こんちは
以前も記事にしましたが、我が家ではWindows・Macが共存しています。各PCにキーボード・マウスを用意するのは現実的ではありません。
入力デバイスは増やしたくない
入力デバイスを各PCに用意することも可能ですが、同じデバイスを相互利用することで余計な手間を省けます。
Logicoolは3台まで切り替え可能なスイッチを搭載している製品が多々あります。専用のUSBドングル、Bluetoothの2種類での接続が可能な画期的な機能です。
入力機器を増やしたくないだけなら、Logicool製品が一番手っ取り早いです。
自分の好みの製品を探す
キーボード・マウスは好みが強くでるデバイスです。1,000円の製品であっても、使う人によっては至高の製品になるのがキーボードというジャンルです。高価格帯の製品には特定機能に特化したもの、機能豊富な製品が多いです。キーボードに何を求めるかによって、検討する製品が狭まっていきます。
私にもキーボードに求める機能があります。
静音性
キーボードに限らず静穏性に優れている製品が好みです。うるさくするのは簡単ですが、静かにするのは非常に困難です。静音性に技術力が発揮されている製品に心惹かれます。また、青軸を使っていた際に猫2匹に襲われた経験があります。
打鍵感
背の低いメンブレン方式(ノートPC)だと指が疲れやすい。メカニカル方式の方が入力ミスが少ないです。焦げたパンから生えたウィンナー指には制約が多いのです。
無線
有線接続でも良かったのですが、未だに手書きの書類があります。サッと片付けれる使い勝手が重要です。
テンキーレス
マウスまでの距離が近い方が良い。これも腕の短さを補う重要な点です。
変わった機能
オリジナル機能をもった製品に心惹かれます。ロジクールの『ワンタッチで3台まで切替可能』が典型的な例です。PC3台を1台のキーボードで使い回す人は少ないでしょうが、ダブレット含めれば2〜3台で運用している人は多いのです。今や複数台接続のキーボードは珍しくありませんが、発売当時は斬新な機能でした。
また、ラピットトリガーなどの新機能が急激にトレンドになることも多々あります。こういったトレンドの機能が高級モデルに採用されるのが当然のように扱われます。機能が増えれば増えるほどコストは嵩み、販売価格は高騰していきますが『買う人は、いくらでも買う』という界隈です。
人それぞれ好みがあることがわかったかと思います。
めんどくせぇ連中の集まりがキーボード界隈です。
HHKB Studio
2023年10月25日に発売された『HHKBシリーズ最新作』です。
スペック
・静音メカニカルスイッチ方式
・Bluetooth接続(4台)
・USB有線接続(1台)
・テンキーレス
・ポインティングディバイス搭載
・ジェスチャーパッド搭載
・キースイッチ交換(ホットスワップ)
・Windows、Mac両対応
静穏性・無線・テンキーレス・変わった機能の全てを網羅しています。
販売価格
HHKB Studio 日本語配列
44,000円
メーカーが販売から発送まで行っており、価格変動がありません。遊舎工房が店頭展示のみを行っているだけです。
23年10月発売直後は人気殺到し『在庫なし』が続きましたが、現在は安定供給されています。
外観
HHKB系統と一目でわかる外観(テンキーレス)
文字の視認性は悪い
キー下の上段部の区切られた区間がジェスチャーパッド
マウスキー下から左右に区切られた区間がジェスチャーパッド
背面は電源スイッチ・USB-Cポートのみ
静音性・打鍵感
静音メカニカルスイッチが採用されており、かなり静かですが無音ではありません。従来のHHKBシリーズは『静電容量無接点方式』が採用されていましたが、本製品ではメカニカルスイッチが採用されました。
(HHKB Hybrid Type-s 雪)
静電容量無接点方式キーボード
打ち比べれば違いを感じますが、通常なら違和感なく使用できます。好みの問題が非常に大きいデバイスに違いありません。
Bluetooth接続・有線接続
・Bluetooth接続 4台
・USB接続 1台
合計5台まで接続可能です。Bluetooth接続のみの場合、WindowsではBIOS、Macでは復旧画面に入れません。BluetoothはOSが立ち上がってから接続されるので、非常に重要な機能となります。
Bluetooth接続の切り替えは『Fn+Crtl+1,2,3,4』
USB接続への切り替えは『Fn+Ctrl+0』
接続が切れる問題
接続がきれる問題があります。FWのアップデート・省電力モード無効にすることで解消される不具合とのことです。Windows・Mac共に発生します。
メーカー側も把握していたようで、FWアップデートで無事対応されたはずでした。
それでも切れる問題
解消されません。入力中に切断されることがあります。電源ON・OFFするまで再接続されません。『おま環』の可能性もありますが、Bluetooth接続が基本になっている現代で、ヘッドホンより使用帯域が少ないであろうキーボードが接続不安定になるのは不可解です。
(Sony WH-1000XM4)
ヘッドホンが原因?
