―――――川越臨時補給基地
「ふぅ…」
風間翔太は額から滴れ落ちる汗を拭うと、小休止をした。
「ほぅ、今度はリボルバーでも作るのか?」
風間翔太の手元に置かれた筒を見て、そう言ったのは、陸上自衛隊予備自衛官の柴田予備二等陸士だ。
「まあ、似たようなものだ。俺特製のカートリッジ式弾薬しか使えないけどな」
そばに置いてあった特製弾丸を柴田に見せ、鼻で笑う風間翔太。
この時代に来てはや6年。
元の世界への帰りを待つも、未だにその気配は一向に表さない。
一人一人がこの世界に馴染んでいき、それなりに生活を送っている。
風間翔太こと、俺は小田原の鍛冶場で刀作りや火縄銃の制作を手伝いつつ、作業を覚え、補給基地ではこの時代でどこまでの銃を作れるか、試行錯誤中。
また、ほかの連中は地元の農民に農法や農具を教えつつ農作業を手伝う者や、生糸・布産業で一発大儲けを考えた挙句に、これから生まれる偉人の発明品を丸パクリする者等etc…
目の前の柴田は実家が製糖業を営んでいたこともあり、堺まで行きサトウダイコンと同系統の根菜を南蛮から輸入して栽培している。
まさか、これが、戦国大名を動かすほどになるのは、そう遠くない未来だった。
―――――小田原城
「不審者?だれよ」
北条玄庵の“河越周辺に有能な不審者がいるようだ”という一言に耳を傾ける北条氏康。
「ここ最近。河越城付近の農村で石高と製糸業が盛んに増えておる。また、鍛冶職人も増えておるぞ」
「どういうこと?」
関東一大王国を築くことになる武将北条氏康は首をかしげて、北条幻庵に聞き返す。
「夏だけでなく秋にも収穫をしているため河越周辺の農村では石高が二倍に増えるてな。また、地元住民曰く“紡績機”と“力織機”なるものによって糸と布が大量に作られている。それによって原料の蚕から取れる絹も生産量が上がっておるのだ。そして、どうやって作っているのかは知らんが、砂糖まで作っている」
「さ、砂糖!?こ、この関東の地でどうやって作るのよ!!
この時代、砂糖は輸入で手に入れる以外方法はなく、日本でも砂糖を作れます、なんて言った暁には馬鹿にされるか詐欺師に疑われるかそのどちらかだろう。
「わしに聞かれてもな」
「で、謎の不審者は誰なの?」
「その技術を教えた人物になるだろうな。この銃を見なされ」
幻庵が氏康に提示した一丁の銃。
種子島、銃。そう言われて思いつくのは火縄の付いた前装式の火縄銃と呼ばれるもの。氏康は幻庵の言った言葉に思い浮かんでいたのは火縄銃だった。
だが、幻庵から渡されたのは世間で言われる種子島とは遠くかけ離れた銃だった。
「これは、河越周辺で猟をしていた農民から借りてきたものだ。製作者いわく回転式銃とか言っていたな」
「回転式・・・銃」
大きさは種子島とさほど変わらない。が、圧倒的に違うのは、火縄がなく、火蓋もなければ、火皿もない。
代わりにあるのはレンコンみたいな円柱が一つ、真ん中についているだけ。
「これで、どうやって弾が出るの?」
氏康は回転式銃とやらをまじまじと見ていた。
「このレンコンみたいなのが弾だそうだ。この穴一つ一つに弾が入っており、種子島が次弾を撃つ間に、この穴分の弾を放てるそうだ」
「ふーん。面白そうね。行ってみましょう」
―――――河越城周辺
北条氏康と北条玄庵は河越城城主の、氏康の義弟である北条綱成と配下である大道寺政繁、その他護衛の侍十数名と共に河越に来ていた。
「ほかの村にくらべると、なんかこう、村に活気があるわ」
石高が増えたこと以外に、絹、糸、布という特産物がどの国よりも大量に生産できるのだ。この地方を領有している北条家も潤うが、この村もそのぶん潤うのだ。
「不審者のおかげでしょう。村人から聞いた話によりますと、あそこの盛り上がったところの、てっぺんから煙が出ています。あの地下に住んでいるそうです」
義弟の綱成は煙が出ている方向へ指を指す。
「変わり者だわ」
「また、不審者は一人ではなく十人程度の集まりで、なんでも、緑色の服を着用し、筋骨隆々の男達だそうです」
「・・・変わり者だわ」
氏康はそう言うと、幻庵と共に歩き出した。
「なによこれ・・・」
案内役の農民にあたり一面に敷かれた鉄条網を指差して問い出す氏康。
「現人神さんはようわからんことが多いんだべぇ。わしらに聞かれても知らんだべェ」
「現人神?」
案内役の農民の言葉に首をかしげる氏康。
「わしらがそう呼んでいるだけだべぇ。あの人たちはわしらにいろいろなことを教えてくれたんだべぇ。そのおかげでわしらの生活はだいぶよくなったんだに、わしらが勝手に呼んでいるだけで、あの人たちは何も言わんべぇ」
ふーん。とそっけなく返す氏康。
「義姉上。見たところこれはある種の防御陣地にも思えます。この鉄の網の向こうは土塁で固められています」
「・・・そうね。でも、こんなところに陣地を敷設する意味はあるのかしら?」
「それは解りませぬ」
入っていいのか、というよりも、入って安全なのか分からず立ち往生してしまう彼女達を出迎えたのは、6尺はあろうかという大男。
「どちらさん?」
農民たちの噂通り、緑色の服に筋骨隆々の男。
「・・・」
その大きさに唖然とする氏康。
「義姉上。固まっていないで、要件を」
「はっ、そうだったわ」
綱成の言葉に我に返った氏康は見上げる形で、風間翔太と対面する。
「ここ最近、この村での景気がいいという話を聞いたのよ。それはあなたのおかげ?それとも、あなたは無関係?どっちかしら?」
う~ん、と首をひねる風間翔太。
ふん、と鼻息と一つついてから、彼は答えた。
「直接的な関係はありませんが、無関係というわけではないです」
「そう。これを見てなにか思い浮かべるかしら?」
そう言って氏康が提示したのは回転式銃。
「おう、俺が作った最新作じゃないか。村の猟師に試運転がてらくれてあげたんだが・・・」
何故ここにあるのか・・・
「驚いているようね。そういえば、申し遅れたわ。私は相模・伊豆・武蔵川越を治める戦国姫大名北条氏康よ。覚えておきなさい」
「・・・はぁ!?」
風間翔太は言葉が出なかった。
北条氏康ね。ほー。すごいすごい。
北条氏康か。小学生くらいまでだとあまり知られてないんだよね。みんな織田信長、徳川家康、豊臣秀吉、武田信玄、上杉謙信、伊達政宗。ここら当たりか?
