ボックス!/百田尚樹
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太田出版 2008年7月刊





「ボックス!」(Box!)=戦え!(ボクシングしろ!


最近のボクシングの試合では、中断した試合を再開させる際に「ファイト!」ではなく、「ボックス!」と言うそうです。

知りませんでした。


何を隠そう、ばくは実は格闘技オタクでもあったのですが、ボクシングはあまり見たことがありません。

観戦するのは、空手とレスリングが主です。


この前久しぶりにプロレス(ドラゲー)を見ましたが、あまりの堕落ぶりに腹が立ってしまいました。


だますのならちゃんと最後までだましてほしいですね。


馬場や猪木がいたころの全日・新日には、八百長か八百長でないか議論するだけの余地がありましたが、今のプロレスにはそのような余地はないようです。


それとも、ドラゲーがいけなかったのでしょうか?

ノアとかならよかったのかな?


その点、空手やレスリングはアマチュアですから、真剣勝負です。

観戦していて、時々、アニマル浜口になっている自分に気付き、恥ずかしくなることがあります。


でも、ボクシングは、試合を生で見たこともありませんし、テレビで世界戦なんかやっていても大抵チャンネルを変えてしまいます。


だって、試合時間が長いじゃないですか。


飽きちゃうんですよね。

判定ばっかだし。


で、本書ですが、大阪の高校を舞台にしたアマチュアボクシングの世界を描いています。


同じ高校に通う幼馴染の親友、鏑矢と木樽。

しかし、鏑矢は天性の才能を持ったボクサー、一方の木樽はひ弱ないじめられっ子。

木樽はある事件をきっかけに、親友鏑矢のいるボクシング部に入部します。

いじめられっ子だった木樽は、毎日地道なトレーニングを繰り返し、徐々にボクサーとしての才能を花開かせていきます。

一方、天才ボクサーの鏑矢は、慢心が祟ったのか大会では何時もここぞという時に負けてしまいます。

そんな2人の前に現れた超高校級のモンスター稲村。

そして、2人を見守るボクシング部顧問の女教師高津耀子。

耀子にあこがれる木樽、鏑矢に惹かれるものを感じて戸惑う耀子。

恋の行方は、そして、鏑矢、木樽、稲村の戦いはどのような決着を迎えるのでしょうか……。


面白くて、一気に読んでしまいました。


ただ1つ残念なのが、舞台が高校運動部、主人公の2人が親友、圧倒的力を持っていると思われた一方に他方が追いついて来る、という設定が、2007年の本屋大賞受賞作佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」を連想させてしまうところでしょうか。



評価 ☆☆☆



   百田尚樹の本は こちらから