もうすぐ予定日。


早いな。
元気だったらもう臨月。


私の心はざわつかずにはいられないらしい。


あの子のことを思い出さない日はないけれど、
予定日近くなってくると辛さを耐えられなくなってきた。


酷にも、
息子つながりでのイベントにいけば、
お腹の大きい妊婦さんは必ずいるわけで。

職場にも悲しいかな、
予定日1週間違いの後輩がいて、
最近まで目の前をうろちょろしたりして。


二人目妊娠報告とかしてくる人に
笑っておめでとうが言えず。


なんであの子は死んでしまったのかと考えてしまい、
人前で涙が止まらなくなったり。


悲しいな。
あの子のことを思い出さずには居られないこと。
こういう風に、妊婦さんや他の人に優しくできないことも。
私がもう妊娠を望めないことも。



私は嫌な人間だ。


だからあの子も私の事を見捨ててしまったのか。


あの子と一緒に私も死んでしまえばよかった。









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先週は四十九日でした。


まだ、こんだけしか経ってません。



外で妊婦さん見たり、夏ごろ出産予定の人の話を聞くと、
心臓を握りつぶされる思いです。


予定日が近いかたは、やっぱりキツい…。



でも、生きている限りしょうがない。


後ろ向きな気持ちになる自分は、
キライじゃない。


そうおもって当たり前さ。




明日から仕事に行きます。


まだ、胎盤出てきてませんが、
焦らず長い目で待ちます。



夏に向けてどんどんユウウツになるんだろうな…。





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昨日、一旦退院しました。



病院から家につくまで、車だというのにゼーハーものでしたが、

何とか帰ってきました。


家に着くなり、息子が抱きついてきて離れませんでした。



息子の存在は私を元気にさせてくれます。


1日中ずーっと、ママ大好き、って言ってくれました。


ママ、血出ちゃったけど、るーくん居るからだいじょぶだよ!

って抱きしめてくれました。




ありがとう。


あなたの存在は私に勇気と元気を与えてくれます。



亡くなった娘も、息子と同じ気持ちでいてくれていると思います。



完治するまで時間はかかるかもしれませんが、

前向きに行こうと思います。



わが子は味方だということを信じて。





明日、一旦退院することになりました。


今日のCTの結果、

今のところ、胎盤に血流が無さそうなので、

大出血のリスクが低くなったとのこと。



入院管理しなくても大丈夫って。




同じような症例を探すと、


切除手術するのが多そうなのだけど、


ここの病院は少し慎重で、


できればこのまま、負担の少ない自然脱落を狙いたいらしい。



過去ここの病院で私と同じ症例があったらしいのだが、


CTや子宮鏡で血流が弱まってると確認したにも関わらず、

切除したら出血多量でヤバかったらしい。



なので、保存的治療で長いスパンをかけて、

やっていきましょう、という結論になりました。



いくら、モノの血流が弱くなってるとはいえ、

出血するリスクを背負って生活しなくてはいけないけれども、

激しい運動さえしなければ大丈夫、

って女医さんに言われたので、前向きに頑張っていこうと思います。



今度、大量出血を起こしたら、

また同じことの繰り返しになりそうで、

精神的にヤバくなりそうなので、

子宮摘出も覚悟しようとおもいます。



UAEをやっているので、

また妊娠しても、癒着胎盤と子宮破裂のリスクが高いのです。


しかも、今回も癒着胎盤だったかもしれないと言われているので、

尚更リスクは高まります。



私は…

今回の妊娠、死産、等々のこともあり、

生かせてもらってるだけでありがたいと思っています。



小さな息子を置いて、死ねません。


ハイリスク覚悟で、

大袈裟かもしれませんが、

死ぬのを覚悟で、

また子供を授かりたいと思うことはないと思います。



亡くなった娘の分も、

また元気な赤ちゃんを望みたいのは山々ですが、

妊娠、出産は命がけということ、

今ある命は奇跡だということを教えてもらい、

自分の命を大事にしようと思います。




今のような状況になって、

娘を授かったことを後悔したときもありましたが、

逆に娘が私を生かしてくれているんじゃないかと、

思えるようになってきました。



済んだことは後悔しても仕方がない。









ママは何もしてあげられないひどいママで、

あなたのことを授かったこと、

間違いだったんじゃないかと考えたりしたけれど、

でもあなたがお腹にいてくれてた日は、

大変だったけど幸せでした。



こちらには、おにいちゃんがいるから、

あなたに会うためにまだママはそちらにいけないの。



本当にごめんね。



時間はかかるかもしれないけれど、

会える日は必ずくるはず。



それまで待っててね、維。










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なるようにしかなんないしなー、

と思ったら、何だか気が楽になってきた。


生かしてもらってるだけ、ありがたい。




と思ったら前向きになれてきたので、

暇潰しに同室のおばさんを観察することにした。


初対面から、独り言が多く、文句ばかり。
(当然挨拶されたこともない。)


