再読。

今日は、もう10年も前になりますが、茅野明 さんのひとり芝居「冬の銀河」を見て感動し購入した本、草伏村生著、『冬の銀河 』を紹介させていただきます。



冬の銀河 増補版―エイズと闘うある血友病患者の訴え/草伏 村生
¥1,575
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著者の草伏村生は、血友病の治療のために投与された非加熱血液製剤でエイズに感染させられた薬害エイズの被害者です



≪薬害エイズ事件の概要≫

薬害エイズの原因は、HIVウイルスに感染した外国からの輸入血液を原料として製造された血液凝固因子製剤を、ウイルスの不活性化を行なわないままに流通させ、使用したことである。

HIVに汚染された血液製剤が流通し、それを投与された患者がHIVに感染しエイズを発症、それによる様々な病気で多数の死者を出した。

日本においては、加熱製剤が開発された後も2年以上もの間放置されたまま承認されずに非加熱製剤を使い続けたため、エイズの被害が拡大した。

1989年に製薬会社と非加熱製剤を承認した厚生省(当時)に対して損害賠償を求める民事訴訟が提訴され、1996年に管直人厚生大臣が謝罪し、和解が成立した。



本書は、「血友病HIV感染被害救済訴訟」の原告の一人として著者が東京地方裁判所に提出した陳情書をもとにした「23ゲージの翼状針」、および「私のHIV事務局日誌」「続私のHIV事務局日誌」からなっており、著者の「どうしてこんなことに……」「もっと生きたい!」という思いが伝わってきます



 血友病患者のHIV感染は家族全員を巻き込んだ、凄惨な薬害事件だ。遺族に、名字を変えなければ生活が営めないとまで思い詰めさせるのである。(中略)

 私は、製薬企業に騙されたという怒りと、誰一人救えないという敗北感でいっぱいだった。



草伏村生は、1996年10月25日44歳で人生を終えました。


 

今日12月1日は世界エイズデー



この事件を忘れず、そしてまた二度と繰り返さぬようぜひ読んでほしい本 です。


また、茅野明 さんは現在もひとり芝居を続けられているようなので、興味をもたれた方は問い合わせてみてください。