少子高齢化、保育者不足、業務の多忙化。
今、保育の現場はさまざまな課題に直面しています。
そんな中、「AI(人工知能)」が保育を変える力として、静かに、しかし着実に注目を集め始めています。
でも、「AIって保育に合うの?」「機械に子どもは任せられないでしょ?」
そんな声も当然あると思います。私も最初はそう思いました。
ですが、AIは保育の“代わり”をする存在ではありません。
むしろ、保育者が本来の仕事 ― 子どもと向き合う時間 ― に集中するための“サポーター”です。
今回は、「保育者の日常業務にAIをどう活用すべきか?」というテーマで、具体的な活用シーンや注意点を交えてご紹介します。
1. 書類作成を、もっとスムーズに
保育日誌、連絡帳、月案・週案、指導要録……
保育者が抱える事務作業の多さに悩んでいる方は多いはずです。
こうした“言葉を使う作業”は、実はAIの得意分野です。
たとえば最近では、園の方針や言い回しを事前にAIに学習させ、
「今日は雨だったから、室内でできる遊びを工夫した」
そんな簡単なメモを打ち込むだけで、
“園らしい文章”に整えてくれるツールが登場しています。
もちろん最後のチェックは人間が行います。
でも、ゼロから文を書き起こすストレスが減ることで、
気持ちにも時間にも余裕が生まれます。
2. 園だよりや保護者対応もサポート
「毎月の園だより、いつもネタに困る…」
そんなときもAIが力を発揮します。
例えば、「5月」「3歳児クラス」「外遊びを増やす」と入力すれば、
それに合った内容の下書きを生成することができます。
また、保護者対応にも役立ちます。
最近では、保護者からの電話をAIが自動で受け付け、
欠席連絡を文字に変換してくれるシステムも登場しています。
手が離せない時間でも、対応漏れのリスクを減らせます。
3. 子どもの写真整理・記録もおまかせ
日々の写真整理も、保育士にとっては大きな負担の一つ。
最近では、AIが顔認識技術で子どもを自動判別し、
写真をクラスごとや個人別に振り分けてくれるシステムがあります。
また、日常の写真にコメントを自動生成する機能もあります。
「〇〇ちゃん、ブロックを高く積んでいました」
といった一文を自動で添えることで、
写真と一緒に記録もスムーズに残せるようになります。
4. 「人にしかできない仕事」へ集中するために
AIを使う一番の目的は、
「人にしかできない仕事」に集中するためです。
たとえば、子ども一人ひとりの微妙な表情の変化に気づいたり、
思いがけない言葉を拾ってあげたり、
その子らしさを受け止め、育むこと。
これはどんなに進化したAIでも、決して代替できません。
だからこそ、事務やルーティン業務など、
“やらなければいけないけれど、時間が奪われている”部分を、
AIに助けてもらうべきなのです。
5. AIを導入するうえでの注意点
AIは「魔法の杖」ではありません。
導入には以下のような注意点があります。
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情報漏洩に注意:個人情報を扱う場合は、信頼できるサービスを選びましょう。
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チェックは人がする:AIが作った文章も、必ず目を通して修正するのが基本です。
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園の方針とぶれないように:AIに何を学ばせるか、最初の“設定”が重要になります。
最後に ― AIは“共に育てる”存在
AIは、保育を「機械的に」するのではなく、
より「人間らしく」するための力です。
保育者が疲弊し、時間に追われてしまう現状を少しでも改善し、
子どもたちと過ごす一瞬一瞬に、もっと心を注げるように。
そんな未来の保育を、AIと一緒につくっていけたらと思います。
「保育にAIなんて」と思っていた方にも、
少しでも「なるほど、役に立つかも」と感じてもらえたなら、
それが第一歩です。
まずは、できるところから。
あなたの保育に、AIという“新しい味方”を加えてみませんか?