でも彼は上杉・武田両雄と戦い、野戦では負けたが、篭城戦では負けなし。戦国随一の民政家として知られ、小田原城の総構えは凄かったらしいな。子供の氏政の時は天下人豊臣秀吉と戦い数ヶ月も篭るとか…
でも、男だよな?
俺の目の前にいるのは・・・明らかに
「この細身で控えめなお胸のべっぴんさんが、戦国大名!?ハハハ、さ、さすがに、それはちょっと無理があるんじゃないか?嘘も大概にしておきなよ」
若干ひきつった顔で苦笑いをする翔太に、顔をうつむきながら怒りの表情を顕にする氏康など目に入っていなかった。
「だ、だ、だ、誰の胸が小さいですって!?」
綺麗な人は怒ると怖い。よく言ったものだ。
綺麗な輪郭に細く整った鼻。補足はなく、横に広がった切れ長の目は翔太を殺すかのような眼光を向けている。
「あなたですよ。でも、似合ってますよ。細身で綺麗な感じで。大きくていつかは垂れるものよりもいつまでも綺麗なままってのは魅力的だと思いますよ」
こうも恥ずかしいことをしれっと言う翔太を、怒るに怒れない氏康の怒りは何処へ。
それどころか少し顔を赤面して「そ、そうかしら」などと少し惚けてしまっている。
そんな彼女を見て軽く笑う翔太。氏康のとなりの幻庵は、「氏康にこんな口調で話す男がこの世にいたとは・・・ヒノモトも広いものだ」などといっている。
また、綱成は綱成で、義姉上に無礼な口を!!と言って刀に手をかけている。
そんな様子を見て翔太は思った。
「もしかして、本当に北条氏康様?」
ハハハなどと笑ってごまかしている翔太だが、もう遅い。
「さっきから言っているでしょう!!」
氏康の喧騒が響いた。
――――――小田原
「ほぅ、ここが小田原か」
海岸の方に見えるのは小田原城だろう。北条氏康の時代じゃないから、思っていたよりも小さいけど。
「で、鍛冶場ってどこにあるんだろう?」
小田原の城下町を散策すること数分。
「・・・なんか、いろいろと視線がすごいな」
この時代、平均身長が男性ですら160cmないのに、185cmの巨体が迷彩服というこの時代で言うならば正しく怪しい不届きもののような格好をしているのだ。
そりゃ視線が集まりますわ。
「ちょっとこの視線の中、鍛冶場を聞くのは無理がある」
本日は諦めよう。翔太は、逃げるように小田原を出ると、近くの小川で小休止をした。
「どうしたらいいもんかね」
まあ、当時の武将でもこれぐらい大きのはいただろうけど、流石にこんな服を着ていれば怪しまれるのも無理はない。
「とりあえず、服でも調達しないとな」
小川に反射して映る自身の姿を見て、せめて服だけでもまともなものを着よう、と思う。
「ん?」
と、小川に映る自分以外の存在。決してこの世のものではない存在とかそういう類ではなく、幼い少女が写っていた。
それに気がついて、後ろを振り向く翔太。
「・・・」
現代で言えばまだ小学生だろうか?それぐらいの少女が声を殺して泣いている姿が目に映った。
「何かあったのか?」
この時の俺は何を考えていたのかわからない。
明らか怪しまれるような服装に避けられるような身体の自分がなぜ、しかも泣いている少女に話しかけたのか。
「・・・ぶ、ぶげいの、く、くんれんで、き、気絶しちゃった」
「…それはお気の毒に。で、ここで隠れて泣いていたのか」
「だ、だって、わ、わたし、これからみんなを率いて、戦わないといけないのに、こ、こわくて」
あー、こりゃ、どっかのいいとこでのお嬢さんだな。戦国時代にも姫武将なんてのが一部いたそうだし、女にも戦う術を身につけさせているんだな。
「まあ、女の子なんだからそういうのが怖くてもしょうがないんじゃないか?」
「で、でも・・・」
「自分に怖いものなど何もない!!なんて、虚勢張っているよりも、怖いものがあるって、わかっている人間のほうが偉いと思うぞ」
「そ、そうなの?」
鼻をグスグスさせながら首をかしげる姿に見とれてしまった自分を恥じねば。
俺にそんな趣味は無い!!と、信じたい。
