何も知らない子供はポツリと呟く。

「パパに会いたいな…」

柔らかな肌。
かわいい目。
かわいい鼻。
かわいい口。
かわいい耳。
全てが無垢で疑うことなく父親を待っている。

パパ…


悪魔のような女にのめり込み、全てを私のせいにして、俺は悪くない、最初から結婚したくなかった。お前を騙してた。
女は略奪したいわけではない。救ってくれたんだ。家族に帰れと言っている。女は悪くない。女は俺を救ってくれた。俺が女を離したくないんだ。頼んで側にいてもらっているんだ。
証拠を出せ!女が略奪したいと思っている証拠を出せ!無いんだろ?脅しか?




あなたはいったい何をしているのだ?

私はいったい何をしたのだ?

子供はなぜあなたを慕うのだ?



奥歯を噛み締めどす黒いマグマがフツフツと沸き上がる。


ごめんね。会わせられないかも…
こんなパパには…
あなたは関わるべきではないかもしれない。