病院つまらない、
週刊誌は面白くない、
ご飯は不味すぎて口にあわない(でも毎食完食)、
個室は高すぎ、

等々。



私の母親と同じくらいの歳らしいのだが、

どうみてもおばあさんにしか見えないのはなぜだろう…。


ひとり息子がいるらしいが、

家のことが何にもできないようで、

すごく心配している。


…いい大人だから、大丈夫だと思うよ。



抗がん剤の副作用で食べれない同室の人に、


ご飯不味くて食べれたものじゃないわ~


って言ってたけど、言う相手間違ってるし。




とある薬を点滴から内服に代えようとしてるみたいなのだが、

血中濃度の上がりが悪いらしく、

退院できずにいるようで、若い医者に

「帰りたい!」

ってキレたら、逆ギレされていた。


「体型が大きいと効きにくいんですよね!」

って…。


フイタ。


キレる相手間違ってるし。



しかもその後、怒りで熱くなったのか、

いつもの「暑い暑い」を連呼し、

部屋の暖房切りやがった。



あのー、

さっき手術から帰ってきた人いるんですけどー。


そんなに暑いかな。



どうやら、暑がりらしい。(本人談)


夏はキツいらしい。(本人談)




うん、…ふくよかだもんね…。




今日買ったプリン2個はもう食べたかな…。



今夜こそは、暑い暑いと連呼しないでよ。


イビキだけでもうるさいから。




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子宮動脈塞栓術をして、

一昨日のエコーで血流が見えなかったから、

手術はせず、自然に壊死するのを待とう、

ということで、退院も間近と思っていたら…



今朝のエコーで血流が戻ってきてるように見えた…。



このまま血流が増えると、

子宮動脈塞栓術をまたしなければ、

大出血する。(また逆戻り)




なんかーーーー



もーーー



つかれたー。




さすがに限界かも…。





昨日、親友がわざわざお見舞に来てくれて、

気持ち軽くなってたのに、

頑張る元気をもらえたのに、


また痛い思いをしなくてはいけないのかと思うと、


一体私はどうすればいいのか。



大出血することを心配しながら生活しなくてはいけないのか。


今のヘモグロビンの値だと、


あの大出血をまた起こしたら


死ぬんじゃなかろうか。





つかれた。



くじけそう。


息子と夫と普通の生活がしたい。


ただそれだけなのに。








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娘の初めての月命日から間もない昨日の朝。

起床した瞬間、ざばーーっ!というくらいの大量出血を起こし、
生まれて初めて救急車に乗りました。

分娩した大学病院に搬送してもらったのですが、
診察の結果、胎盤がまだすこーし残っていて、
厄介なことに血流があるとの事。

採血の結果、貧血の値が下がりすぎてて、
週末に急変(再度の大出血を起こ)したら危険な状態になる、
ということで、緊急で出血を止める手術をしました。

手術の名は、子宮動脈塞栓術。

足の付け根の大動脈からカテーテルを入れ、
子宮に繋がる動脈に薬物を注入し、子宮の動脈を止めてしまうというもの。

リスクとしては、今後の妊娠が難しい、との事。

国内の症例では、無事に妊娠、出産に至っている例も多いとはいうが、
学会ではまだまだらしい。

…なんか、ほんとに、踏んだり蹴ったり。


手術は無事成功したものの、
手術中は局部麻酔で一切の動きが禁止。

術後は痛みが酷すぎて、記憶朦朧。


今もいたい…。
陣痛並みの子宮の痛さ。

なんでまぁ、次から次へと。


順調に経過すれば、残った胎盤を
切除する手術が待っています。

自分の体も心配だけど、
息子のに会えないのが辛すぎる…。

神は私に冷たい。









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赤ちゃんの胎盤、絨毛を病理、染色体検査に出していたのですが、
とんだ勘違いが判明。



赤ちゃん、…女の子でした(((^_^;)



おまたに男の子みたいなのがあったように見えたんだけど、
違ったのね…。



元気になったら、ミニーちゃんのぬいぐるみと、
女子のお洋服を買うね!



