『メイズランナー』の見方。~コンフォートゾーンの移動とホメオスタシスの働き~





つづき


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運ばれて来たのは、女の子だった。


眠っている女の子の手には、『彼女でもう終わり』と書いてあるメモがある。


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死んだように眠っている女の子を、彼等が建てた住み家(医療的な処置をする場)へ

…アルビーも拘束されてその住み家のベッドに寝かされている…
(拘束されているのは、グリーバーに刺されて『チェンジ』の状態になっているからでしょう。)




メモに書いてあることがどういう意味なのかを考えなければとトーマスは言うが、ニュートに『他にやることがある。』と遮られ…

『女の子が目を覚ましてから、メモの意味を聞こう』ということになる。





それならばと、トーマスは『迷路に戻る。』と言うが、ミンホは引き止める。



ミンホ『おい、待て、トーマス待て!気は確かか?死にたいのか?やっと逃げだせたってのに…』



トーマス『ニュートは「今までグリーバーを見て生きてる奴はいない」って言った。でも僕らは生きてる。もう少し探ってみようと思わないのか?



ミンホ『いや、思わないね。』



トーマスはその言葉を聞いて、一人で行こうとする。



ミンホはトーマスの【覚悟】を見て、

『作戦を聞こう。一人でアレと戦う気じゃないだろ?』とトーマスに質問をする。




トーマス『そのつもりだった。他のランナー達は?』



ミンホ『みんな今朝、辞めていったよ。アルビーが刺されたのを見て、迷路に入るのをビビってる。何故行く?』



トーマス『僕らを阻むモノの正体を知りたい。』


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ミンホ『解った。けど一人では行かせない。30分後に森で会おう。』



そうして、ミンホは一緒に迷路に潜入する仲間を集めて来る。
『メイズランナー2』で活躍する仲間、フライパンとウィンストンも従えて。


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迷路に入ったトーマス達は、昨晩倒したグリーバーの元へ…

そのグリーバーの死骸から、赤い光が点滅している何かを見つけ、それを取り出す。



その赤い光が点滅しているのは、【WCKD】と書かれている何かの機械。
(WCKDとは、毎月送られてくる補給物資にも書かれている文字。彼等を閉じ込めている組織の名前なのでしょう。)



そして、壁の内側に戻り、みんなに報告する。




トーマス『この世界の謎を解くための初めての証拠だ、だろ?ミンホ』


ミンホ『あぁ。』


トーマス『ニュート、みんなで迷路に行こう!まだ何か解るはず…』



ギャリー『こんな奴に耳を貸すのか?こいつはルールを破ったばかりか、ルールそのものを捨てろと言ってるんだぞ?ルールがなければ俺たちはとっくにバラバラになってた。なのにどうして??アルビーも俺に同意するさ。この新入りに罰を与えろとな。』



ニュート『いいだろ。彼はルールを破った。一晩檻に入ってもらう。』



ギャリー『冗談だろニュート!檻に一晩?そんなんでこいつが迷路行きを止めるとでも?』



ニュート『思わない!迷路を走るランナーはここでは欠かせない存在だ。』

トーマスの方を向いてニュートは言う…
『正式に任命したい。明日から君はランナーだ。』




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ここまでの流れで、感じたのは、


【覚悟】をした者には、それを邪魔する人が現れるということ。



『ドリームキラー』と呼ばれる存在のこと。

ドリームキラー=あなたの現在までの能力を極めて客観的に評価し、妥当と思える意見を言う周りの人達
親や教師、配偶者、良識のある友人や先輩などが、現状の評価に見合った違う道を教えてくれる存在。




ドリームキラーは、それまでの環境から逸脱するようなことがあると、元に戻そうとするのですが、そうするのには、意味があります。



それは、人間には誰にでもある機能。

【恒常性維持機能】=ホメオスタシス



人は、コンフォートゾーンの中にいれば、それまでと変わらない状態でいられると感じているため、なかなかコンフォートゾーンからは出ようとしないもの。

今のコンフォートゾーンがあるからこそ、安心で安全な場で守られてもいる。

けれど、コンフォートゾーンにいる限り、自分を変えることが出来ないもの…

人の成長過程では、変化することは必要なことなので、慣れ親しんだ環境から脱することによって自分の世界を広げていく。



家庭から幼稚園や保育園に通うようになったり、
小学校や中学校へ通うようになり…一学年上がってクラス替えがあったりして、物理的にコンフォートゾーンを変化させていくものでした。




この『メイズランナー』自体も、コンフォートゾーンが変化していく。

1作目では、迷路の壁に囲まれた空き地のような場所で、自由を制限された世界から脱するまでの話。
私が感じたのは、学生時代のような守られた環境ということ。

ルールを作り、それを守り合うことによって秩序を保つのだけど、束縛されているかのように、自由がない。



2作目では、小さな束縛の世界から脱し、更なる大きな束縛に挑む話だと感じました。




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トーマスのように、自分達を束縛しているものの正体が知りたいと思い、行動する人が道を切り開いていくのですね。


その正体を知っていく過程というのは、簡単ではなくて…

グリーバーのような怖い存在もいるし、

ギャリーのようなドリームキラーも現れてくる。





でもそれは、別の角度から見ると、コンフォートゾーンを広げようとしている者に対しての試練にも観える。





本気でここから出るのか?



その覚悟は出来ているのか?





だからこそ、それを乗り越えて行くことによって、次の段階に行けるのだと思います。





つづく。