リュウとの初対決!
1ヶ月が過ぎ、6月になった。
相変わらず試合形式の練習が続いた。
同級生がどんどん試合に出てるなか、アキラの出番は無かった。
しかし、休み時間に軟式テニスボールで行う野球で少しずつルールや守備位置の名前と場所を覚えてきた。
アキラはジャイアンツファンだったが、ジャイアンツの試合をいつも行うテレビのおかげで覚えたことも
あった。
今日は久しぶりの体育の授業での野球だった。
(女子はポートボールをやっていた。)
各学年1学級しかないこの学校は男子が20人なので1チーム10人づつに分かれての試合だった。
時間は40分くらいしかないのでてきぱきと行うことを求められた。
この日はなんとアキラは1番ショートだった。
プレイボールがコールされた。(審判は滋田先生)
しかし相手投手は4年のエース、将来いのエース候補、リュウだ。
球がいつ放たれ、いつキャッチャーミットに入ったのか・・・。
軟式テニスボール野球とはスピードが違う!!
あっけなくかすりもせず、3球三振!無理も無かった・・・。
先生の狙いはどこにあったのか・・・・。
将来を見越せばこの4年生が主体になるチーム作りをするのは理にかなってはいる。
土曜日の練習
1週間のうち、昭栄学院小学校のクラブ曜日は火曜日と土曜日。
特に土曜日は3時間授業なので午後からの練習時間はたっぷりあった。
他の曜日はクラブ活動が禁止されているので、練習は昼休みにやる
野球か、たまに行われる体育の授業で行われていた。
前日の試合、勿論、野球を始めたばかりのアキラは出場機会に恵まれなかった。
水・木・金と元気に学校に通ったアキラ。
そして土曜日がやってきた。
土曜日のクラブ活動は野球部しか行われなかった。
他の子供達は半日で帰宅したが、野球部のメンバーは弁当持参。
午後になって練習の時間となった。
白熊こと、監督の滋田先生は今日も『試合』からはいった。
今日は13時~17時までと時間はたっぷりあった。
またまたレギュラーチームvs4・5年チームだった。
メンバーも先日の火曜日と変わらずのスタート。
内容もあまり進歩が無かったが7回まで行われ15-2。
唯一明るい材料はリュウのホームラン・・・だったかも知れない・・・。
これまた初めての土曜の練習。
アキラはぐったりだった。試合に出なくても精神的な疲れがあった。
それでもこういったことが少しずつアキラを成長させていっているのかもしれない。
試合が終わって・・・。
2回表
先頭バッターはリュウ。
6年生エースの初球を見事レフト前ヒットで出塁。
5番ピッチャーフライ後、大抜擢6番の青坊。
しかし6年生エースに軽くひねられ空振り三振。
後続も倒れこの回も零。
2回裏
リュウのコントロールはこの回も定まらず結局
四球6個、三振1個で追加点3点
2回を終わって9-0。
こんな調子で試合は継続された。
この小学校は昭栄女子短期大学付属の私立小学校。
今日は5時間の授業を終え、放課後、付属の女子高校のグランドで試合を
行っているため、時間制限もあり、5回表で試合は終了。
結局13-0でレギュラーチームの勝利で終わった。
大きな敷地に幼稚園から短大までがあり、歩いて自分達の教室に帰った。
私立に通う子供達は遠方から通っている子も珍しくなく、バスで駅まで出て
それから各々電車に乗り継いで買える子供達も多い。
帰りのバスの中はまだ小学校の子供達にとってはふざけたり
色々な話をする『場所』でもあった。
クラスメイトだけでなく、5・6年生も入り混じって帰るバスの中。
今日は3年生まで過ごしたバスの中と違って皆、大人しかった・・・。
それは試合に負けたことではなく、初めてのクラブ活動がいきなりの
上級生との試合だったため、疲れきってきたのであった。
4年生、野球部入部!
小学4年の春(4月)
小学4年生からクラブを始められる学年になったアキラは迷わず『野球部』に入部。
入部する前日に父からグローブを買ってもらったアキラ。
チームの構成上、当然、レギュラーは5・6年生。
4年生になったばかりのアキラ達は勿論、控え組。
監督は担任の先生、『白熊』。(コレは当然、あだ名)
この先生、とてもユニークな指導方法で、練習らしい練習をしない。
いきなり試合なのである。
5・6年レギュラーチームvs5年控え&4年チーム。
青坊がいった。『え!?いきなりレギュラーと試合すんの?』
ポジション名を言われてもどこだかまだ分からない野球を始めたばかりのアキラ
は当然、ベンチだ。
監督はガキ大将のリュウを4年チームのピッチャー兼4番に指名。
4年生の中で他に6番には青坊、9番にはラッパが選ばれた。
1回表4・5年チームの攻撃はレギュラーチームエースの前に3者三振。
4年生の中でも6年生に間違えられるほど体格のいいリュウ。
足もめっぽう速い。
そんなリュウのデビュー戦。
1球目!球は直接バックネットへ。
え!っと思うくらいの速さ。とても4年生とは思えない。
しかし、めっぽう速いその球も、ストライクゾーンには程遠い。
結局、打者12人に与えた四球は9個。
奪った三振3個
1回の裏レギュラーチームはノーヒットで6点を先取した。
野球との出会い
小学3年生のアキラ。
学校では野球で遊ぶ子供たちとその他他の遊びをする子供たちの2グループで別れていた。
アキラは野球に興味なく野球以外の遊びをしていた。
ある時、体躯の授業前、赤と白の2色の帽子と鉢巻(男子は赤:・白帽・女子は赤・白鉢巻)
の4列に並んでいた。
ガキ大将的存在のリュウが列に投げ込んだボールをジャンプしてとった。
とっさに反応してボールを取ったのはアキラだった。
『なんだアキラ、ボール取れるじゃん!一緒に野球やろうよ!』
友達のその一声でアキラが野球を始めるきっかけとなった。
『ウン!』
アキラは大きくうなずいた。
アキラ小学3年の秋だった・・・。