「あ、ああ。何事も心構えが重要だからな。怖いって思うことは心構えの一つだ。これからも、その気持ちを忘れずに。その気持ちを忘れなければ物事の失敗は少なくなると思うよ」
「怖い…心構え…」
「ああ。嘘で塗り固められた強さよりも、自身の弱さを認めることこそが、真の強さだ。虚勢を張ることは強さではない。見栄っ張りの弱者のやることだ。」
「じゃあ、私は強いの?」
上目遣いでこちらをのぞき込んでくる少女。
この時代では考えにくい巨体に怪しい服を着た大男を見て驚きもしないのはある意味強いと言わざるを得ない。
「これからの成長次第だな。怖いだけではなく、怖くてもしっかりとした心構えを持って進んでいけば、君の強さは本物になれる!!」
「・・・わ、わかったわ。わ、わたし、頑張る」
「その意気だ!!頑張れよ」
「うん!!あ、あ、ありがとっ!!」
少し顔を朱に染めた少女は翔太にお礼を言うと颯爽とどこかへ消えていった。
「変わった女の子だったな・・・」
と、俺もこんなところで小休止している暇はない。仲間たちが続々と職を見つけているんだ。俺もなにかせねば。
視線なんて気にしていられるか。
「さて、小田原に戻りますか」
翔太は再び小田原に向かった。最低限の鍛冶技術を学ぶために。
「ほぅ、ここが小田原か」
海岸の方に見えるのは小田原城だろう。北条氏康の時代じゃないから、思っていたよりも小さいけど。
「で、鍛冶場ってどこにあるんだろう?」
小田原の城下町を散策すること数分。
「・・・なんか、いろいろと視線がすごいな」
この時代、平均身長が男性ですら160cmないのに、185cmの巨体が迷彩服というこの時代で言うならば正しく怪しい不届きもののような格好をしているのだ。
そりゃ視線が集まりますわ。
「ちょっとこの視線の中、鍛冶場を聞くのは無理がある」
本日は諦めよう。翔太は、逃げるように小田原を出ると、近くの小川で小休止をした。
「どうしたらいいもんかね」
まあ、当時の武将でもこれぐらい大きのはいただろうけど、流石にこんな服を着ていれば怪しまれるのも無理はない。
「とりあえず、服でも調達しないとな」
小川に反射して映る自身の姿を見て、せめて服だけでもまともなものを着よう、と思う。
「ん?」
と、小川に映る自分以外の存在。決してこの世のものではない存在とかそういう類ではなく、幼い少女が写っていた。
それに気がついて、後ろを振り向く翔太。
「・・・」
現代で言えばまだ小学生だろうか?それぐらいの少女が声を殺して泣いている姿が目に映った。
「何かあったのか?」
この時の俺は何を考えていたのかわからない。
明らか怪しまれるような服装に避けられるような身体の自分がなぜ、しかも泣いている少女に話しかけたのか。
「・・・ぶ、ぶげいの、く、くんれんで、き、気絶しちゃった」
「…それはお気の毒に。で、ここで隠れて泣いていたのか」
「だ、だって、わ、わたし、これからみんなを率いて、戦わないといけないのに、こ、こわくて」
あー、こりゃ、どっかのいいとこでのお嬢さんだな。戦国時代にも姫武将なんてのが一部いたそうだし、女にも戦う術を身につけさせているんだな。
「まあ、女の子なんだからそういうのが怖くてもしょうがないんじゃないか?」
「で、でも・・・」
「自分に怖いものなど何もない!!なんて、虚勢張っているよりも、怖いものがあるって、わかっている人間のほうが偉いと思うぞ」
「そ、そうなの?」
鼻をグスグスさせながら首をかしげる姿に見とれてしまった自分を恥じねば。
俺にそんな趣味は無い!!と、信じたい。
「あ、ああ。何事も心構えが重要だからな。怖いって思うことは心構えの一つだ。これからも、その気持ちを忘れずに。その気持ちを忘れなければ物事の失敗は少なくなると思うよ」
「怖い…心構え…」
「ああ。嘘で塗り固められた強さよりも、自身の弱さを認めることこそが、真の強さだ。虚勢を張ることは強さではない。見栄っ張りの弱者のやることだ。」
「じゃあ、私は強いの?」
上目遣いでこちらをのぞき込んでくる少女。
