「この10年で最も痛快な処女作」
という、なんとも微妙な惹句が帯に書かれた樋口毅宏くんの『さらば雑司ヶ谷』を読みました。



さらば雑司ヶ谷/樋口 毅宏
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俺はある宗教団体教祖の孫。

雑司ヶ谷の不良グループに属していたが、頼まれて、中国に売り飛ばされた女の子を探しに行く。

そして、暴力団のボス囚われ薬漬けにされカマを掘られるなどとんでもない目に遭う。

結局、探していた女の子は死んでおり、俺は遺骨を手に帰国する。

そして今度は、教祖の祖母から新たな依頼を受ける。

二ヵ月前に雑司ヶ谷で起こったゲリラ豪雨の真相を突き止めろ、と言うのだ。

引き受けた俺に待ち受けていたのは、とんでもない真相だった……。



「『不夜城』+『私が殺した少女』+『こころ』」と言うのが帯の謳い文句ですが、微妙ですね。

確かに、暴力に満ち、探偵のまねごとをし、1人の女性をめぐる親友とのなんだかんだは描かれていますが、どれも中途半端です。

失敗作、とまでは言えないにしろ、それほど面白くもありません。


文学賞の選票ではありませんが、次の作品を待ちたい、と言ったところでしょうか。


でも、この作品の続きは、もういいですよ。

今度は違うの書いてね。



評価 ☆☆


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