ヘッドホンをペアリング解除したところ、瞬断は減りました。
瞬断は減りましたが、Windows・Mac共に4~5時間毎に切断されます。切断された場合、電源ON・OFFするまで再接続されません。地味にストレスです。
変わった機能
ジェスチャーパッド
前面・側面の計4か所に設置にされており、キーマップ変更ツールで機能を変更することができます。スマホのようにスワイプすることで反応します。
前面左右に1か所
側面左右に各1か所
キーマップ変更ツールで、音量調整からポインティングスティックの速度変更まで幅広い機能割り当てが可能です。
キースイッチ交換
従来の『静電容量無接点方式』の場合、キースイッチの変更は出来ませんでした。本製品では市販製品との交換が可能です。
対応製品
・Cherry MX
・Gateron
・Kailh
上記製品はAmazonでも購入可能となっています。好みの軸に変更可能なことで、基盤が壊れない限り、長期間使用することができます。
マウスキースイッチ交換
マウスキースイッチ交換には注意が必要です。
ロープロファイルのMXスタイルのメカニカルスイッチと互換性があります。
キーボード界隈に詳しくない方には意味不明ですが、この条件を満たす製品は多くありません。スイッチ交換未経験の私は、Filcoオンラインストアで交換品を購入したところ、間違ったスイッチを購入していました。
Cherry MX は交換不可
何も問題なさそうだが...
表面だけを見れば何も問題なさそうですが、接続端子に違いがあります。
金属ピンの位置が違う
HHKB Studio デフォルト
金属ピンの位置が違います。
HHKB公式サイトでも、マウスキースイッチの交換品は販売されていません。これでは交換品がないことになってしまいます。
Gateron Low Profile なら交換可能
急遽、遊舎工房で交換品を追加購入しました。
Gateron Low Profile 赤軸
(ステム形状【十字部横】も違う)
1個83円(送料別)
金属ピンの位置も同一
交換完了
無事に交換することができました。
なぜ、ここまで交換品に拘ったのかには理由があります。
マウスキースイッチは静音スイッチではない
他部分は静音性に優れているにも関わらず、マウスキースイッチ部は静音スイッチではありません。マウスキークリック時の違和感による入力ミス防止効果があるのかもしれません。マウスキー部は一段下がった位置にあり、誤入力する可能性は非常に低いと思います。なぜ、マウスキースイッチのみ静音スイッチにしなかったのか疑問が残ります。
ポインティングデバイス
ThinkPad製品と同様の機能で、キーボードから手を放さずマウス操作ができる機能です。カーソル速度の変更は4段階あり、ジェスチャーパッドで変更します。
プロファイル変更
『Fn+C』、『1,2,3,4』で変更
プロファイル切り替え機能は想像以上に便利な機能です。自分で設定したキーマップを呼び出すことで、作業効率の向上が図れます。本体に記録されるため、他端末での接続時も適用されます。
プロファイル変更に潜む落とし穴
HHKB StudioにはFキーがありません。Fキーを多用するソフトがあるので、『プロファイル:2』に『1~0』を『F1~10』に割り当てることにしました。
プロファイル変更ができなくなり詰む
プロファイル変更機能は『Fn+C』入力後、『1,2,3,4』で変更されます。『プロファイル:2』で『1,2,3,4,0』を『F1,F2,F3,F4,F10』に設定したことでプロファイルを変更できない状態になりました。パニックです。
初期化の方法がわからない
メーカーホームページを覗いてみても、情報が見つかりません。
『そんなバカな奴はいない』との考え方なのかもしれませんが、現にここにいます。
すべて削除する
ホームページを徘徊していたところ『すべて削除する』という不穏なワードに辿り着きました。
なぜか1回では成功しません。5~6回と繰り返したところ、なんとかプロファイルも削除することに成功しました。PFUを逆恨みしなくて済みました。
重要なキーの変更は慎重に...
世の中には一定のバカがいます。便利だからと、重要なキーも変更してしまうと詰みます。『すべて削除する』はペアリング情報からプロファイル情報まで消えます。慎重に行いましょう。
Windows、Mac共存環境
何の問題もなく切り替え可能
共存環境が一番の懸念点でしたが、全く問題ありません。Logicool製品と同様にトラブルもなく杞憂でした。Kalabinerも正常に認識しており、設定も反映されます。純正キーマップ変更ツールとの競合トラブルもありません。
まとめ
良い点
・Windows、Mac共存環境でも快適に使える
・Bluetooth接続が4台まで登録可能
・USB接続対応(BIOSでも使用可)
・プロファイル変更機能
・キースイッチ交換可能
・ポインティングデバイス搭載
・ジェスチャーパッド搭載
・長期間使用できるメンテナンス性
悪い点
・販売価格(44,000円)
・Bluetooth接続が不安定
・プロファイル設定を誤ると詰む
・マウスキースイッチが静音スイッチではない
・マウスキースイッチの他社交換は初見殺し
・マウスキースイッチの純正品の販売がない
3カ月程度使用してからのレビューになります。現在も使用していますが、Bluetooth切断問題は解消されていません。ヘッドホン側での切断はありませんが、キーボード側が切断されていることがあります。これがキーボード側の問題なのか、OS側の問題なのか、他社製品で同様の症状を経験したことがないので解決策が思いつきません。切断していたら、電源を入れ直すことで復旧する方法しかありません。Windows・Mac双方で発生していることから、キーボード側の問題の気がします。発売後にFWアップデートが公表されたことからも、発売当初から一定の問題は抱えていたようです。HHKB(PFU)はサポート体制が他社より優れており、今後もFWアップデートは公表されていくと思われます。今後のアップデートで、切断問題が解決されていくことを願うばかりです。ハードウェアとしての完成度は非常に高く、求めている仕様を満たしている数少ないデバイスには違いないので、今後も愛用していくことにはなりそうです。
おしまい