この時代では考えにくい巨体に怪しい服を着た大男を見て驚きもしないのはある意味強いと言わざるを得ない。
「これからの成長次第だな。怖いだけではなく、怖くてもしっかりとした心構えを持って進んでいけば、君の強さは本物になれる!!」
「・・・わ、わかったわ。わ、わたし、頑張る」
「その意気だ!!頑張れよ」
「うん!!あ、あ、ありがとっ!!」
少し顔を朱に染めた少女は翔太にお礼を言うと颯爽とどこかへ消えていった。
「変わった女の子だったな・・・」
と、俺もこんなところで小休止している暇はない。仲間たちが続々と職を見つけているんだ。俺もなにかせねば。
視線なんて気にしていられるか。
「さて、小田原に戻りますか」
翔太は再び小田原に向かった。最低限の鍛冶技術を学ぶために。
もうそろそろ2年の月日が経つ。
救援は一向に来ない。いや、来るなんて誰ひとりとして思っていない。でも、そう思いたかった。人の心は弱いから、何かにすがるんだ。
神なんていない。本当は心の奥底で誰もが思っている。でも、それでもすがりたいのは、そう。やはり心が弱いからだ。
俺たちも叶うはずのない願いと希望に無駄にすがるんだ。
そして、それでも、生きたいから、死にたくないから、この時代でも生きる道を探すんだ。
20XX年
人権擁護法案、外国人参政権、移民法、売国法案が国会でまかり通る日本。
ギリシャによる極右政党黄金の夜明けによる新政権からEUに飛び火しヨーロッパの半分以上が反移民・国家・国粋主義に走る中、中東ではアラブの春を勝ち抜いたイラン・レバノン・ヨルダンの3ヵ国、そしてイラク・シリア=イスラム国、イスラエルの三角関係の緊張状態に突入する。
国家主義から国粋主義と化した一部欧州諸国はEU脱退。東欧諸国はロシア近づき、ロシアの援助のもと、天然ガス等の資源供給をする一方、西欧も右翼系政党による反移民・反EU・国粋主義の政権が続々と成立し、EU全体としてはまともに動かない状態となった。
ロシアでは、ウクライナ問題が長引き、ウクライナ東部の親露政権国家クリミア共和国及び東キエフ共和国とウクライナによるNATOとロシアの駆け引き続いていた。だが、EUがまともに動かず、実質アメリカVSロシアの構図と化していた。
中国も依然と民族・環境・格差問題が長引き、国内の不満も爆発寸前。その矛先を戦争で向けるしか方法はなかった。
中露不可侵条約。ロシアはアメリカからの防衛戦争を構想し、中国はアメリカ軍の撤退した朝鮮半島を手始めに強引に併合。CIS諸国及び中国によるユーラシア連合は日米との対決姿勢を見していた
日本では売国政党から政権を奪還した保守政党もすでに遅く、国内の人口の10人に1人が外国人。主に大陸中華と半島人で占められていた。
欧州・中東・極東
この3地域による同時多発紛争。後の第三次世界大戦で、日本は国土の半分を失い、今まさに首都圏から半径100kmを絶対防衛圏と定め、富士山周辺や埼玉では地形を生かした戦闘が毎度行われていた。
―――――連合軍河越臨時補給基地
後方から送られてくる部隊と、前線にいる部隊の補給をするための臨時に設営された簡易補給基地には一つのテントと、武器・弾薬・燃料などが積み込まれた7tトラックが置かれていた。
「とはいえ、後方支援の輸送科の俺らには弾薬なくなりましたって事で輸送しに行けばいいんだから、重たい重装備抱えて、ゴキブリみたいに湧いて出てくる中国軍相手にしている連中はお疲れさんだぜ」
後ろに1t水タンクトレーラーがついた7tトラックのハンドルに足を乗せだるそうにしている姿は自衛官に見えない、どこぞのトラックの兄ちゃんだよ。と思うかの風貌である。
「そういうお前は、なんで輸送科にしたんだ?その身長に筋力。射撃は得意じゃなかったか?爆弾処理も、危険物と火薬類保安うんたらの免許、レンジャー資格もとってなかったか?」
レンジャー。簡単にいえば特殊技能を身につけた兵士ってところだ。野戦築城や爆破等の工作任務。徒手空拳や隠密行動など。現代の忍者といえばわかりやすいだろうか?
