　コロナ禍で長期間続く「自粛」のお達し。まあ言われなくても自ら感染予防に徹すればいいんだけど何故か夜な夜な出歩いて飲みたくなる連中が後を絶たないなあ。カラオケはダメだよって散々言われてるのに我が三重県でもカラオケ店が感染クラスターになったし。

　ってとこで県外移動の自粛に従ってそれじゃ県境ギリギリなら良かろう（・・屁理屈・・）とばかりに隣接する府県との境界駅を訪ねてみるという愚行をやってみた。言っておきますが一歩たりとも三重県を出てないからネ。

　そして伊勢湾岸の山あり林ありの丘の上に住む私から見た各駅の印象を記してみた。

【三重県―愛知県】（１月２５日）

　そこにはＪＲ関西本線と近鉄名古屋線の長島駅があり今まで何度も通過している駅で今回初めて行ってみた。名古屋方から木曽川―長良・揖斐川に挟まれた場所で木曽川の真ん中に県境がある。

近鉄長島駅

　駅前ロータリー。なかなか広々としたスペースでもちろんバス停もある。国道一号線から少し北へ入った所で周囲には普通に住宅が広がっている。

　ところで・・

　一本の高いポールが！　なんと伊勢湾台風時に押し寄せた高波の水位と現在の満潮時水位が示されている。えええ！？ふだんでも満潮時の水位はこの場所より高いとな！！信じられん！！！

　そして・・

　何故か歩道の部分にはちっちゃな小川が造られている。何か意味があるのか知らん。

　二階建てのこじんまりした駅舎である。

　相対式ホーム２面・２線の特徴のない構内で近隣レジャー施設のイベント時に急行が臨時停車するためホーム有効長は６両である（桑名方を見る）。この辺りは直線区間で優等列車が高速で通過する。

　ホームの端から桑名方を見ると向こうに長良・揖斐川鉄橋が見える。

　名古屋方。この先は木曽川鉄橋でその中間辺りで愛知県に入る。

　下り松阪行き急行が高速で通過する。長島駅に停車する列車は普通と準急のみ。

★

ＪＲ長島駅

　近鉄長島駅横の踏切から僅か徒歩２分でＪＲの駅が隣接している。

　複線区間の島式ホーム一面の無人駅で南北連絡地下通路を通ってホームに上がる。

　地下通路入口の柵には雀？が。

　地下通路の中央部にホームへ上がる階段がある。

　島式ホームには小さな上屋があるだけで吹き曝しだ。

　上り線側には駐車場が。

　下り線側には保線用側線と車庫がある。

　桑名方。向こうに長良・揖斐川鉄橋が見える。

　名古屋方木曽川方面。

　近鉄長島駅側には駅前ロータリー跡がありかつて駅舎がこちら側にあった。

　この辺りは近鉄線とＪＲ線が並走する直線区間で互いにデッドヒートが繰り広げられる。名古屋行き普通と名古屋行き特急南紀。

　印象：木曽三川に挟まれた広い平地でいつ浸水してもおかしくない海抜マイナスのこの低地！　高い建物は一切なくずっと住宅が広がってますねえ。名古屋まで近い場所ながら三重県民のほとんどが通過する駅。大丈夫なの？と心配になりましたねえ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【三重県―滋賀県】（１月３１日）

　関西本線と草津線の分岐駅である柘植駅。JR西日本管内である。

　駅前広場は決して広くない。正面にタクシー詰め所があり入口向かって右側にはよく手入れされたちっちゃな坪庭が・・左手には民間駐車場が設けられている。左手を線路沿いに進んだ所には伊賀市営駐車場もある。

　簡易委託駅。ステンレス製ながら昔ながらの改札口だ。

　駅舎側が１番線で関西本線伊賀上野・加茂方面。島式ホームの２番線は関西本線亀山方面・３番線は草津線の発着ホームである。関西本線は非電化・草津線は電化されている。中線が残っているが使用されていない。

