世界樹の迷宮X      オリキャラ妄想設定その3


 妄想ハカドル世界樹の迷宮!
 さあ、今日も一人芝居に悶絶だぁ!

 TODAY'S
 
虎侯夫ガラハ



虎侯夫ガラハ

職業 ソードマン
サブ ハイランダー
肩書 タルシスの虎
CV 青年・真面目

 Ⅳから参戦。29歳。真面目で一本気。若い頃(Ⅳ時代の『最果ての街タルシス』)では、たった一人で迷宮探索を行うなど、無茶なことをしてきた一面もある。 

 冗談が苦手。元コミュ障残念イケメン。現ギルドでは副ギルド長として実務や収支管理を担当。

 大きな一撃を得意としており、彼の無骨な斬撃は、華麗ではないにしろ誰もがその威力に魅了される。

 Ⅳのタルシスではギルド【マルス】の副ギルド長をしていた。タルシスでの冒険者としての功績から、1代限りの男爵位を授与している。

 オムライス(後述。『妻オムライス』にて)とは夫婦。オムライスもギルド【マルス】の一員であり、ガラハと同様にソードマンとして活躍した。


オムライスの画像



 オムライスとの出会いはタルシスの街の出入り口。一人で迷宮へと潜ろうとするガラハはオムライスに呼び止められ、オムライスのパーティと一緒に潜る提案をされたことがきっかけ。

 Xでは、タルシスからの要請で情報提供の間諜(スパイ)としてマギニアに送り込まれた。

 タルシスからのそれはギルド【マルス】への要請であり、ために同ギルドのオムライス、南雲クロガネ、南雲ユキ、南雲イネもマギニアへ共に渡航している。




 そのような経緯から、彼らは【マルス】として表立って活動しない方針。ために、それを加味したオムライスの一言で、マギニアにて大きなギルドになりつつあった【探求者・アテーナ】へと参加することになった。

 砲牙隊のメンバー(トラード、キリー、ローズ、ハナコ、カエデ)とも、実はタルシスでは同じ【マルス】のギルドメンバー。

 砲牙隊のメンバーはタルシスからの要請ではなく、隣国である帝国からの指令でマギニアにて活動しており、マギニアで再会したのは全くの偶然。事情を分かっているはずのオムライスから軽く誘われ、【探求者・アテーナ】へと砲牙隊メンバーは入団した。

 マルスのメンバーが10人も在籍しているという、上記の状況変化に頭を抱えたガラハは罪悪感もあり、【探求者・アテーナ】の副長の仕事をある程度担うことにした。

 なお、ガラハやトラードの置かれた状況にバジルは気付いている。

 ガラハ持ち前の生真面目さから、ギルド【探求者・アテーナ】のメンバーからの信頼は厚く、同じく副長として活動しているドク(後述。『生預 ドク』にて)とも良い関係。ギルドのアイテム管理をしている事務の諸星流(後述。『落人 諸星流』)に、ソードマンの動きを教えている。




 反面、『式鬼 豪』やジン(後述。『聖鈴隊ジン』)、ボキニ(後述。『暴医ボキニ』にて)、レヨン(後述。『砲砕隊レヨン』にて)らとは相性があまり良くないようだ。




 真面目なメンバーの多かった【マルス】と違い、自由奔放なメンバーの多い【探求者・アテーナ】の雰囲気に戸惑いつつも、楽しく感じ始めている自分自身に驚いている。

 バジルのことは一人の剣士として高く評価していて、内心、タルシスに連れて帰ることを検討している。

〜 short story 〜





ガラハ、バジル、ドクのリーダー3人でクワシルの酒場にて。

※この小説におけるクワシルの設定は二次創作であり、公式設定ではありません

 
       (本文)


 クワシルの酒場にて、午後の日差しが気持ち良いテーブル席に、ガラハはバジルやドクと3人で座っていた。
 バジルは【探求者・アテーナ】のギルド長、ドクとガラハは副長であり、きっと他所のギルドから見たら【探求者・アテーナ】のギルド会議のように見えることだろう。
 といってもそのように見えているだけで、実際は単に飲み食いしているだけである。確かに話の内容は、大体がギルドのことに結果的になるので、ギルド会議と言えなくもないが。
 3人の座るテーブルに、酒場の店主クワシルがやってきた。彼の手元にはワインボトルとグラス、さらにパンとチーズだ。それらをテーブルに並べると、いつものように軽口を追加し、足取り軽く去っていく。




 そんなクワシルの後ろ姿を横目で見て、ドクは静かに呟いた。

「やはりあの男、できる」

 バジルがワインを手にしながら、ドクとクワシルについて語り出す。

「あぁ。足運びや重心の傾きを考えると、おそらく武器は剣だな」

 二人の会話を聞きながらガラハがバジルにワインオープナーを渡すと、バジルが「ありがとう」とさらりと言い、コルクにスクリューをねじり込んでいく。
 バジルの言葉に疑問を抱いたのか、ドクが口を開いた。

