11月11日

6時起床。

バリに来てから一番深く眠った。

熟眠感があったものの、ベットから出たくないほど、深いまどろみが身体を包んでいる。

全身が心地よく、やさしい光に包まれているよう。

そして、ここ数日の朝の天気は曇りか雨だったのが、この日は見事な快晴。

朝陽がまぶしい。テラスに強く差し込んでいる。

7時半からの朝ヨガに行くよりも、このとろけるようなけだるさの中にいたい。

私はいつでも自分の快楽を優先する。笑

もちろん、朝ヨガに行けば行ったなりの快楽があるのだけど、それよりも今日は静かに一人でヴィラで朝の時間を優雅に過ごしたいと思った。

私はいつも朝の時間をとても大切にしている。

そうだ、バリに来てから、ずっとえっちゃんと一緒だった。

一人で過ごしたい。

そんな気分でもあった。

えっちゃんに今日は朝ヨガお休みするー♪と伝え、彼女は準備をして出かけて行った。

神聖なこの朝の時間の、この素敵なヴィラを独り占めすることができて、なんともいえない至福感。

ゆったりと起き、テラスで少しだけ身体を動かしてから、ひとりで「ソーハム瞑想」。

基本的には、私は気の向くまま、ヨガも瞑想もいつも適当。

こんな私だから、いつも決まった時間に瞑想などしない。

（本当は決まった時間がいいのだけどね。教科書的には。）

だから、毎朝の朝ヨガプラクティスも、こうして遠慮なくさぼる。笑

今一番したいことを優先させるのだ。

9時　朝食。

少し遅れてえっちゃんもやってくる。

今日のヨガはどんな感じだったかを聞き、いつもながら「美味しい、美味しい」を連発して食べる。

お野菜とテンペのおかずも最高だったー♪

10時30分　　本日のアクティビティ「ネイチャーウォーク」に参加

ナビゲーターは、ホテルスタッフの、ブッダのように穏やかなブッダ。

英語で説明してくれてるのだけど、「わかりましたかー？」と聞くので、「わかりませーーん」と答えると、日本語通訳もしてくれるという、優しいブッダさんなのでした＾＾

そう、このホテルの素晴らしいところのひとつが、ホテルの敷地内に、沢山の畑があって、自給自足、ここで採れた食材を使ってレストランに出している、ということ。

オーガニック、自然農的な育て方をしていて、地元の農家、農業を支援し始めたホテルだということで、バリでは画期的なホテルとして知られています。

なので、このひろーーいホテルの敷地、とくにホテルの周囲の山の中にある畑まで出歩いて、色んなお野菜、果物が採れるということを説明してくださった。

サラダに使う食材から、さつまいも、タロイモ、しょうが、ピーナッツ、チリ、お米、ドリアン、ココナッツ、パイナップル、バナナ、コーヒー豆などなどたーくさん。

だからお食事も新鮮で美味しい！！

家具や木彫りに使う木も教えてくれる。

そして、食物ひとつとっても、私達が食べない部分は牛や豚さんの餌になるということや、薬草として使う植物も沢山あって、この周囲一体の植物を、万遍なく生活に生かしているということを知る。

