20年で変わるもの | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

留学したころ、ときどき、思った。
当時は先輩方の留学体験の「本」を読んでいた。

貧乏だ、と書いておられるけれど、そもそもこの時代、渡航すること自体すごかったんじゃない。とか、戦後久しぶりに〇〇を召し上がった、とあるけれど、当時、そういうものをたべたことのない人も多かったんじゃないか・・・とか・・・。いや、自分だって似たようなもの。留学してもできない、会社を辞めたくても辞められない、・・・という事に関しては私も大変恵まれていたはずなので、すねないようにする。

限られた時期しか来られないという人もいる。1週間や10日の講習会をめざしてやってきて、そして日本へ戻る。そのパワー、本当にすごいと思う。

今はついに本ではなくネットの時代となった。パソコンをもって、ではなくて携帯電話で全部できるようにしてやってくることができる。しかしフランスに関しては、留学ビザの取得に、事前の住所提出が必要になったと聞く。不動産に職を提供しているような面もある。同時にこれはこれで、あらたなリスクが増えたような気もする。

なにがよくなって、悪くなったのかは、わからないが、20年前に比べると、厳しくなっているらしい、という気はする。

パリに住んで20年の私も、「留学生の母」になってもおかしくない年となった。ご両親はどんな気持ちで送り出されるのであろうか。