「刀とは違うのか?」
「あぁ。少なくとも一刀ではないな。一刀ならもっと傾く」

 そしてコルクを抜き、バジルはコルクを嗅いだ。ワインの品質を確かめるための動作で、バジルのしかめっ面を見るに、もしかしたら劣化したワインを引いてしまったのかもしれない。
 ガラハは苦笑した。

「ブジョネか?」
「いや、単純にマズイ」

 ガラハの問いに憮然として答えるバジル。ガラハがワイングラスをナナメに倒すと、バジルがワインを注いだ。
 ワインの香りを確認した後、ガラハはワイングラスをテーブルに置き、そのままクルクルとワイングラスを軽く回す。スワリングしてワインを空気に触れさせ、より上質なものに。
 バジルがドクにワインを注ぐ。
 その姿を眺めつつ、クワシルの歩き方に対するバジルの分析を、ソードマンであるガラハは頷いた。

「ソードマンの俺は剣を使うが、確かに似ているかもしれないな。ドクはどうだ? ドクも剣だろう?」
「ドクトルマルスの使い方ではない」
「なるほど。ドクトルマルスは基本的に大振りだからか」
「そうだ」

 ドクは言葉が少ないが、別に機嫌が悪いわけではない。彼は誰にでもそうで、静かで、しかしやるときは苛烈にやる男だ。彼もまた好感の持てる人物である。
 現ギルド【探求者・アテーナアテーナ】は前ギルド【マルス】と違い多様な人材が揃ってとり、ガラハは新たなこの環境に戸惑いつつも、納得していた。
 そしてバジルもワインを確保。スワリングし、乾杯となった。
 一口、飲む。
 タルシスで飲むワインとはこうも違うものなのかと、いつも驚かされる味わいが身体に広がっていく。
 ドクは黙々とワインを飲み、バジルはクワシルの持ってきたワインの感想を述べる。ガラハがタルシスのワインとの違いを指摘すると、バジルがタルシスのワインに興味を示した。
 そこで、ふと、ガラハは預かり物を思い出す。

「あぁ、そうだ。今月の収支だ」

 バッグから羊皮紙を取り出し、バジルに渡した。
 羊皮紙にはアラビア数字が書き込まれており、補足として、対応する漢数字が片隅に表記されている。
 内容は今月のギルド運営収入支出の貸借対照表で、この表を作成した【探求者・アテーナ】のアイテム管理係の諸星の言葉を借りると、言ってみれば「今月のギルドはこれだけ儲けましたよ」というものだ。
 諸星は事務としてギルドに所属しているが、ソードマンとしての素質もある。たまに手ほどきをしているが、教えていて楽しい人材だ。彼もタルシスに連れて帰りたい人物の一人である。
 バジルがうぅん、と唸った。

「固定費が高いな」

 それに対して、ガラハが首を振った。

「仕方ない。現状、トップギルドとはいえ、まだまだだ。より深く潜るか、あるいは」
「採取組、か」
「そうだ。幸い、【アテーナ】には優秀なレンジャー、ファーマーがいる。レムリアの土地に慣れてくれば、効率が増す」
「そうだな。時間の問題か」
「あぁ」
「ありがとう。助かる」
「礼は諸星に言ってくれ。裏で頑張るアイツのおかげで、攻略組が専念できるのだから」
「そうだな。今日中に言っておこう」

 良いリーダーだ。
 ガラハはバジルの素直さを嬉しく感じた。
 バジルは羊皮紙を丸めると鞄に突っ込み、その流れでドクに質問した。
 担当が違うため、今度はガラハが黙って聞くのみだ。ドクは育成や酒場での依頼などを基本的にまとめており、ガラハは主に書類関係をまとめている。

「新人育成はどうだ?」
「問題ない」
「新人たちから泣き言が聞こえてくるが」
「死ぬよりはマシだ」
「……そうだな」

 豪という男が【アテーナ】にいる。役割は新人たちを迷宮で鍛えることであり、非常に役に立つ男だ。
 しかしどうにもキナ臭い。刀に魅入られている、そんな気配があるのだ。
 バジルは問題ないと言っていたが……。
 パンをちぎり、咀嚼する。
 その言葉は恐らく、おの男程度いつでも斬れる、という意味なのだろう。
 ガラハの脳裏にバジルと豪が話をしている記憶が浮かんだ。
 豪と話をしているとき、バジルはさり気なく、いつでも刀に近い位置に手を置き。豪は挑戦的な目で、けれどもそこにはいつも小さな怯えがあり。
 清濁併せ呑む。バジルは、そういうことなのだろう。良いリーダーだ。
 宿の部屋に隠してある、タルシス辺境伯からの「良い人材がいれば、ついでに引き抜いて欲しい」という手紙。きっと様々なことをバジルは気が付いているのだろう。
 ガラハは苦い顔をして、チーズを噛んだ。