災害ボランティア

栃木、茨城、宮城県で発生した今回の大洪水は
甚大な被害となってしまいました。
海のように浸水してしまった住宅地の映像を見ていると
言葉もありません。
被災された方々へ心よりお見舞い申し上げます。

これから国をあげて災害復興へ向けての歩みが始まります。
災害復興のボランティアも募集されると思います。

このような災害復興のボランティアに参加することは
参加した人が通常では体験できないような、
とても得難い、貴重な体験をされることと思います。

近県で動きの取れる方はぜひ参加されては如何でしょうか。



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僕も災害ボランティアには一度だけですが
１９９７年のナホトカ号重油流出事故のとき参加したことがあります。

公民館に泊まれるとの情報があったので、
僕は一週間、福井県三国町の公民館に泊まりこみで作業をしました。
全国各地から大勢の人が回収に集まってきました。
同じ公民館に泊まった人の中には大学教授もいましたし、
東京からヒッチハイクで福井県まで来た人とか来ていました。

ここでは通常の生活ではまず出会えないような、
ぶっ飛んだ、素晴らしい人達との出会いがあったのを思い出します。

公民館での集団生活は２０～３０代の若い人が多かったのですが、
その中でみんなから「お父さん」と呼ばれ、
慕われている平田さんという定年退職されたひとりの年配の男性がいました。


平田さんは「お国から年金を貰っているのだから、
何かご恩返しをしなければ申し訳ない」と
ボランティア参加の動機を語っておられました。

平田さんは阪神大震災の時にもボランティアで
長期間参加されたそうで、それから２年後、このナホトカ号の
災害ボランティアに参加されたとのこと。



平田さんはボランティアの人たちが
どうしたらうまく連携して活動できるか、
また被災地の人たちに対して
逆にボランティアの人たちの活動が迷惑になっていないだろうかと
多くのことを考えて、若い人たちに助言されていました。

阪神大震災とこの時のナホトカ号の重油災害の
ボランティアが日本での災害復興ボランティアという
活動が始まった契機になっていると思います。
平田さんも日本でも災害ボランティアという活動が
ようやく始まり、多くの国民に浸透していくことに
希望を持って話をされていました。

集団生活のボランティアたちに的確なアドバイスをしながら、
決して出しゃばらずに、背後から誰にも気づかれないように
みんなの先を読んで行動されていました。


夕食後、台所に大量に積み上げられた食器を
たったひとりで洗っていた平田さんの後ろ姿をみて、
僕もすぐにとなりに入って一緒に皿洗いをしながら、
平田さんといろんな話をしたことを思い出す。
あの時の平田さんの後ろ姿は今でも忘れられない。


ナホトカ号のボランティアで一緒に平田さんと活動して、
平田さんのお人柄に感銘を受けた人はとても多い。
僕の人生の中でも本当に貴重な出会いとなった。

神様ってこんな人なんだと思える方。

平田さんの被災地の人たちを思う純粋な慈しみの心は、
これからもきっと多くの日本人のこころに伝わっていくと信じる。



☆　平田さんは後日、NHKのプロジェクトXの
よみがえれ日本海という番組に出演されました。

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