　１番線ホームは・・

　関西本線加茂方面用であるが草津線へ直通出来る。

　１番線ホームの加茂・草津方先端には・・

　今でも煉瓦造りのランプ小屋が残されている。この辺りのホーム高さはかつてのままである。

　そして・・

　ホームの基礎にはレンガ積みが残っている。

　なんとホーム上に入れ替え信号機が！

　加茂・草津方・・

　関西本線は単線となって左へカーブし更に三重県内を進む。草津線は単線となって真っ直ぐ進むがこの先直ぐが県境である。線路の右側奥の藪状態な場所に転車台があった。

　跨線橋には・・

　壁に怪しげな忍者がはり付き当地の名所や歴史がカルタ風に掲示されている。

　２・３番線ホームは・・

　かつて国鉄時代の乗り換え駅らしく長くて幅の広いホームで上屋も大きい。

　亀山方には何故か海抜２４３ｍと書かれた標識が！

　２・３番線ホームにも・・

　草津方に僅かに石積みが残ってる。

　３番線側にはかつて貨物側線であった複数の電留線がある。言うまでもなく当駅は亀山から加太越えの役割を果たした補機蒸気機関車が亀山へ折り返す基地で給水塔や転車台があった。夜間滞留した草津線電車は一旦亀山方引き上げ線へ進み折り返し３番線に進入する。

　関西本線加茂行き・亀山行きキハ１２０の２連同士の交換と折り返し草津線１１３系４連。うまく乗り換え設定がなされているようだ。

　しかし・・

　この緑一色の姿はなんとも味気ない・・かつてのオレンジと緑のいわゆる国鉄色が一番良かったなあ。しかしＪＲ東海管内ではとっくの昔に姿を消した１１３系が今も大切に使われているのが嬉しいなあ。

　さすがに車内は転換クロスシートで快適さが向上されている。

　加茂行きは関西本線を左へ・・。

　草津行きは草津線を直進し直ぐに滋賀県に入る。

　駅南東側外れの市営駐車場。

　そして駐車場に隣接してJR西日本のアパート風建物があり乗務員の宿泊所か・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【三重県―岐阜県】（２月５日）

　それは養老鉄道多度駅。

　近鉄時代を含め養老線には乗ったことがなく早速桑名から・・

　ちと変わった塗装の元近鉄名古屋線１６００系（１６５０形）　（桑名駅養老鉄道ホーム）。

★

多度駅

　多度大社を控えた駅だけに屋根の造りは神社風。

　こじんまりした駅前広場だが周りには多度大社参詣客や観光客相手の商店は何もない。多度大社までここから歩けば約２０分。

　駅舎側に大垣方面１番線ホームそして桑名方面には島式ホーム２・３番線がある。

　駅舎側１番線ホームにはレンタル自転車が置かれている。ホーム上屋の鉄製支柱が異様じゃないか！

　１番線ホームは石積みから更に嵩上げされている。

　通常の駅名標に加え１番線ホームにはこんなのが（笑）。

　桑名方。１番線ホームにはかつての貨物用側線があり保線車両が留置されている。また下り１番線の桑名方には上り出発信号機が設けられており折り返し可能な配線となっている。

　上り２番線へは構内踏切を渡るがその通路により１番線ホームの大垣方が欠き取られている。

　構内踏切から見た大垣方。上下本線分岐器はスプリング式で側線である３番線の分岐器は手動式である。この先の田園地帯に岐阜県との県境がある。

　下り２・３番線ホーム。側線である３番線には架線が張られているが列車入線の痕跡は全くなく側線に上下いずれの方向にも出発信号機はない。

　本線でありながらその枕木は白骨・ミイラ化したものが多いなあ。

　もちろん側線の線路はあかん！！

　３番線ホームからは木曽川堤の千本松原や木曽三川公園タワー更に名古屋駅付近の高層ビルが見える。

　元近鉄車３両編成の桑名行き。ホームは意外に長く１番線は充分６両編成対応である。

　全線単線である養老線ではかつて国鉄桑名駅と大垣駅を結ぶ貨物輸送が行われその痕跡が側線として残っている。多度駅からは圧倒的に桑名（～四日市・名古屋）方面へ向かう乗客が多い。この日は元東急車両に出会わなかったなあ・・。

　印象：養老線に初めて乗った (^^♪。この辺りは木曽三川からそれなりに高い場所で遠く名古屋まで見通せるとは知らなんだなあ。高校・大学時代の友達も住む所だから親近感がある。路線はいかにもな田舎私鉄の様相を色濃く残しておりかつて貨物列車も運行されていた痕跡があちこちにある。今回は遭遇しなかったけれどここに大都会を走っていた東急電車がやって来ているのに少々違和感あるかなあ・・。今度はド田舎を走る東急車両を撮りに来なければ！

国境の駅を訪ねて：前編