みのたけの春/志水 辰夫 集英社 2008年11月刊

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いつもタイトルのかっこいい志水辰夫くんの新作は、時代小説です。


時は幕末。

北但馬の農村で暮らす郷士の青年が主人公です。

京では、血なまぐさい事件が続き、青年が暮らす農村もそれと無縁ではいられません。

友人、知人たちが次々と京へ出奔する中、青年は病身の母のため農村に留まります。

まぁ、最後には一仕事するのですが、どうにも物足りません。

好きな女子にも手を出さないし。


こういう小説があってもいいと思います。

こういう青年もいたんだろうと思います。

でも、やっぱり物足りない。


そしてまた、このタイトルはどうなんでしょうね。

いまいち、いつものかっこよさがないよね。

背いて故郷 (新潮文庫)/志水 辰夫

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とか、

いまひとたびの (新潮文庫)/志水 辰夫

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とか、タイトルだけで読んでみたいと思わせるような。


「みのたけ」は「身の丈」、つまり自分の分に応じた、無理をしない、といった意味で、内容そのものなんだけど。


やっぱこの内容だと、かっこいいタイトルは無理かなぁ。


タイトルだけカッコよくても、内容がそれに伴わなくちゃダメだしね。



評価 ☆☆☆