第3話 やれるかやれないか | どうする結月

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佐伯結月(MTF)の趣味日記

私の高校では一時期、ものすごく卑猥で下品なランキングを付けている男子がいた。

それは女子生徒たちを対象としたもので、自分基準で犯すことができるかを数値化した上で

ランキングにするという女性の人権をガン無視する内容のもので・・・。

 

私はそんな遊びをしている男子のことを嫌っていたというか軽蔑していた。

 

というかどうしてそんな不快なことを考えることができるのか不思議だった。

そもそも何様って感じ。

 

その男子は特段かっこよかったわけでも運動能力が高かったわけでもない。

ましてや性格もこの通りのゲス野郎だったわけで、

犯せる以前に好きになってもらえるのかすら怪しいのに、こんなことして・・・。

 

私は同じ性別の人間としてひどく恥ずかしかった。

 

 

でも、どうしてなのか・・・。

 

そんな女性を馬鹿にしたランキングは流行ってしまった。

男子たちは日々の生活の中で女子たちに点数をつけ始め、それらを基にして

ランキング表を作成し、それを他の男子と共有なんかもしていた。

 

 

意味が分からない。

 

その一言だけだった。

なんで男たちはそんな嬉々として女子に点数を付けているのだろう。

なんでこんな下劣極まりない遊びが流行ってしまうのだろう。

なんでこんなにも下ネタだとか性欲に忠実なのだろう。

 

考えても考えても、答えは出ない。

むしろどんどんわからなくなっていくばかり。

 

そして・・・。

 

 

 

 

「お前もしてみるか」

 

そう言って私にも紙が渡された時、心底腹が立った。

どうして私がお前らと同じようなことをしないといけないんだ

 

「気持ち悪」

 

その紙を受け取るでもなく、私はその言葉を無意識で言ってしまった。

多分、渡してくれたソイツは仲間に入らない私のことを見兼ねての行動だったのだろう

 

そして同性であるはずの私なら、仲間に入るものだろうと。

 

けれども、返ってきたのは予想外の侮蔑の言葉で、

彼の表情は一瞬にして凍り付いてから、すぐに赤くなっていき。

 

そして・・・。

 

「男のくせにそんな女みたいなこと言うお前の方が気持ち悪いんだよ!!!」

 

それは吐き捨てるような怒気を秘めた言葉だった。

 

訳が分からない。

気持ち悪い物を気持ち悪いと評して何がおかしいの?

男のくせにってどういうこと??

男は全員こういう気持ち悪いことをしなくちゃいけないの!?

 

ぐちゃぐちゃとした醜い感情が頭の中をぐるぐると駆け回る。

 

だけど、その時の私はもうこれ以上傷付きたくないと思ったのだろう。

 

私は黙って、彼の口撃をただただ受け止め続けた。