(。´・ω・)?とりあえず始めてみたけれど。
なにを書けばいいのだ?解んないので、過去作を載せてみる。ギリ全年齢向けだぜ。途中まででございます( ^^) _旦~~ヴィオラの恋主役逢坂 菫(おうさか すみれ):167cmシグルド・グリフィス:190cm脇役ケネス:175cm西藤 花蓮(さいとう かれん):160cm序話 都合のいい女私は都合のいい道具だ。その場に応じて役割を演じるだけの…『仕事の後、高校時代の先輩に呼ばれてるから付き合って。駅前にあるタワーホテルのバーにな。俺の部下ってことにしてある』社内メールに送られてきたショートメールはたった一行だけ。送ってきたのは大学時代から付き合っている彼氏。もう五年付き合ってるけど恋愛感情なんてあるのか判らない。出会ったのはサークルの合コン。なんとなく成り行きに任せていたら彼女になっていて。好きかどうか解る前にラブホテルへ連れ込まれて処女を失った。『その先輩って女? あんたのモトカノってどれだけいるのよ。あんまり面倒にまきこまないで』と仕事しているフリをして返信したら10秒もしないうちに返ってきたから、呆れてしまう。違う階で仕事をしている彼はどんな顔をしているんだろう。『あの時はマジでゴメン! 今度ラブホおごるから許してくれよ~。ドタキャンしたホワイトデーの埋め合わせも一緒にやる。俺とお前の仲だろ?』深くて特別な関係だってアピールすればほだされてくれると思っている。そんな魂胆が透けて見えて嫌気がさす。…どうせ高校時代に親しかったという『設定』の女友達だろう。この男にとって私は飾りでしかない。大学卒業してから、もう何年もセックスしていない。…口に出さなくても解る。あの男にとって私は女じゃない。結婚してくれそうな女を常に確保しておきたい。ただそれだけ。セックスの相手は派手で淫らな女が良い。だけれど、妻にするには地味で性知識がない初心な女が良い。…男の身勝手な理想。その理想にぴったりなのが私。だから確保していく。それだけで彼女の座に置かれている。解っているけれど…『次のデートで苺タルトを買ってくれたら許す』こんな身勝手でだらしない男なんて捨てればいいのに。そうやって許してしまう私が誰よりいやで、送信しながら溜息を吐く。…次に出会える男がいないかもしれない。それが怖くて仕方ない。『いいよー。次のデートでおごってやる。俺って気前いいよなー。お前もそう思うだろ?』脳裏に思い切り誇らしげにしている様が浮かんで、それっきりメールをやめた。上司に気付かれてしまっては面倒だから。というのを言い訳に。「これから美人でワガママな社長令嬢のお守りね。可哀想に」メールで愚痴った彼のスケジュールをふと思い出し、皮肉混じりに呟いて仕事に戻る。私より三才年下の社長令嬢は解りやすく非常識の甘ったれたお嬢さんで、まともに仕事もできない。けれど会長のお気に入りで次期社長の座を約束されている。その秘書代わりに指定されている彼もいずれ私に別れを告げるだろう。…婿養子に入る為に。私に彼を引き止める方法なんて無い。地味な事務と経理の手伝い。私でなくっても代わりなんていくらでもいる。だけれど、若年貧困が社会問題になっている時代に正社員というのはステータスだ。その上、彼氏持ちというのもリア充アピールの良いタネになる。その為に形ばかりでも彼には恋人でいてもらった方がいい。デートした事なんて数えるほどでも彼氏と彼女には違いないんだから。彼氏の有無で社内カーストが変わってしまう社会では。恋愛感情なんて二の次。大事なのはお互いのカースト。そんな粗末なもののために彼氏と彼女を続けているだけ。だから、お互い様と言われてもしかたない。お互いの存在は保険でしかない。いつ解消してくれても困らない。年に数えるほどしかないデートは形ばかり。ラブホも行くと言うだけで叶った事なんてない。最近は形ばかりの約束も面倒になったんだろう。バレンタインとホワイトデーの約束をドタキャンした。理由はどちらも同じだ。上司と飲み会に誘われたから。本当は秘書代わりに世話している社長のお孫さんに気にいられて、高級ホテルでの食事に誘われた事も知ってる。食事の後、当たり前に二人きりで泊まった事も。…全て知っていて、許している。「我ながら惨めな女よね。あんなことされても黙って許すんだから」自虐的に呟いてイヤホンを耳に突っ込む。適当に音楽を聴きながら書類に並ぶ数字を入力していく。