敵は海賊・海賊版

神林長平

昭和60年9月15日読了

 

 構成がすごく凝っていて、面白い、わくわくする、けれども逆に言うと、その凝った構成ゆえに、話がややこしくなって、登場人物を調べるためにページを戻ったりして、分かりづらくしらけてしまう、という面もあった。スペースオペラ、というのに分類されるらしいが、話の内容はまったく無意味だ。魔女だかバスライだかしらないが、あれは結局どうなったのだ?

 

 

あー、懐かしいですね、神林長平くん。

宅八郎に似てましたねー。


引きこもりのお宅が小説を書き始めたら、これがめっぽう面白くて、『狐と踊れ』、『七胴落とし』など夢中で読んだことを思い出します。


「敵は海賊」は『狐と踊れ』に収録されていた短編で、この『敵は海賊・海賊版』は同じキャラを用いた長編シリーズの第一作目ですね。

でも、断然短編の方が面白いです。


栗本薫は神林長平くんを「シチュエーションの作家」と呼びましたが、シリーズ化することによって、魅力的なシチュエーションの提示を忘れ安易に流れてしまい、ただの文章の垂れ流しになってしまった気がします。


今でも新作を発表しているみたいですが、もうちょっと読む気は起きないですね。

 

 

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