普通科隊員なら資格を所有している人も少なくはないが、輸送科で所有しているのは希である。
「俺は母子家庭で、資格があれば就職に困らないと思っていたからな。P検も漢検も英検も準1級以上保持してるし、あと簿記と…」
「ああもういいです」
べらべらと資格自慢をした彼の名前は風間翔太。階級はまだ三等陸曹。
「考えてみろよ。お前らが家でゲームしている時には俺は資格取るため勉強だぜ?まあ、普通に友達の家ではゲームをしていたし、簿記とP検は商業系高校出たから自然に取れたけど」
「でもお前高校部活で行ったよな?」
「ああ。部活で高校行けば学費安いだろ?これ以上に親孝行なことはないさ」
「なら輸送科じゃなくてもいいだろう?」
「一番安全だからだよ。妹が大学行きたいって言ってたからね。母親だけじゃ厳しいからさ。俺に何かあったら困るだろ?」
とは言え、もはやこの有様。せっかく大学行けたのに、3年目にして大学閉校。まったく、嫌な世の中だぜ。
「なるほどね。家族思いでご苦労なこった。ちょいとタバコ吸ってくるぜ」
「おう」
相方は外をでてからしばらくの間、戻っては来なかった。
「天候が悪くなってきたぜ。このままだと降るぞ」
とはいえ、まだ相方は帰ってこない。
“ブロブロブロブロ”
「こんな天候の悪い時に飛んでいくとは…お疲れだな」
UH-60JAを見送り、ハァ。ため息をついた瞬間。
“ピシャアアアアン”
雷が落ち、全身電気マッサージにでも浴びせられたかのように痺れ、意識が飛んだ。
「雨が降ってきた…ぜ?」
相方はその場にない臨時補給基地はどこに行ったのかと不思議に思うのであった。
「いってててて、んん?ここは・・・どこだ?」
風間はズキンズキンと痛む頭痛に目が覚め、当たりを見回す。
トラックの中で寝てしまったのか。
ならば相方が起こしてくれるはずだ。つまり、俺はそう長いこと寝ていない。
「・・・待てよ?」
外を見渡す限り、晴れ。ここの臨時補給基地から南を見ると大きな建物があったはず。
「ないな。しかも、いきなり晴れるとは・・・」
世界はまだ不思議なことでいっぱいだ。
“ブロブロブロブロ”
今の状況に呆れているとうるさい音が何やら聞こえてくる。
「おお、さっきのUH-60JAか。おーい、おーい」
空をフラフラ飛ぶヘリに向けて手を振る。それに気がついたのか、こちらへと降りてくる。
「俺はここの補給基地に配属された輸送科の風間翔太一等陸士です」
「俺はUH-60JAのパイロットの新井三尉だ。最前線へと部隊の輸送中にこの有様だ。地形もまるで変わったかのようだ」
「どういうことです?」
「先ほど空を回ってみたのだがな、なにせ建物がない。と言われても戦争でここら辺の建物は廃墟と化したが、そう言う意味じゃねえ。山と森林。川。大自然だ」
「はあ・・・とりあえず人を探しましょう」
「それには俺も同意だ。一応、こちらにも人手がいるんでね。とは言っても、予備軍だがな」
成程。最前線に正規兵士ではなく、予備役を送ると。
それでもジリ便で戦わないといけない。島国だから逃げようがない。背水の陣とはよく言ったものだ。
「なら、俺はこの辺で野営地でも作りますよ。少しばかり人手おいてくれればできますよ」
「了解した」
その後、近くに農村を発見。そこで、衝撃の事実を知り、俺たちは効率の良い農具やライター等の現代の道具を与える代わりに食料を分け与えてもらう。という交換条件で、食料を手に入れてもらえた。
「農民の人々によればここは、武蔵国。ここを治めているのは北条氏綱と呼ばれる大名で、武蔵国は北条氏綱と関東管領上杉・古河公方足利と領土争いが続いているそうだ」
ここに来た初日。
俺たちは川越補給基地で談合をしていた。
これからどうするべきかを。
「取り敢えず、農具を教えるだけではなく、実物を作るなどをして農民と食料の取引を行いたいところだが、いかんせそれだけでは量が足りない。ここが日本であることには変わりはない。いつか戻れることを信じている」
いつか戻れること。
それは事実だろう。
北条氏康が生きていた戦国時代。そりゃあ、500年経てば戻れるでしょう。
「そのいつかが、いつ来るのかわからない。それが本音でしょう」
俺は、刺激しないように慎重に、そして、冷静に核を突いた。
「ああ。ただ、このままだらだらとこの世界で待つわけには行かない。それなりに職業や特技を生かして、この世界でそのいつかが来るまで生きようじゃないか」
成程。いつかを待つためにこの世界で生きる。
そのいつかだけが俺たちの希望。
「フッ」
「何がおかしい?」
「いや、帰りたい気持ちはありますけどね。こういう体験はあまりできないんじゃないかと」
ええ。これだけ自由があって、歴史を作る側になれる時代なんてそうそうありませんからね。
「これだけの装備があれば、俺たちで天下だって夢じゃない」
その言葉に周りは凍りついた。
「その言葉はいささか危険思想だな。強い力を持ったからといってそれを自分の都合で振り回すのは我が国土を蹂躙したかの国と同じであるぞ」
肩をすくめる風間翔太をたしなめる新井三尉。
「・・・とは言え、我々の故郷であるこの場は守らねばならん。時と場合によっては、この日本に対する武力行使もあり得るな」
「そりゃ、そうでしょう。なんせ、親兄弟ですら疑い、殺し合う血生臭い戦国の世。追い討ちをかけるような武蔵の国河越。関東管領上杉家と成り上がり者北条家の激戦地ですよ」
「ふむ、そのへんを踏まえて、ここは確実に死守せねばならない。ひとまず最低限の防御陣地を築いたが・・・」
補給基地を守るように築き上げられた土塁に、鉄条網。M2重機関銃にMINIMI軽機関銃が防衛装備として配置されている。
「何万の大軍が来たとしたら持ちますかね?」
