最近の直木賞候補の常連、葉室麟くんの『風の王国』を読みました。


風の王国 官兵衛異聞/葉室 麟
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時代小説の方だったんですね、葉室くん。


本作は、秀吉から家康へと覇権が移り変わる時代を、キリシタンたちの目を通して描いた連作短編集です。


なかなかしっかりした作風です。

キリシタンが光秀に信長を殺させるように仕向けたとか、秀吉の死の真相も実は……とか、着想もなかなかのものです。


でも、ストーリー展開が面白味に欠けるのが難ですね。


ガラシャ(光秀の娘)と織田秀信(信長の孫)の関係も、思わせぶりに、ではなく、もっと大胆な展開を持ってきてもよかったのではないでしょうか。


今の作風では、そのうち直木賞はとれるかもしれませんが、ベストセラーを出すのは難しいですね。



ばく的には、時代小説なら岩井三四二くんの方が好みかな。



評価 ☆☆☆