今60歳以上の人間が日本中に増えていくにしたがって、何とか健康を長く維持したい。そのためにはサプリメントや週に1.2回の運動をスポーツジムでやっておいた方が良い。というのが常識になりつつある。あちこちのスポーツジムを覗くと平均年齢が65歳から70歳になっているのではないかと思うほど、毎年平均年齢が上がっているような気がする。
特に、家にいても何もやることがない、自分の家の風呂に入るよりは大きな風呂に入る方が楽しい、それに一度月会費を払えば何日ジムに行っても料金が同じならば、数多くいく方が得だという考え方が浸透しているせいか、1週間に3回、4回と通う人も増えている。
それに比べるとカーブスというのは大変特殊なコンセプトを持っている。女性だけのたった30分のフィットネスクラブ カーブス を見たことや聞いたことがあるだろうか?現在日本中に1700か所近くに店舗が増えている。たった30分の運動でいったい何が出来るのか、準備体操をしたら終わってしまうではないか、と思ってしまいがちだが、実際に試してみるとこれが結構効果があると実感する。
12種類のマシーンで上半身、下半身、前筋肉、裏筋肉、それに体側のストレッチにまつわる筋肉、体幹筋肉などを鍛えてくれる。ところが鍛えるというほどの、回数をやらないのがまた面白い。一つの運動をやる時間が、およそ45秒くらい。そして、6分に1回くらいの割合で脈拍を自分でとり、それによって運動効果が、来たときよりも上昇しているかどうかをきちんと計っている。こんな短い時間で本当に効果があるのかと思うが、高齢者で60、70、80、90代の人たちも最初全くマシーンを使う事が筋肉量が少なすぎて無理だった人も、その人なりに続けて行くうちにだんだんこなせるようになっていく。1,2か月に1回はきちんと筋肉量が増えているかどうかを上半身、下半身、柔軟性などで測定してくれるのも親切だ。
これを創業した人はアメリカ人のゲイリーヘブン博士。13歳の時に母親が高血圧、鬱、肥満で突然死したという。そして、医学部に入り、運動生理学に基づいたフィットネスクラブを開始したのであるが、自分の意志に反して若い女性ばかりが来てしまった言う、それでその後再び栄養学を学び、中高年齢層の女性にターゲットを絞り込んだカーブスをオープンした。
小さな20畳くらいの部屋に12台のマシーンが並んでいてそれも円形に並んでいるので、回りの人に顔をむけながら運動する。その円形のマシーンを次々にこなしていく。45秒ほどの運動をすると、その後45秒はマシーンから降りてステップを踏む。これを繰りかえす。無理をすればこの年齢の人はかえって故障がおきやすい。その無理にならない手前で止めているというのが、従来のスポーツジムの理念と正反対だ。この量だと家に帰ってからも疲れ切るということもないし、あっという間に終わってしまうので、他の日常生活に何ら支障もない。そして、無理がないので、長続きする。このような普通のスポーツジムの逆を行く発想を日本人ではなく、アメリカ人が思いついたことには驚きを感じ得ない。
今から40年前私はミス日本を主催する和田研究所というダイエットの和田静夫さんと友人で何故たった15分くらいの運動でしかも、1週間に1回の運動で痩せるのかという基礎研究をしたことがあった。和田静夫さんも一つの運動に対して必ず、脈拍をとって運動効果が上がっているかどうかをチェックしていた。運動は1回のレッスンで上半身、下半身合わせて、6種類から7種類。カーブスと違うのは一つ一つの運動を、吸って吐く呼吸に合わせてやるのだが、最後の所は吐き切った後、さらに5秒から10秒我慢して続けるというところが大きなカギであった。この無酸素呼吸で吐き切ると、運動をかけた所に乳酸が大量に溜まり、そこでそれが刺激となって新しい筋肉が出来る。筋肉を作るためには周りの脂肪を溶かして材料にし、そのエネルギーで筋肉を作る。その時に彼は天才的な、インスピレーションで今流行の高たんぱく、低糖食、つまりローカーボダイエットを日本で初めて行った人だった。多分、アメリカのアトキンスがローカーボダイエットを始めたのが1980年代だから、和田静夫さんの方がはるかに早かったはずだ。つまり世界で最も早く、この方法を考え付いた人だ。和田静夫さんとカーブスの類似点はどちらも短い時間の運動で十分な効果をあげていることだろう。
これからの高齢化時代にはもちろん運動は必須だけれども、安く運動が出来ること。運動する場所が近くにあること。無理をしないこと。これらが大切になる。しかし、この条件を満たしたカーブスはきっとこれからも店舗数が増えるだろうし、男性よりも10歳近く長生きする女性は、骨や筋肉を丈夫にし、1週間に何回か外に出歩くこと。そして運動することで酸素の消費量を増やし、ひいては脳の活性化にもつながる簡単運動習慣は痴呆症の予防と老人骨折の予防に最適である。私はあまり、ビジネスの応援をすることはないが、このカーブスだけは本当に素晴らしいと思っている。最後にお年寄りの女性一人一人に対して苗字ではなく、名前でさん付けで呼んでくれる。幸子さんいらっしゃーい。などと60年以上昔に呼ばれたようなかわいらしい呼ばれ方をしたら、女性は皆嬉しくなってしまう。苗字でも呼ばれず、奥さん。おばあさん。と没個性的な呼ばれ方の時代が長かった人にとってはこの呼ばれ方だけでアンチエイジング効果があるだろう。