風間翔太は再び周りの空気を凍らせるような言葉を放つ。
「君はどうやら空気の読めない人のようだな」
正規兵2名。残りは全て予備役。ましてや、予備役は予備役でも新人ときた。
死との隣あわせはともかく、まともな訓練を受けてはいないだろう。
「事実ですよ。事実」
「まあ、嘘を言うつもりはないが、君の言うとおりだよ。俺から言えることは、目立つことは控えること。その時を待つダメだけに生きる。それだけだな」
新井三尉はそう告げると、一服したかったのか、タバコとライターを持ちながら補給基地から地上に出て行った。
「ハハハ・・・全く、面白い世界に飛ばしてくれたもんだぜ。神様とやらは」
風間翔太は天井を見上げながらただ、一言。そう呟いた。
そう。この時はまだ、6年もあの場所にとどまるとは思ってもいなかった。
そして、月日は経ち、河越臨時補給基地がタイムスリップして2年目に突入していた。
「お前は職場を探さんのか?」
「う~ん」
一年も経てばさすがにこの世界に慣れてくる。
ほかの連中はこの世界なら大儲けができると言って、武器・馬を手に、堺まで言って南蛮商人からあるものを買い付けた。
サトウダイコン。イタリア名バルバビエトーラと呼ばれる砂糖の主要原料である植物をこの地に育て、砂糖を日本で独占販売しようというのだから、恐ろしいやつだ。
もともと製糖工場で働いていた経験を持つがゆえだが、ちなみにこの時代サトウダイコンはヨーロッパではもっぱら家畜用の餌である。
また、ほかのやつは生糸や、綿製品を大量生産し、莫大な利益をあげようと、飛び矛や力織機等の開発を行っている連中もいる。
俺もなにかしないとな。
「お前、そういえばこっちに来たばかりの頃、この世界で天下を取れる。なんて言っていたな」
「ああ。俺たちの力と技術があればな。武器だってライフルやリボルバー、ガトリングガン程度の構造は頭の中に入っている」
「それを活かせよ。武器を作って、売りまくれば大儲けできるぜ」
「ほぅ~、確かにな。どっかに鍛冶場ねえかな?」
「このあたりだと、小田原じゃねえか?たしか、北条家の現当主北条氏綱が火縄銃じゃねえが、ものの○姫で、えぼしが使ってたのに似たやつ作ってるて聞いたぜ」
「そうか。成程」
火縄銃の構造やネジの作成方法ぐらいはわかるから、鍛冶技術さえ学んでくればいいのか。
よし、善は急げだな。
「では行ってくる」
「お、おう。行ってら~」
手を振られながら早急に小田原に向かう翔太。
「そう簡単に教えてくれるかは知らんけど…」
救援は一向に来ない。いや、来るなんて誰ひとりとして思っていない。でも、そう思いたかった。人の心は弱いから、何かにすがるんだ。
神なんていない。本当は心の奥底で誰もが思っている。でも、それでもすがりたいのは、そう。やはり心が弱いからだ。
俺たちも叶うはずのない願いと希望に無駄にすがるんだ。
そして、それでも、生きたいから、死にたくないから、この時代でも生きる道を探すんだ。
20XX年
人権擁護法案、外国人参政権、移民法、売国法案が国会でまかり通る日本。
ギリシャによる極右政党黄金の夜明けによる新政権からEUに飛び火しヨーロッパの半分以上が反移民・国家・国粋主義に走る中、中東ではアラブの春を勝ち抜いたイラン・レバノン・ヨルダンの3ヵ国、そしてイラク・シリア=イスラム国、イスラエルの三角関係の緊張状態に突入する。
国家主義から国粋主義と化した一部欧州諸国はEU脱退。東欧諸国はロシア近づき、ロシアの援助のもと、天然ガス等の資源供給をする一方、西欧も右翼系政党による反移民・反EU・国粋主義の政権が続々と成立し、EU全体としてはまともに動かない状態となった。
ロシアでは、ウクライナ問題が長引き、ウクライナ東部の親露政権国家クリミア共和国及び東キエフ共和国とウクライナによるNATOとロシアの駆け引き続いていた。だが、EUがまともに動かず、実質アメリカVSロシアの構図と化していた。
中国も依然と民族・環境・格差問題が長引き、国内の不満も爆発寸前。その矛先を戦争で向けるしか方法はなかった。
中露不可侵条約。ロシアはアメリカからの防衛戦争を構想し、中国はアメリカ軍の撤退した朝鮮半島を手始めに強引に併合。CIS諸国及び中国によるユーラシア連合は日米との対決姿勢を見していた
日本では売国政党から政権を奪還した保守政党もすでに遅く、国内の人口の10人に1人が外国人。主に大陸中華と半島人で占められていた。
欧州・中東・極東
この3地域による同時多発紛争。後の第三次世界大戦で、日本は国土の半分を失い、今まさに首都圏から半径100kmを絶対防衛圏と定め、富士山周辺や埼玉では地形を生かした戦闘が毎度行われていた。
―――――連合軍河越臨時補給基地
後方から送られてくる部隊と、前線にいる部隊の補給をするための臨時に設営された簡易補給基地には一つのテントと、武器・弾薬・燃料などが積み込まれた7tトラックが置かれていた。
「とはいえ、後方支援の輸送科の俺らには弾薬なくなりましたって事で輸送しに行けばいいんだから、重たい重装備抱えて、ゴキブリみたいに湧いて出てくる中国軍相手にしている連中はお疲れさんだぜ」
後ろに1t水タンクトレーラーがついた7tトラックのハンドルに足を乗せだるそうにしている姿は自衛官に見えない、どこぞのトラックの兄ちゃんだよ。と思うかの風貌である。
「そういうお前は、なんで輸送科にしたんだ?その身長に筋力。射撃は得意じゃなかったか?爆弾処理も、危険物と火薬類保安うんたらの免許、レンジャー資格もとってなかったか?」
レンジャー。簡単にいえば特殊技能を身につけた兵士ってところだ。野戦築城や爆破等の工作任務。徒手空拳や隠密行動など。現代の忍者といえばわかりやすいだろうか?
