前回、継続性のある中小企業を目指すためのシステムとして内部統制について

書きましたが、あまり馴染みのない言葉のためわかりにくいと感じた方もおられた

のではないかと思います。

 

では、内部統制の一部分であるコンプライアンスという言葉はどうでしょう?

意味はよくわからなくても内部統制よりは聞いたことがあるとおっしゃられる方が

多いのではないでしょうか!?

 

なぜコンプライアンスという言葉が最近よく聞かれるようになってきたのでしょう?

このコンプライアンスという用語の広く知られている意味としては、「法令遵守」

ということになり、企業に対して法律を守って企業活動を行うことを求めることが

コンプライアンスの考え方として一般的に広まっていますが、法律を守らなければ

いけないということは、企業のみならず個人にとっても当然のことであり、わざわざ

企業に制度として構築しなければいけないといったものではないのではないか?

と考える方も多いでしょう。

 

実際は、1990年代以降、法令違反に基づく企業の不祥事が相次いで起こり、

最近では三菱自動車の不正の話もありました。

これらのことが企業に対してコンプライアンスを求める社会の声を高めること

になり、コンプライアンスの概念として「法令遵守」の制度を構築していくことの

必要性が重視されてくることになりました。

 

しかし、企業にとってみれば、コンプライアンス体制を構築するということになると

そのための人員を配置したり様々な規定を整理したり、社員研修を行ったりと

それなりにコストが掛かってくることもありますし、コンプライアンスを行うことが

直接売上に繋がらないのでモチベーションが上がらないといった声も聞こえて

きそうです。中には最低限の法律さえ守っていれば、コンプライアンスは必要なく

、利益を上げて税金を支払えば社会的役割も果たせているのではないかと考える

経営者もおられるかもしれません。特に大企業と比べて体力の劣る中小企業の

経営者の方は特にそう思うかもしれませんね。

 

でも実は、本当のコンプライアンスとはただ法律を守っていれば良いというもの

ではないのです。

 

もともとコンプライアンスという言葉には「要求・期待に応える」という意味もある

ようです。したがって企業は社会の一員として社会を構成する様々な者(株主、顧客

取引先、従業員、地域社会)の要求に応える責務があり、そのために企業に順守を

求める対象は法律だけに限らず、社内規範や社内ルール、業界ルール、さらには

社会の良識や常識(社会規範)まで含まれるとする立場が一般的になっており、それ

に反する行動(不祥事)の発覚により、財務・経営上の数字がいくら優良な企業であっ

てもマスコミの厳しい批判にさらされ一瞬にして社会の信用を失い、突然死のように

廃業になってしまうケースも多くあるということです。

 

そして、企業の不祥事は昔と異なり、マスコミやインターネットの発達、公益通報者

保護法の成立といった社会環境の変化と人々の意識の変化により隠しきれなくなっ

てきています。

 

しかし逆にこのような企業を取り巻く環境の変化を逆手にとってコンプライアンスにより

自社の知的資産や価値を高め、広く社会に認知させていくことも可能だと思います。

 

例えば、社内規範の見直しや社内ルールの制定、経営理念を徹底するための社員

の倫理研修等を行うことにより社会の要求に応えることに繋げ、自社の利益を上げて

いくために必要なリスクマネジメントとしてとらえるということ。

 

それと共に必要なことは、コンプライアンス体制を構築するプロセスを間違わないよう

に知識を習得し、各々の会社の業種、規模、地域に応じたコンプライアンスを目指して

いくこと。

 

この二つを意識することにより弱体化を防ぎ継続性のある会社に繋がるための

システムになっていくことと思います。