傑作『シンセミア』の続編、と言うべきか、それとも番外編と言うべきか、一部の登場人物が重なる作品、阿部和重くんの『ピストルズ』を読みました。

 
ピストルズ/阿部 和重
¥1,995
Amazon.co.jp
 
 
長い。
しかも、これといった内容がなく、一カ月かけて(図書館で借りたのを延長して)ようやく読み終えましたが、徒労感だけが残りました。
そのうちに面白くなるだろう、なるだろうと思いながら、結局つまらないまま……。
 
そう言えば、傑作と書きましたが、『シンセミア』も、ストーリーは面白かったけれど、内容は何もなかったような気がします。
不良警察官が出てきて、薬物と覗き事件があってボーリング場で車をボコボコにされて洪水が起こる、確かそんな話でした。
 
一応、本作の内容を。
 
田舎町に魔術師の一家と噂される一族が住んでいました。
彼らは、一子相伝の秘術を使い、人を自在に操ることができます。
たとえば、裏カジノのルーレットで外れの目に賭けたのに、ディーラーや他の博徒の方々に当たりだと錯覚させて金をせしめるだとか。
そしてまた彼らは、人の記憶を消すこともできます。
 
 
なんでこんな面白くないんだろう、と考えてみたら、書き方、ですね。
一族にまつわる昔の話を、同じ町に住む本屋の店主が聞き書きする、というスタイルで語られていますので、『シンセミア』のような臨場感がありません。
 
あと、四人姉妹とか登場させているのに、猥雑感が乏しくて、読み物としてサービス精神に欠けています。
 
これは、ダメですね。
読むんじゃなかった……。
 
  
評価 ☆
 
 
  ブックオフオンライン
  ブックオフオンライン