普通科隊員なら資格を所有している人も少なくはないが、輸送科で所有しているのは希である。
「俺は母子家庭で、資格があれば就職に困らないと思っていたからな。P検も漢検も英検も準1級以上保持してるし、あと簿記と…」
「ああもういいです」
べらべらと資格自慢をした彼の名前は風間翔太。階級はまだ三等陸曹。
「考えてみろよ。お前らが家でゲームしている時には俺は資格取るため勉強だぜ?まあ、普通に友達の家ではゲームをしていたし、簿記とP検は商業系高校出たから自然に取れたけど」
「でもお前高校部活で行ったよな?」
「ああ。部活で高校行けば学費安いだろ?これ以上に親孝行なことはないさ」
「なら輸送科じゃなくてもいいだろう?」
「一番安全だからだよ。妹が大学行きたいって言ってたからね。母親だけじゃ厳しいからさ。俺に何かあったら困るだろ?」
とは言え、もはやこの有様。せっかく大学行けたのに、3年目にして大学閉校。まったく、嫌な世の中だぜ。
「なるほどね。家族思いでご苦労なこった。ちょいとタバコ吸ってくるぜ」
「おう」
相方は外をでてからしばらくの間、戻っては来なかった。
「天候が悪くなってきたぜ。このままだと降るぞ」
とはいえ、まだ相方は帰ってこない。
“ブロブロブロブロ”
「こんな天候の悪い時に飛んでいくとは…お疲れだな」
UH-60JAを見送り、ハァ。ため息をついた瞬間。
“ピシャアアアアン”
雷が落ち、全身電気マッサージにでも浴びせられたかのように痺れ、意識が飛んだ。
「雨が降ってきた…ぜ?」
相方はその場にない臨時補給基地はどこに行ったのかと不思議に思うのであった。
「いってててて、んん?ここは・・・どこだ?」
風間はズキンズキンと痛む頭痛に目が覚め、当たりを見回す。
トラックの中で寝てしまったのか。
ならば相方が起こしてくれるはずだ。つまり、俺はそう長いこと寝ていない。
「・・・待てよ?」
外を見渡す限り、晴れ。ここの臨時補給基地から南を見ると大きな建物があったはず。
「ないな。しかも、いきなり晴れるとは・・・」
世界はまだ不思議なことでいっぱいだ。
“ブロブロブロブロ”
今の状況に呆れているとうるさい音が何やら聞こえてくる。
「おお、さっきのUH-60JAか。おーい、おーい」
空をフラフラ飛ぶヘリに向けて手を振る。それに気がついたのか、こちらへと降りてくる。
「俺はここの補給基地に配属された輸送科の風間翔太一等陸士です」
「俺はUH-60JAのパイロットの新井三尉だ。最前線へと部隊の輸送中にこの有様だ。地形もまるで変わったかのようだ」
「どういうことです?」
「先ほど空を回ってみたのだがな、なにせ建物がない。と言われても戦争でここら辺の建物は廃墟と化したが、そう言う意味じゃねえ。山と森林。川。大自然だ」
「はあ・・・とりあえず人を探しましょう」
「それには俺も同意だ。一応、こちらにも人手がいるんでね。とは言っても、予備軍だがな」
成程。最前線に正規兵士ではなく、予備役を送ると。
それでもジリ便で戦わないといけない。島国だから逃げようがない。背水の陣とはよく言ったものだ。
「なら、俺はこの辺で野営地でも作りますよ。少しばかり人手おいてくれればできますよ」
「了解した」
その後、近くに農村を発見。そこで、衝撃の事実を知り、俺たちは効率の良い農具やライター等の現代の道具を与える代わりに食料を分け与えてもらう。という交換条件で、食料を手に入れてもらえた。
「農民の人々によればここは、武蔵国。ここを治めているのは北条氏綱と呼ばれる大名で、武蔵国は北条氏綱と関東管領上杉・古河公方足利と領土争いが続いているそうだ」
ここに来た初日。
俺たちは川越補給基地で談合をしていた。
これからどうするべきかを。
「取り敢えず、農具を教えるだけではなく、実物を作るなどをして農民と食料の取引を行いたいところだが、いかんせそれだけでは量が足りない。ここが日本であることには変わりはない。いつか戻れることを信じている」
いつか戻れること。
それは事実だろう。
北条氏康が生きていた戦国時代。そりゃあ、500年経てば戻れるでしょう。
「そのいつかが、いつ来るのかわからない。それが本音でしょう」
俺は、刺激しないように慎重に、そして、冷静に核を突いた。
「ああ。ただ、このままだらだらとこの世界で待つわけには行かない。それなりに職業や特技を生かして、この世界でそのいつかが来るまで生きようじゃないか」
成程。いつかを待つためにこの世界で生きる。
そのいつかだけが俺たちの希望。
「フッ」
「何がおかしい?」
「いや、帰りたい気持ちはありますけどね。こういう体験はあまりできないんじゃないかと」
ええ。これだけ自由があって、歴史を作る側になれる時代なんてそうそうありませんからね。
「これだけの装備があれば、俺たちで天下だって夢じゃない」
その言葉に周りは凍りついた。
「その言葉はいささか危険思想だな。強い力を持ったからといってそれを自分の都合で振り回すのは我が国土を蹂躙したかの国と同じであるぞ」
肩をすくめる風間翔太をたしなめる新井三尉。
