嶽本野ばらくんの『カルプス・アルピス』を読みました。

「ごくもと」ではなく「たけもと」と読むのですね。

どうも、人の名前の読み方って、難しくっていけませんね。


カルプス・アルピス/嶽本 野ばら
¥1,260
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1編が15ページほどの短編6つで構成された連作小説となっています。

そして、それぞれの作品には、田仲容子という画家の絵にちなんだタイトルがつけられています。



「Pool

友人に頼まれてプールの監視員の代役を引き受けた僕は、そこで記憶喪失の女性と出会う。


「Bath Room

服を着たままバスタブに身を沈めた僕は彼女に電話しようと決意する。

そこに彼女から電話がかかって来、父を殺したのは自分であると告白する。


「青い動物のための安全枕」

彼女が飛び降り自殺を図り、僕は病院へと駆けつける。

そこで僕は彼女の記憶が戻ったことを知る。

そして蒼いコヨーテに襲われる。


「Unknown」

蒼いコヨーテに襲われた僕は、記憶を失くす。

彼女が姿を消す。


「Unknown♯2

彼女の妹から僕は彼女のすべてを聞かされる。

公園で発見した彼女はナイフで自殺しようとする。

僕の想いがようやく彼女に伝わる。


「Skating Rink」

彼女と友人を訪ねてプールに来た僕は、そこがスケートリンクに変わっているのを知る。

そして、友人など最初からいなかったのだと知らされる。



彼女が記憶を取り戻したら今度は自分が記憶喪失になるとは、なんとまぁ都合のいい展開。

そして、絵のタイトルが「Bath Room」だからといって、服をきたまま風呂に入れる強引さ。

無理に連作にする必要はなかったのではないでしょうか。

それぞれを独立した短編として書けば良かったのでは、と思いました。



評価 ☆☆



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