ちなみに、検査結果はすべて異常なし。



またもや、女医さんに
「(あの週数での流産は)不思議~…」
って言われちゃった。




結局、流産の原因はわからずじまい。




女の子と聞いて、元気に大きくなってたらどんな子だったんだろうと、
想像が膨らみます。




あー、やっぱり元気に生んであげたかったな。

元気な姿で会いたかったな~。




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生々しい表現があるので、見たくない方はスルーで。











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しばらくすると、手の痺れと足の痺れがとれてきた。

収縮剤と、下腹部の上に置いたアイスノンが効いてきて、
出血も落ち着いてきた。

急に強い陣痛が来て、パニック状態になり過呼吸を起こしたらしい。


確かに、最後は痛みが強烈すぎてうまく呼吸ができなかった。

出血がダラダラ、というよりドクドクとしきりに流れている様子がわかったので、
怖くなった。


血圧が上がりすぎて危なかったと言われた。




夫と母が戻ってきて、無事に終わって良かったと安心していた。



助産師さんがきて、赤ちゃんを見るかと聞いてきた。

亡くなって時間が経っているため、身体が羊水でふやけてしまっている、
触ると崩れてしまいそうなので、残念ながら手形足型は取れないね…
と言われた。

私は、ぜひ見たい、と申し出た。



ガーゼにくるまれて、連れられてきた赤ちゃん。

小さな小さな、手の平に乗るくらい小さな赤ちゃん。

手も足もちゃんとあって、へその緒もあった。

息子の赤ちゃんの時の顔に似ていた。

小さくても、ちゃんとした人間だった。

頑張って、ここまで大きくなったんだね。


今日で16w1d。

妊娠5ヶ月までお腹にいてくれたんだね。




「かわいいね~」

と泣きながら抱っこした。


夫も声を上げて泣いていた。


母は隅の方で声を殺して泣いていた。



1時間ほど休み病室へ戻った。


死ぬほど悲しかったけれど、

マタニティハイと空腹が相重なり、

無情にも夫が買ってきてくれたサンドイッチをガツガツ食べた。



夜は一人で泣いた。

色々想って泣いた。

泣いていたら朝になった。


朝日を窓から眺めていたら、息子を産んだ時と同じ気持ちになった。


今日という日がきてくれてありがとう。

私に生きることを与えてくださってありがとう。


朝日が、

赤ちゃんの分まで、命を大切にしなさい、

と言っているような気がした。






出産翌日、無事に退院した。


生々しい表現があるので、見たくない方はスルーで。









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2/21


朝8時40分に看護師さんに呼ばれて、病衣に着替えて分娩室へ。
私の分娩担当の助産師さんは、顔見知りの方で、明るくて大好きな方。
実は、この人だったらいいな~なんて密かに思っていたので、
とても嬉しくなる。
しかも、担当の女医さんがみてくれることに。
安心。

内診し、プレグランディン膣坐薬を入れる。
出血は多め。
ルートキープのために生食を点滴開始。
持病の心臓病のため、抗生剤を点滴でいれる。

9時過ぎ、夫と母が来る。
坐薬を入れて約30分後、生理痛のようないたみがくるが、
強くなる気配なし。

11時20分、内診。
子宮口は閉じたまま。赤ちゃんも下がってる気配なし。
点滴を押してトイレに行く。
が2つ目の坐薬を入れる。

12時過ぎ。
強い下腹部痛が周期的に来る。
NSTを見ると、3分間隔。
でもまだまだ余裕。
だけど、だんだん話ができなくなる。

13時頃、内診。
子宮口は閉じたまま。赤ちゃんの下がっておらず。
もうちょっと掛かるかな…と助産師さん。
結構痛い。

13時半すぎ、痛みの波の後に、出血がダラダラある感覚がある。
丁度、助産師さんが来て、夫と母が分娩室から出される。

助産師さんが色々と準備し始めたところ、
強い陣痛が来て、何かが出てくる感覚があり、大声で助産師さんを呼ぶ。
「コアグラ(血の塊)だけみたいね…」
と飛んで来た女医さんと話す。

女医さんがエコーの準備をし始め、助産師さんが内診すると、
赤ちゃんの膜がそこまで来てる、とのこと。
お腹からエコーをすると、子宮口まで赤ちゃんが下がってきているのがわかった。
と同時に強い陣痛が来て、出血の量もハンパなく、
助産師さんと女医さんがヘルプに来た助産師さんに、
スタッフのヘルプをお願い!と叫んでいた。
女医さんは、上の先生呼んできて、早く!と大声で叫んでいた。

ナースステーションに居た看護師さんたち、
助教2人とその他の医者がいっぱい集まってきて、
私に心電図やら血圧計やらをつけ始めた。

私の両手は痺れて、石のようになっていた。
動かない、いや、動かせない。

「1時58分、いや59分」
と男の助教授が言った。

私の心拍数は140。
血圧は180。

女医さんが、胎盤がしたの方にあったから出血が止まらない、
と説明している。

男の助教授は、過呼吸起こしてる、と叫び、
看護師さんたちは、私にゆっくり呼吸をするように言う。

見る見る、足まで痺れてきて、動かなくなり、
頭はぼーっとし、まぶたが震えるのがわかった。

看護師さんが優しく、
赤ちゃん生まれたよー、もう大丈夫だからねー、
と言ってくれた。

意識が途切れ途切れで良く覚えていないけど、
うわ言で、息子を置いて死ねない…私まだ死ねないんです。
って何度も言っていたらしい。

研修医の女の子が私の左手を握って、大丈夫です、大丈夫です、
って泣きそうな顔で見ていた。

看護師長さんが右手を握って、
「頑張りましたね、よく頑張りましたよ。」と涙を流してくださっていた。

私も泣きながら
「赤ちゃん死んじゃったけど、私は生きていて良かったです。」
と言った。

悲しいけど、本心だった。