「・・・とは言え、我々の故郷であるこの場は守らねばならん。時と場合によっては、この日本に対する武力行使もあり得るな」
「そりゃ、そうでしょう。なんせ、親兄弟ですら疑い、殺し合う血生臭い戦国の世。追い討ちをかけるような武蔵の国河越。関東管領上杉家と成り上がり者北条家の激戦地ですよ」
「ふむ、そのへんを踏まえて、ここは確実に死守せねばならない。ひとまず最低限の防御陣地を築いたが・・・」
補給基地を守るように築き上げられた土塁に、鉄条網。M2重機関銃にMINIMI軽機関銃が防衛装備として配置されている。
「何万の大軍が来たとしたら持ちますかね?」
風間翔太は再び周りの空気を凍らせるような言葉を放つ。
「君はどうやら空気の読めない人のようだな」
正規兵2名。残りは全て予備役。ましてや、予備役は予備役でも新人ときた。
死との隣あわせはともかく、まともな訓練を受けてはいないだろう。
「事実ですよ。事実」
「まあ、嘘を言うつもりはないが、君の言うとおりだよ。俺から言えることは、目立つことは控えること。その時を待つダメだけに生きる。それだけだな」
新井三尉はそう告げると、一服したかったのか、タバコとライターを持ちながら補給基地から地上に出て行った。
「ハハハ・・・全く、面白い世界に飛ばしてくれたもんだぜ。神様とやらは」
風間翔太は天井を見上げながらただ、一言。そう呟いた。
そう。この時はまだ、6年もあの場所にとどまるとは思ってもいなかった。
そして、月日は経ち、河越臨時補給基地がタイムスリップして2年目に突入していた。
「お前は職場を探さんのか?」
「う~ん」
一年も経てばさすがにこの世界に慣れてくる。
ほかの連中はこの世界なら大儲けができると言って、武器・馬を手に、堺まで言って南蛮商人からあるものを買い付けた。
サトウダイコン。イタリア名バルバビエトーラと呼ばれる砂糖の主要原料である植物をこの地に育て、砂糖を日本で独占販売しようというのだから、恐ろしいやつだ。
もともと製糖工場で働いていた経験を持つがゆえだが、ちなみにこの時代サトウダイコンはヨーロッパではもっぱら家畜用の餌である。
また、ほかのやつは生糸や、綿製品を大量生産し、莫大な利益をあげようと、飛び矛や力織機等の開発を行っている連中もいる。
俺もなにかしないとな。
「お前、そういえばこっちに来たばかりの頃、この世界で天下を取れる。なんて言っていたな」
「ああ。俺たちの力と技術があればな。武器だってライフルやリボルバー、ガトリングガン程度の構造は頭の中に入っている」
「それを活かせよ。武器を作って、売りまくれば大儲けできるぜ」
「ほぅ~、確かにな。どっかに鍛冶場ねえかな?」
「このあたりだと、小田原じゃねえか?たしか、北条家の現当主北条氏綱が火縄銃じゃねえが、ものの○姫で、えぼしが使ってたのに似たやつ作ってるて聞いたぜ」
「そうか。成程」
火縄銃の構造やネジの作成方法ぐらいはわかるから、鍛冶技術さえ学んでくればいいのか。
よし、善は急げだな。
「では行ってくる」
「お、おう。行ってら~」
手を振られながら早急に小田原に向かう翔太。
「そう簡単に教えてくれるかは知らんけど…」
このブログを初めて閲覧された方には初めまして!!
ハーメルンの頃からの方にはお久しぶりです!!
SS・小説投稿サイト-ハーメルンにおいてアク禁をくらった問題作「戦国自衛官」の作者ハーメルンです。
ハーメルンでアク禁をくらって早2年、戦国自衛官をPCのハードディスクに眠らせておくのは寂しいと思いブログで公開することにしました。ところどころ修正を加えてありますので、ハーメルンの頃とは多少違いがありますがストーリー的にはさほど変わりはありません。
なお、ハーメルンでは過激表現および人種差別を助長するとしてアク禁をくらいましたが、ここではアク禁をくらうことなどないので、そのあたりは原文のままです。また、統計データなどはできるだけ信憑性の高いソースを持ってきますので、信用できない方は貼り付けたソースを閲覧してください。
今回は自己紹介だけですが、次からは投稿していきたいと思います。
では、また今度!!
*なお、この作品に含まれる国家はあ くまで架空のものであります。
ハーメルンの頃からの方にはお久しぶりです!!
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ハーメルンでアク禁をくらって早2年、戦国自衛官をPCのハードディスクに眠らせておくのは寂しいと思いブログで公開することにしました。ところどころ修正を加えてありますので、ハーメルンの頃とは多少違いがありますがストーリー的にはさほど変わりはありません。
なお、ハーメルンでは過激表現および人種差別を助長するとしてアク禁をくらいましたが、ここではアク禁をくらうことなどないので、そのあたりは原文のままです。また、統計データなどはできるだけ信憑性の高いソースを持ってきますので、信用できない方は貼り付けたソースを閲覧してください。
今回は自己紹介だけですが、次からは投稿していきたいと思います。
では、また今度!!
*なお、この作品に含まれる国家はあ くまで架空のものであります。