイエロー（９２２形）；

　０系をベースとした電気軌道総合試験車で保存展示されているのは０系オリジナルの２＋３転換クロスシート仕様になっている先頭車で用途は休憩室兼添乗員席である。

　メインの車両展示に加え背後には収蔵車両エリアがあり車庫に収納された形で十数量の車両が保存されている・・と言うよりぶち込まれている。

その中から・・

　キハ４８０００；

　キハ８２；

　いや～懐かしい！　また会えた特急「南紀」。乗ったし大好きな車両の一つ。これも名車ですよ！

　モハ６３；

　都内を走りまくってたみたいですが現役時代を知らないなあ。これも「ゲタ電」の一つ。

　サロ１６５；

　これも乗りましたよ。簡易運転台付き。G車両ながらいまとは違って車内はシンプルで良かったなあ。

　クモハ１６５；

　急行「東海」・・懐かしいなあ。学生時代大垣夜行で乗りましたよ。急行車両の名車ですよ。

　クハ１１７：

　京阪神地区の新快速や名古屋地区の快速として活躍。ふっくらとしたユニークな容貌。転換クロスシート車ながら乗り降りを考慮し片側２箇所の両開き扉を有する。最近では「WEST EXPRESS 銀河」として全面改装された編成がある。

　その他；

　国鉄バス第１号車

　新幹線車両の台車やパンタグラフの展示

　３軸ボギー台車

　新幹線・在来線の運転シミュレーター

　鉄道ジオラマなど

　そしてミュージアムショップやデリカステーションもある。更に館外にN700３両と軽便蒸気ケ９０の展示もある。

　JR東海にしては珍しい施設だ。しかし建物は名古屋港口に独立し在来線路との連絡はない。大宮の鉄道博物館（行ったことないけど）と違い現車の走行展示がないのが残念だ。また館内は明暗が強く照明が車体やガラスに反射し撮影がなかなか難しくPCなどで画像処理が必要だ。フラッシュ使って撮影してるアホが居たけれど撮れた画像の真ん中には光ったフラッシュが煌々と写るだけってのが何で分からんのかなあ。

　周辺にはレゴランドやショッピングセンターがあり大きな市営駐車場もある。

　今回平日に訪問したので来館者はそれほど多くはなかったが子連れが多く幼児たちは広い館内で大声を出し走りまくり到底展示車両を観察する気など全くない。子供たちに人気なのは運転シミュレーターだけですな。とある夫婦の会話・・「全然見る気ないし博物館は無理みたい。遊園地の方が良かったかなあ。」

　「オッサン・オバハンの日」てのを設定して欲しいかも。

JR東海・リニア・鉄道館