さて、またまた読書感想文の課題図書の紹介ですよ。
 
ともだちのしるしだよ/カレン・リン・ウィリアムズ : カードラ・モハメッド
¥1,680
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「ともだちのしるしだよ」を読んで
               あきたばく
 
 国は何のために戦争をするのか。
 
 小林よしのりくんの『戦争論』によれば、それは政策ということになります。
 
 本書『ともだちのしるしだよ』は、アフガニスタンからパキスタンのペシャワールに逃れて来た難民の少女たちの友情の物語です。
 アフガニスタンでは、ソ連の軍事侵攻や内戦など長く混乱が続いており、いつの時代の話か詳しく書かれていないので、彼女たちが国の政策としての戦争の犠牲者であるのか否かは判然としません。
 『戦争論』は前世紀の書物なので、国によらない戦争を想定していないのですね。
 
 で、メインテーマの友情の話ですが、配給でサンダルを片方ずつ貰うんですね。
 その後話し合って、一日交替でどちらかが履くことにします。
 やがて少女の一人がアメリカへの移住を認められます。
 彼女は新しいくつを買って貰い、サンダルは残される少女が受け取ります。
 バスが出発する直前、残される少女は移住する少女にサンダルの片方を渡します。
 「ともだちのしるしだよ」と。
 
 まあ、感動的と言えばそうなんですが、この本、戦争の悲惨さということがあまり伝わってこないんですね。
 難民キャンプでの苦労は書かれていますし、家族が戦争で死んだ、と少女たちが会話する場面もあります。
 でもそれだけでは不十分と感じました。
 戦争を書きたいんじゃない難民キャンプを書きたかったいのだ、と作者は言うかもしれませんが、それなら難民キャンプでの生活をこの3倍は書かないと伝わるものがありません。
 
 愛息レンくんもこの本を読んで読書感想文を書いたのですが、彼が一番驚いていたのが、難民キャンプの学校では男の子しか勉強出来ない、というところ。
 引用すると、「学校には男の子がべんきょうする場所しかなくて、校庭もないせまい学校なんだな、と思いました。ぼくの小学校は大きくて校庭があってよかったです
 ? 
 男の子しか勉強していないのは、「場所がないから」という理由とは違うのでは? 
 あと、校庭のことを心配するのは、何というか、君は平和で良かったね、という感じです。
 
評価 ☆☆
 
 
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