Again

Again

ソンミンさん大好きです。FF•BLにご興味がない方はご注意ください。

内容が腐っています。 閲覧ご注意ください。 ご本人様とは一切無関係であり、 妄想ということをご理解ください。
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妄想です。
要注意。




玄関の前で一呼吸。
ゆっくりとドアを開けて中に入る。
廊下に差し込むリビングからの光。
緊張からか、まるで他人の家に来たような居心地の悪さを感じる。

廊下ってこんなに長かった?
これから起こることへの不安が時間の感覚まで狂わせているようだ。

リビングのドアは開いたまま。
テレビの音も、誰かがいる気配もしない。
意を決して足を踏み入れる。
そこにあった光景は…

“寝てる…”


その大きな身体には少し窮屈そうなソファに、横たわって寝ているギュヒョナ。

吸い寄せられるように近づいて、ソファの横に三角座りした。

組んだ腕の上に顎を乗せてじっと見つめながら思うのは、ここ最近こんな風に穏やかな気持ちで寝顔を見るなんてなかったこと。

ソファからはみ出し落ちていた手をそっと握る。

“ギュヒョナ”

自分でも聞こえるか聞こえないかぐらいの声で名前を囁く。
ほんの一部分が繋がっているだけなのに愛しいという気持ちが胸に溢れた。
人が愛しいと感じる時、暖かなものも感じるけどそれ以上に泣きたくなるぐらい胸がぎゅっとなる。

好き、ギュヒョナが好き。
まだ間に合うなら側に居たい。

“僕…何があっても失いたくない…ギュヒョナ。”

言った途端に自分の手を離された。
驚きと共に胸を抉られたような痛みを感じた時自分の視界がぶれる。
焦点があった時には目の前にギュヒョナのちょっと怒ったような、でもいつも僕を見てくれるあの優しい瞳があった。


“覚悟できたの?俺離さないよ。”

“ギュヒョ…ナ…起きてたの…?”




流石に身体が痛くなり一体何時なんだと思いながら目覚める。
結構寝てたなとかどうでもいいことを寝ぼけた頭でぼーっと考えてると玄関の方で音がする。
聞こえる足音は1つ。
何の確証もないけどソンミニヒョンだって思った。
まだ何にも考えがまとまってない。

“…寝たフリが無難か。”


近づいてくる足音に耳を澄ませながらじっと息を潜める。
入り口付近で立ち止まった足音は少しの躊躇いのあと更に近づいてきた。水でも飲むのか…そんなことを考えてると足音は予想外の方向へ近づいてくる。俺の方…?
数秒後ゴソゴソと音がした後、手を優しく握られたと同時に俺の名前を呼ぶ声。
胸が痛い。
自分の心臓が早鐘を打ち、俺の想いと共に弾けてしまうんじゃないかと思った。
そこに聞こえた、ずっと待ってた言葉。
もう我慢できない。
握られた手を離した。
目を開けると驚きと悲しみに満ちた表情のソンミニヒョン。
違うよ、悲しませたくて手を離したんじゃない。
指を絡めてちゃんと俺から手を繋ぎたかったから。
繋いだ手にぐっと力をいれて少し引っ張る。
ちゃんと目を合わせて言うことはシンプルなもの。
策もあったもんじゃない。


握られた手が熱い。
独り言を聞かれていた恥ずかしさより、ギュヒョナにこうして触れられていることに僕の心臓は暴れまわってる。
やっぱり好きだ。
世間への罪の意識や、これから現れるかもしれない彼にとって素敵な人、終わりがなく光もない未来に不安を感じてるのは事実だけど、そんなことよりギュヒョナを愛してる気持ちがずっと強い。
今胸に溢れているのはただ純粋な愛。



“誰がギュヒョナのこと好きとかどうでもいい。僕はギュヒョナのこと…愛してる。これからもギュヒョナ…僕のこと…愛してくれる…?”


鼻の奥がツンとする。
やっと大切な人を手に入れた気がする。
今までも好きだったし愛し合ってたけど、この愛で不安に駆られているソンミニヒョンを見る度に、2人の関係は間違ってると言われているようで俺の胸は締め付けられていた。

身体を起こして大切なあなたを抱き締める。

“今回だけじゃなくて俺ずっと不安だった。終わりにしようって言われるのかなって。”

“うん。ごめんね…”

“もう…離れるとか考えない?”

“うん、考えないよ。ギュヒョナの側に居たい。”

“愛してる。誰よりも…。”

愛しい存在を確かめるように2人の間に隙間がなくなるぐらいきつく抱き締める。
まるで猫のように俺の胸に擦り寄っているあなたが愛しい。



じっと熱い視線を感じてふと顔をあげるとギュヒョナのいつもよりちょっと男らしい表情に釘付けになる。
自然と瞼は閉じ、上から優し過ぎるキスがひとつ降ってきた。


“俺、決めてたんだ。ソンミニヒョンが俺をちゃんと信頼してくれたとき、ミニって呼ぶって。”

声なんて出ず頷くことしかできない。
僕よりずっと強いあなたに魅了されている自分は一生離れられないだろう。

強がりで弱虫な僕を守るために使う仮面ももうすぐ使わなくなるかもしれない。

愛しいあなたが僕をこんな風に少しずつ変えてくれそうだから。

未来ではさらに輝いた2人が寄り添ってる、そんな想像をして笑みが自然と零れた。





For the future.





end