大きな会社の歯車を構成する一部。大きな社会の底辺をさまよう哀れな芋虫。…華々しい世界なんて無縁。結婚したくないから恋人関係を続けている。カーストを落としたくないから浮気されても笑って許して。子供の頃はおぼろげな夢を抱いていた。パティシエとか花屋さんとか可愛らしい夢を。年齢を重ねると同時に夢なんてものは淡く儚く消え去って、いつも無難で楽な道ばかり選ぶようになった。「先輩、この入力が終わったら昼食行ってきます」気が付いたら、大きな会社の事務員という職に収まっていた。下半身はだらしないけど無難な容姿の彼氏と付き合って。…無難だけれど幸せとも言い難い日々だ。「いいよー。席確保しておいて。私もこの入力終わったら行くから」先輩の言葉に頷いて淡々と入力作業を終える。無難だけど幸せじゃない。不満だけど不幸とも言えない毎日。…けど、それでいい。私の人生、それでいい。五年、十年先の事なんて解らない。不満もなにもない暮らしなんてありえない。ハッピーエンドなんてのは絵本の中にしかない。バッドもハッピーもない暮らしを送ってる人なんて幾らでもいるんだから。◆仕事の後、指定されたタワーホテルのバーへ行く。申し訳程度にドレスコードを守って。案内されたのはバーの特別室だ。展望がよくて専用のバーカウンターがあり、専属のバーテンダーが注文を待っていて…「え…?」見慣れた黒髪にフレームレスメガネの彼氏なんてどこにもいない。代わりにカウンターに座ってウィスキーのロックを楽しんでいる銀髪の外国人が一人… 年齢不詳で煌びやかな美貌の青年で、まるっきり俳優かモデルのようだ。「すみません! まちがえ…」反射的に謝りながら部屋を出て行こうとすると、青年が優雅に歩み寄りながら微笑み、「いいや、君はなにも間違っていない。今宵、君は私の為に呼ばれたのだ。私を楽しませる為にな」私の手を取って席へエスコートしながら意味不明なことを告げる。…逆らう余地なんてありはしない。圧倒されるほどに美しくて、エスコートする仕草は洗練されているのに従わせるようで。「たのしませる…?」「そうだ。あの男は昔から見た目ばかりの退屈な女ばかりを選ぶので期待していなかった。…だが、今回は悪くないと言っておくべきか。魔法をかけられる前のサンドリヨンのようで興味を惹かれる」そう言いながら艶めいた仕草で私の頬を撫で、首筋を撫でていく。気が付いたら腰に腕が回されていて。…今の時代、恋人にもしないセクシーなスキンシップだ。「その様子ではなにも聞いていないのだな。だが、その方が都合は良い。…日本では何というのだったか。日本語を使うのも久しぶりで思いつかないな」ロックグラスを片手にしばし考えこむ。その様まで見惚れてしまう。まるっきり男性向けファッション誌の表紙撮影みたいで。「そうだな。『契約愛人』というものが私と君に相応だろう。期間は半年だ。半年間、君は私の愛人でいてくれ。その間、不測の事態が起きないように気を配るが… 起きても私は十分に違約金を支払うつもりだ。安心してほしい」冷や水を浴びたよう。そんな例えはこんな時に使うのだろう。徐々に意味が理解できて、体が震えてくる。「君の会社は我が社の傘下に入った。明日、君には異動命令が降りる。夜は愛人として、昼間は秘書として傍にいてくれ」呆然としている私に全く構うことなく告げると、グラスの中身を呷る。名も知らぬ彼が動くたびに甘く爽やかな香りがした。…好きな香りなのが哀しい。「わ、たしの意思は…?」「残念だが必要としていない。君はただ私の傍にいてくれるだけでいい。秘書兼愛人としてだ」愛人として、この男に媚を売れというの? 彼氏がいるのに風俗嬢みたいにベッドでも働いていろって。…妊娠しても中絶費用は支払うから黙っていろと、こういうこと?「着飾った商売女にも飽きていた所だ。偶には趣向を変えるのもいいだろう。半年間、よろしく頼む。私のことはシグルドと呼ぶと良い」私の意思など無視して抱き寄せられる。重なってきた唇は冷えているけど柔らかくて、微かにウィスキーの香りがした。「今日から君はヴィオラだ」口付けの狭間で響く声さえ低く美しくて。耳障りでないのがひどく哀しい。効き惚れてしまっている私が惨めでならない。今日まで楽な方へ楽な方へと選んで生きてきた。金持ちの道楽に半年かけて付き合っていればいい。この上なく楽な仕事だ。そのはずなのに唇が重なった途端、絶望感のあまり涙が滲んだ。