よく一括りにされるジャズとボサノヴァ。
アメリカをルーツとするジャズと
ブラジルをルーツとするボサノヴァ。
実はまったく違う音楽です。
「サンバがジャズの影響を受けてボサノヴァになった」なんて
まことしやかに言う人もいますが
それは違います。
ボサノヴァは、ヨーロッパの和声にアフリカ文化が融合してできた音楽です。
いわばサンバの子供のような存在とも言えるでしょう。
ボサノヴァとジャズをミックスした
ジャズ・ボッサというジャンルもありますが
それはそれとして
ジャズとボサノヴァは、それぞれ独立したルーツがあります。
なのになぜ一緒だと思われるのか?
私はジャズには明るくありませんが
理由の1つは、テンションコードを多用する音楽という点では
共通しているからだと思われます。
通常のポップス(最近はそうでもないですが)では
6/9、b13、augやdimなどのテンションコードはあまり使われないので
それらの響きから、同じように思うのかもしれません。
しかし
言葉で説明するのは難しいのでここでは深くは触れませんが
ジャズとボサノヴァでは、コード進行の仕方が違います。
また、歌が入る場合
英語の強勢(アクセント)の位置と、ポルトガル語の強制の位置は違うので
メロディもそれに合わせて変化しています。
「イパネマの娘」も、英語とポルトガル語ではメロディが微妙に違うんですよ。
こちらはフランク・シナトラとアントニ・カルロス・ジョビンの
伝説的ライブでの「イパネマの娘」です。
シナトラに合わせてジャズ・バージョンになっているので
ジョビンのギターの弾き方も、ジョアン・ジルベルトのボサノヴァの弾き方とは違います。
英語、ポルトガル語の歌詞を交互に歌っいながら、上手くまとまっているところが素晴らしい!!
あとはリズムです。
ボサノヴァは、サンバと同じ4分の2拍子です。
基本的に前ノリですので、後ノリになることはありません。
こちらがジョアン・ジルベルトの「イパネマの娘」。
揺るぎなく刻み続ける4分の2拍子の低音(ベース)が、ボサノヴァの基本です。
弦を弾く右手の形にもご注目!!
ジャズにはジャズの
ボサノヴァにはボサノヴァの魅力があります。
ぜひ、この違いも楽しんでもらえたらと思います
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