この本を読んだきっかけは、彼の『TED  Teen」のスピーチの動画を見たから。


☆動画はこちら→http://logmi.jp/19098



この動画の中で、彼が生き生きと話している姿を見て、この子を育てた親のことを知りたいと思ったから。



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付箋だらけになってしまいましたが、読み終わりました。



簡単なあらすじは、訳者の永嶺涼さんが『訳者あとがき』で書いているので、引用させていただきます。


P364訳者あとがき

****引用開始****

9歳で大学に入学し、いつかはノーベル賞受賞も夢ではないと言う、アスペルガー症候群の天才少年の話題が世界を駆け巡ったのは2011年のこと。2歳で重度の自閉症と診断され、読み書きはおろか、自分で靴ひもを結びるようにすらならないだろうと言われたジェイコブ・バーネット君です。彼は現在、インディアナ大学ーパデュー大学ー大学インディアナポリスに在学し、数学、物理学、宇宙物理学など広範囲にわたる分野の勉強をでスピーチをしたりしています。

自閉症児のためのスポーツプログラム「ジェイコブズ・プレイス」という事前活動にも携わっています。マスコミでも引っ張りだこで、アメリカのニュースドキュメンタリー番組『60 minutes』に出演したり「TED Teen」でスピーチをしたりしています。

  本書は、ジェイコブくんの母親クリスティン・バーネットによる自叙伝です。なにひとつできるようにはならないと言われた息子を、どのようにしてここまでに育てたのか?クリスティン自身の生い立ちから始まって、結婚してジェイコブを授かり、その息子が自閉症と診断されてからの長い道のりとその時々の彼女の思いや決意が、詳細に、そして生き生きと描かれています。

  クリスティンはインディアナ州のアーミッシュの家庭に生まれ(とは言っても、昔ながらの生活を送るアーミッシュではなく、普通の都市生活をするこみにティーです)、生活に根ざした信仰心と家族は1点こみにティーで助け合って生きていくことを学びながら成長します。幼い頃から子供好きだったため、夫マイケルと運命の出会いをして結婚してからは、自宅で保育所を上してきました。待ち望んだ子供を授かり、何度も流産しかかると言う困難を経て生まれたのが、本社の主人公でもある第一子のジェイコブくんです。

  希望に胸膨らませて育ててきた息子が自閉症であると分かり、絶望の淵に立たされながらも、彼女は自らの手で息子を「取り戻す」決心をします。公的な支援制度を過信せず、自分自身で息子を観察し、判断し、決断し、実行して行く。成長過程に合わせて様々な工夫を重ね、学校や夫を説得し、息子を導いていきます。その間にも、ふたりめ、3人めの息子を出産し(しかも2人目の子も病を抱えていました)、保育所の運命を続けるバイタリティー。さらにはクリスティン本人の病気、夫と自分の失業と、まさに「てんこ盛り」の試練が彼女を襲います。

  まるでドラマを見ているような彼女の人生の物語に大きな影響を与えているのが、亡き祖父ジョンと夫マイケルです。小さな頃から彼女を慈しみ、一生懸命努力することの大切さや、他人のため、こみにティーのために自然に手を差し伸べる事を教えてくれた「ジョンおじいちゃん」。彼女がどんな絶望や悲劇に直面しても、常にゆるぎない価値感と信念を貫いてこられたのは、おじいちゃんの背中を見て育った影響が大きいのでしょう。また、どんなことがあっても失われない愛を誓い、それを実行してくれた夫マイケルによって、彼女はどんなことにも自信を持って立ち向かうことができたのではないかと思います。

  クリスティンの持つエネルギー、行動力、ざっくばらんに言うならば「迫力と根性」には、ただただ圧倒されるばかりです。その迫力と根性をこれまた抜群のユーモアで包んで仕上げたのがこの本です。自閉症の方々のご家族、あるいは子供を持ったお母さんだけでなく、生きるとはどういうことか、一生懸命働くとはどういうことか、よりよく生きるとはどういうことか、1度でも、一瞬でも考えたことがある全ての方に読んで頂きたい一冊です。


****引用終了****


彼女の保育所での子どもとの関わりかたは、通常のものとは違っていたし、無償で自閉症の子向けのプログラムを開いては、一人一人の希望の光を見つけ出しては、それを生かすような働きかけをしていました。

自閉症の発達に関して、プロでも専門の勉強をしたわけでもない彼女が、専門家のいる場を見限って、自身で我が子の成長を促す働きかけをすると決断することは、とてつもない勇気のいることだったと感じました。

しかも、様々な試練が怒涛のように起こってくる中で。

その行っていることの全てに、夫からの愛のある支援もあり…
なんとも素晴らしいシーンが沢山ありました。





私の心に響いた言葉は、いくつかあります。



自閉症だという診断が下ってから、ジョンおじいちゃんとの会話


****引用開始****

  ある日の五語、祖父の病室で花瓶の水を取り替えていると、唐突に聞かれました。「自閉症とはどういうものだね?」。わたしはぎょっとしました。心配かけたくなかったので、ジェイクが正式に自閉症と診断されたことは、祖父には伝えていなかったのです。おそらく家族の誰かから聞いたのでしょう。わたしは、どうやったら最も簡単に説明できるか、考えをめぐらせました。
」ジェイクは今、誰とも話をしないの。専門家の人たちはこの先も良くなることはないだろうと言ってるわ」とだけ答えました。
祖父はうなずき、しばらくのあいだ黙っていました。それから節くれだったゴツゴツした手をわたしの手の上にかさね、まっすぐにわたしの目を見てこういいました。「大丈夫だよ、クリスティン。ジェイクは大丈夫だよ。」
この言葉は、おじいちゃんが最後にのこしてくれた贈り物だと、わたしは今もかたく信じています。他の誰かに言われたのなら、言うべき言葉に困っての、薄っぺらい気休めだと感じたに違いありません。でも他ならぬおじいちゃんがジェイクは大丈夫だと言ったなら、それは確信があるからそう言ったのだし、わたしはその言葉を信じます。


****引用終了****



誰が、どんな風に言うのかで、受け取る側の気持ちは違ってくるものですね。




そして、『確信』をしているということは、相手に伝わるものです。





治療の現場でも、これは同じことで、施術する側の確信度が、病との対峙しているクライアントの心に刺さる時があります。





『脳エステ』では、その『確信』が伝わりやすいようにと、全身をリラックスすることから始めています。





この本には、まだまだ素敵な話が沢山載っています。


また時間のある時にでも、紹介したいと思います。






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