ファビオ・ジェーダくんの『海にはワニがいる』を読みました。
 
海にはワニがいる/ファビオ・ジェーダ
¥1,470
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タイトルは中身とあまり関係ないですね。
 
実話をもとにした小説らしいです。
 
 
アフガニスタンで生まれた主人公が
母親にパキスタンに連れて来られて
捨てられます。
 
それは、
タリバンから子ども自身を守るためなのですが、
わずか10歳ばかりの子どもを
頼る者のいない外国に
置き去りにしなければならないという現実に
驚かされます。
 
主人公は、
学校に通い、仕事をし、
人間らしく生活することを求めて、
様々な国を渡り歩きます。
 
パキスタンからイランへ
イランではアフガニスタンに強制送還されますが
再度イランに密入国し(それも2度もビックリマーク)、
トルコに向かいます。
 
このトルコへの密入国が
一番厳しかったかな。
 
厳寒の山道を26日もかけて歩き通します。
 
次にゴムボートでギリシャへ。
 
そしてイタリアへ来て、
ようやく政治難民として滞在が認められるのです。
 
 
ともだちのしるしだよ 』も
アフガニスタン難民の話でしたが、
向こうが絵本で小学生向けだったのに対し、
この『海にはワニがいる』は
中学生以上向け、という感じでしょうか。
 
どうも訳者あとがきを読むと、
「日本ももっと政治難民を受け入れるべきだ」
ということが言いたいみたいですが、
それはどうでしょうか。
 
今後我が国が想定すべきは
北朝鮮あたりからの大量の難民でしょうが
これは受け入れるべきではありません。
 
彼らに与える仕事がありますか。
 
生活保護ですか。
 
誰がその費用を負担するのですか。
 
そうした意味で、
現在の政府の難民政策は
めずらしく真っ当なものだと思うのですが。
 
 
評価 ☆☆
 
 
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