うーーん、素晴らしいー。

ホテルのインテリアにもお供え物にも使う沢山のお花も、ホテルの敷地内にお花畑があって、毎日のお散歩でも私達の目を楽しませてくれました。

そのあとは、ホテルがある村の、一般の方たちのお住まいの方まで案内してくださって、バリの人達の生活の場を見せてもらう。

そこでわかったこともスゴイ。

バリの家屋はどのお宅も伝統的な造りになっていて、レイアウトが決まっており、神様の方角に合わせて、作られているのだ。

しかも、ファミリー寺院といって、家の中に寺院がある！（家寺）

その家寺の位置は、最も聖なる方角の北東に、不浄とされるトイレや台所は南西に建っている。

家長が住む棟が一番立派で、北の位置と決まっており、訪問したお宅のこの家長の棟には、おっぱい丸出しで正装した気品のあるおばあさんがいらっしゃった。

相当高齢と思われるそのおばあさん、眼光するどく、しゃんとしていらっしゃる。

私はお宅にお邪魔させてもらったことのお礼とお詫びに、手を合わせてにっこりすると、そのおばあさんも頭を下げてにっこりしてくださった。

また、東の棟には、儀礼を執り行う吹き抜けの広間みたいなのがある。

中庭の広さにも、なにやら神様に関連した数字なり広さなりになってるらしいし、家の門はわざと狭く作られていて、入ると魔除けのためのついたてのような壁がある。

うーーん。何から何まで徹底している。

中国には風水というのがあって、日本も家屋の造りに風水を利用して人もいるだろうけど、日本の家屋にもこんな風にいろいろな注訳がつけられるほどの意味があるのだろうか？

それにしても、バリ島の方達の信仰深さにいつも感心する。

また、女の人は、生理を迎えたら結婚できるらしく、結婚したら家長の棟に三日三晩過ごすのだと言っていた。

その意味は聞き取れなかったけど、新婦を神聖なものとして、悪魔から守るためなのか。

色んな習わしがあるのだろう。

すっかり色んな習わしがなくなってしまった日本だけれども、こういうバリ風習を知るたび、どんなに観光化しても、バリの奥深い魅力は変わらないのだろうと思った。

ホテルスタッフも、自分達の村のお祭りがある日がお休みらしいことを言っていて、彼らの生活の中に常に神様がいて、その神様をいつも敬うバリの人達を知る。

「神々の島、バリ島」。

その意味が、本当によーーくわかった気がした。

14時　午後のアクティビティ「バリニーズ　ダンスレッスン」に参加。

腰にサルンと襷みたいな布を巻き、「プースパンジャーリ」というダンスを習う。

ウブドはバリ島の中でもとりわけ芸能が盛んなところで、毎日あちこちでバリの様々なダンスが見られる。

以前訪れたときに見たので、今回は特別どこかで鑑賞することは考えていなかったけど、バリダンスには興味があって、こういう機会があってとても嬉しかった。

実際に踊ってみると。。。

めっちゃインナーマッスルを使う！

中腰で腰をくねらせ、腕や手、指の使い方がとても繊細で、難しい。

教えてくれたルシニーは、もう10年も踊っていて、踊りの練習を続けてこれくらい上手になる人は、ウブドでも多くないのだと言う。

最後にルシニーの踊りを見せてもらったのだけど、それはそれは美しかったー！

小柄で控えめなルシニーが、ダンサーになると大きく輝いてみえる。

神や自然を敬うバリのダンスは、とっても神秘的で芸術的でした。

15時30分　　メディテーションタイム。

ワイアン先生による「カラーメディテーション」。

頭頂：白、のど：青、胸：緑、みぞおち：赤、尾てい骨：黒の色を、順に上から意識を置いて行う。

すごーーく集中しやすかった。

メディテーションの最中、ものすごいスコールがまた来る。

心の中は、非常に静か。

えっちゃんはこの日はシロダーラを受けるので、私は一人でＳＰＡでスチームサウナに入り、ヴィラに戻り、テラスで軽食をとる。

マンゴーとビスケット、ティー。

ひとりで夕暮れ時を過ごす。

とても落ちついた気持ち。

翌日のプランを、ガイドブックを見ながら考える。

ものすごい雨が降っているけど、きっと明日は晴れるだろう。

だって、明日はウブドで買い物したいから。

そう、いつだって天気は私達に合わせてくれるの。

肌寒い。毛布で身体を包む。

静かに本を読みたくて、早めにベッドにもぐりこむ。

旅のお供にした本は、「バガヴァッド・ギーターの世界」。

バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済 (ちくま学芸文庫)/上村勝彦: ￥1,050; Amazon.co.jp

この日は蠍座の満月。しかも、2011年11月11日という、１の連続も意味深。

豊かさの波が、ざっぷ～んとやってくるようなイメージが湧いている。

でも、お空には厚い雲。

20時。私はベットに入っていた。

するとえっちゃんが

「あきちゃん！！満月が！」

窓の外を見ると、厚い雲の切れ間から、ものすごい輝きの月光がのぞいている。

満月の形は見えない。

その月をじーっとみていると、次第に雲が晴れて、大きな雲と雲の切れ間に、ぽっかりと美しい満月が顔を出した。

「出たー！」と叫ぶ私達。笑

すごく寒いのだけど、毛布にくるまってテラスに出ると、辺りを月光が照らている。

すごい幻想的。

山々には、蛍の光もチラチラと輝いていて、時々一匹の蛍が私達のテラスの方に舞い降りてくる。

私達はしばらく眺めた。その神秘的な満月を。

そしてまた、満月は雲の中に消えた。

20時30分　　就寝。（はやっ。笑）

五日目