さて、先ほどの記事では、ゴールの更新について書きました。
ゴールの更新をしていないと、恒常性維持機能により様々な情動を引き起こすものですね。①
ゴールを達成しそうになると、ゴールを達成しないような心の動きや、行動になってしまうことを、どうすればいいのか…
ということに対して、『更に高いゴールを設定する』と簡単に済ませてしまいましたが…
ここを、もうちょっと詳しく説明してみたいと思います。
まず、どうしてそのような反応が出てしまったのかということについて。
過去に設定したゴールが、無意識では『もう達成することは可能だ』という状態になっていること。
けれど、達成しないようにと無意識が反応しているということ。
ゴールを達成してしまうことが、もう現状になっていて、ある意味、当たり前に達成出来ることになっている。
(まだ達成していないにも関わらず、無意識は、それを達成することが当然だと思えるほどになっているのです。)
…ということは?
どういうことだと思いますか?
以前、そのゴールを設定した時には、
自分には叶いそうもないものを設定していました。
けれど、ゴールに向かって進んでいるうちに、様々なことを学び、トレーニングし、色々な情報をキャッチしていき、ゴールを達成出来るだけの体験を積んできたのでしょう。
それが出来る自分だということを、無意識が感じ取って、解っているのです。
解ってしまったので…
『ゴールを達成しない』ということのために、
ゴールに突き進むための【エネルギー】が出てくるどころか、達成しないようにとしていきます。
あとちょっとで息切れして、止めてしまうのです。
『人間のしくみ』の一つ、クリエイティブ・アボイダンスです。
*クリエイティブ・アボイダンス
→『創造的回避』といって、不安を軽減したいために、ゴールや目的から離れようとする態度のことです。
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例えば…
100メートル走で、いいタイムを出すには、100メートルのところでピッタリ止まれるように走りますか?
違いますよね…
プラス何メートルも走るつもりで、100メートルの地点では、最速で走っているところを計ってもらえるようにしますよね?
100メートルピッタリで止まるように失速して走っていたら、最速で走っているところで計ってもらえないから。
なので、100メートル地点は、通り抜けるだけの地点にしますよね。
この場合、設定したゴールは、
『100メートル走でいいタイムを出す!』
ということで、そのためには、ゴール地点よりも先に向かって走ることで、ゴールを到達するという結果を出します。
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これが、100メートル走のように、すぐに結果が出るものではない挑戦するものだとすると…
ゴールに向かうのは、徐々に進んで行きます。
そして、様々なことを学び、トレーニングし、情報が集まり、色々な出会いなども重なり…
ゴールがもう達成されそうな位置に来ます。
その時に、『ゴールに到達するためのエネルギー』が出て来ません。
それどころか、ゴールを到達しないようにと働きます。
先の記事に書いたように、様々な情動に翻弄されたり、自分はダメだと感じたり、怖くなったり、それまで本能的な人など気にならなかったのに、急に怖がってしまったり。
色々なことを引き起こして、ゴールを達成出来ないような反応をするので、『更に高いゴールを設定する』ことが大事だと書きました。
これ、違う視点でみると
最初に書いた説明になります。
自分は、以前設定したゴールが、もう達成出来るまでになっているということなのです。
ゴールを設定した当時には、到底叶わないと思っていたのに。
もう、そのゴールでは、自分の力は発揮されないというところまで上がったということなのです。
それに気づいたら、自分のエフィカシーを上げる材料に使いましょう。
喜びましょう。ここまで来たのだと。
これまでエネルギーを傾けていたゴールは、もう今の自分には達成可能だと無意識が判断してるんだぞ!…と。
『クリエイティブ・アボイダンスが現れたということは、もうこのゴールは達成出来るところまで自分は成長したんだ!』と。
クリエイティブ・アボイダンスが起こるのは…なぜかというと、
ある意味、ゴールを達成するということは、これまでの現状から出てしまうことなので、不安感が生まれるものなのです。
ゴールに向けてコンフォート・ゾーンが広がっているのに、それを壊すようで怖がり、不安になってしまうのです。
恒常性維持機能(ホメオスタシス)というのは、現状を維持する力です。
現状が壊れることが怖いというのが、人間の反応なのです。
現状にずっと留まっていたい人は、それでいいのかもしれません。
でも、人間は、成長したいという気持ちがあるもの。
自身の成長に喜びを感じるもの。
なので、更に高いゴールを設定しましょう!
…ということなのです。
更に高いゴールを設定すると、それを達成するための…想像力や、エネルギー、気づきがくるのです。
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そして、『成長したい』という方向が、どの方向なのかを、ゴール設定するといいですよね。
『家庭』『仕事』『趣味』『学び』『精神性』『ボランティア活動』『…その他色々』
人生の様々な分野の中で、エネルギーを傾けたい分野はあると思います。
そのエネルギーを向ける分野を多くしてバランスをとることによって、自分の人生の満足度も違うものです。
バランスの悪い例として…
■仕事ばかりにエネルギーを使い、家族関係でのコミュニケーションにエネルギーを使わないと?
■子どもにばかりエネルギーを使い、夫にエネルギーを使わないと?
■親の顔色を伺うことにばかりエネルギーを使い、自分の好きなことや、やりたいことにエネルギーを使わない子どもはどんな大人に成長しますか?
話が逸れましたが、
人が生きていく上で、『ゴールを設定すること』の大切さを知っている人と、全く知らずに他者の意見に惑わされながら生きている人とは、おおきな違いがあることも、お伝えしたかったのです。
この写真は、3Dアートです。
この角度から写真を撮ると、3Dに見えますが、違う角度から撮ると、3Dに見えません。
『視点』の違いによって、見えている世界は違うものですね。
何かご相談などがございましたらこちらまでどうぞ→http://www.nou-este.jp/