ラジオから年賀状を送るシーズンだからか、


伝書鳩を復活させようなんてコント仕立ての
あふぉ~な寸劇をやっていて
あはは、あはは、って聞いていたら

急に子供のころのはがきの出来事を思いだしました。


小学1~2年のころだったのかな?


両親は二人で酒や野菜を扱う小さな店を開いていまして、


夏休みに入って、手のかかるガキが1日うろちょろしていると
仕事にならないっていうんで

おばあちゃんの家に夏のホリデーっていう疎開に
出されていました。


二つ上の姉と一緒だったんですが
大人と一緒に静かに話を聞いたり、和裁を習ったり
お行儀が良いのと違って
私はじっとしていられない・・・・


好き勝手に、マンガ本を読んだり引き出しをあけたり
あたりを探検したり、見も知らぬ家に上がりこんだり、
まあ風来坊な毎日を一人過ごしていました。


様子を見ていたおばあちゃんは、
この娘はやばいと思ったんでしょうね

あっころと”○○ひろ”(脳障害で生まれました)が心配だよって
長男の家に同居の為名古屋に移る時母に言ったんだそうな。。。


それでも優しい目で見てくれていたんでしょうね。


私はおばあちゃんが好きで

そのおばあちゃんの家は居心地がとても良かった。


夏が終わって


何を考えていたのか良く思い出せないんですが
急におばあちゃんにはがきを書こうと思い立ったようです。


しかしそれでなくても頭おてんてんのサルの時代ですから
相手先の正確な住所もおばあちゃんの名前も知らず


駿河小山 ○曲がり (番地なし)
高山のおばあちゃん


これだけ書いて、さらに自分の名前も書かずに
ポストに投函しました。


日本郵便、すごいものです

このすさまじくアバウトな字を判別するのも難しそうな
鉛筆書きのはがき、
いたずら、って思わないでちゃんと届けてくれました。


自分がはがきを書いたことも忘れたころ


母から、
”おまえ、おばあちゃんにはがき書いたでしょ?”って
聞かれて、なぜだかぎくりとしたことを覚えています。


母は、可笑しそうに
”まったく住所も名前も無いから誰だ、誰だ!って
大騒ぎになったんだよ、って

こんなことをするのはおまえだろうと言うことになったんだよ、と。


それで、なんではがき出したんだって
何度も聞くんですが、

恥ずかしくって恥ずかしくって、
知らないーとか言って逃げちゃいました。


ホントはおばあちゃんが好きだから
優しくしてくれたから感謝の気持ちではがきを送ったんです。
だから”なんで”なんて言われてもそんな恥ずかしい事
言えやしません。。。

真摯な気持ちを笑いの元にされたくも無かったって気持ちもあったのね。

だけどまじめに受け取られるのも照れくさい・・・


ずっと心配をかけていたおばあちゃん


番地や差出人の名前が無くっても送ってくれた
郵便局なら
天国にもはがきを出したら、届くかもしれませんね。


”幸せになっています、
いっぱい心配をかけてごめんなさいね、おばあちゃん”