子ぐものいのり
作:久留島武彦
絵:古内ヨシ
2025年
子どもの未来社
1430円(税込)
教会の天井の隅に、二匹の蜘蛛の親子が住んでいました。
今日は朝から大勢の人たちの声が聞こえてきます。
ほうきや雑巾、バケツを持った人たちが教会にどやどや中に入ってきます。
今日はクリスマスイブ。
一年に一度、大掃除をする日なのです。
窓がさっと開けられ、トントンバタバタ。
おかあさん、おかあさん!
子ぐもが騒ぎます。
子ぐもをお腹の下に抱えた母ぐもは、逃げる隙を伺っています。
長いほうきの先がぐーんと目の前にやってきて・・・・
ああ!
と思った瞬間、別の誰かに呼ばれたその人は、蜘蛛の巣を取らないで行ってしまいました。
窓からどうにかして這い出した2匹の親子ぐもは、寒さに震えます。
教会には、大きなモミの木が運ばれて行きました。
しばらくすると、人間たちは口々に何か話しながら出ていきます。
立派なクリスマスツリーが出来たね。
今日は子どもの天国よ。
そんな言葉を聞いた親子ぐもは、中に入ってみたくなりました。
わあ
そこにあったのは、色とりどりのろうそくやおもちゃ、リボンで飾られたツリーでした。
美しいツリーに感動する親子ぐも。
ふたりはツリーを隅々まで登って見ることにするのですが、困ったことが起こります。
可愛い子ぐもの願いを神様は叶えてくださるのか…イブの日にご覧ください☆
明日はクリスマスですね。子どもだちの笑顔があふれますように。
