パリ症候群 3 | パリと音楽と大学と

パリと音楽と大学と

パリにて声楽、シャンソンを指導。パリの音楽学校在学中より、フランス各地・ヨーロッパで様々なコンサートを経験。フランス国家公認声楽講師資格。アラフィフの物語を振り返るつもりです。

パリ症候群を読んで、特に興味をもったのは・・・?全般!パリに来たものの馴染めない、あるいはコミュニケーションに問題があるため、精神的に追い込まれてしまう例がいろいろありました。


コミュニケーションになぜ問題があるのか、というと、おおよそ、日本式のコミュニケーションをフランスでも通用するものだと思って使うから。このやり方はフランスでは通用しない、と理解し、フランスのやり方を学べばよいのですが、通じないこと自体にショックを受け、くよくよしてしまうことが多いのですね。だから、そこで行動もストップしてしまうのです。


最近、フランス人から面白い質問がありました。


「日本人は握手しないのですか?」

「しませんよ」

「ぜんぜん?」

「基本的にぜんぜん」(おエライ様はしてるかもしれないので)

「じゃあ、ビズ(ほっぺにキス)は?」

「ないない」

「ほんと?親しい人でも」

「ない」

「誕生日とかでも?」

「基本的にあいさつには肌と肌を触れないからないんだってば」

「え~~ビズは普通のことで、世界的な挨拶なのに!」


このフランス人の場合、日本に行くと馴染めなくて疲れてしまいそうです。

最後のセリフにご注目。


「ビズは世界的な挨拶なのに」


これが一つの思い込み。とも言えます。・・・・アメリカでも、ビズはしません。


フランスの習慣は、フランスだけ通用する、と思っておいた方がよいのです。フランスは世界の中心、でもありません。どの国も、世界の中心ではありません。


これが、パリ症候群の一つの例ではないかと私は思います。井の中のかわず、退会を知らず。おっと、大海を知らず。それを「いや、まちがいない、私の知識が正しいはずだ」と貫き通すと、えらいこっちゃになります。


でも、知らなくて当然なんです。だから、知っていて威張ることもないし、知らなくて恥ずかしがることもない。でも、いろんなことに「この国ではどうなんだろう?出身国と同じなのかしら?」と興味をもってあれこれ見ると、吸収の仕方も、生活への慣れも少しちがってくるのではないでしょうか。




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