つけまつげ話の続きですが。
Mさんが来店したとき、私は真正面にいたのですぐ接客に入ったけど、周囲のスタッフいわく、Mさんのタイツに目が釘付けだったとか。
前からじゃわかんないんだけど、後ろにだけまーっすぐに(ももから足首まで)太目の黒のラインが入っていて、そのへんで何千円で売ってる高級タイツより、
明らかに高級なタイツ。
カラータイツの模様が伸びてる人、いっぱいいる。
履きたいのはわかるけど。新宿に遊びに来てるんだしね。
でもね、「私のイチバンもの」ばかりを着てきた女子って、私たち、丸わかりなんです。
Mさん、脚もまっすぐ。太くも細くもなく、ちょうどいい・・・。
文句のつけようのない、まったく嫌味のない・・・・・全身。そんな高級タイツだって、いくら美人でも、スタイルよくても、逆に嫌味なひと、沢山いるでしょう?
比較的冷静に接客ができた。が、例の、当店イチバンの高級ラインに話が及び、その途中で店長が気付いて、声をかける。
「まぁ、久しぶりじゃないですかぁ」
数年前は、うちでエステもしたことがあるそう。
で、店長は営業に入り始めた。勿論、その高級ラインを買ってもらうためだ。
実際、私では販売できなかったろう。
店長の話に、「お上手だから」などと微笑みながらも、 1万円の石鹸はじめ、12万円のクリームまで(ここまできいて、わかる人はわかるんだけどね、有名だから。揃えると、25万円也。)を購入された。
きくと、二度目の出産で双子を産み、7ヶ月目でなかなか店舗を見にこれなかったんだと。
私はこの店で色んな「キレイなひと(お客様)」を見てきたけど。
こんなに毒のない、嫌味のないひとはいなかったと思う。
メークそのものやファンデが濃かったり、盛りすぎだったり。
出産そのものが、私たち30代の話の盛り上がってしまうところ。
私は産んでいない、ということを告白すると、話の中で、彼女は言った。
「確かに、よく言いますよね、出産が最大のデトックスだって。」
この発言は、美容雑誌を毎月購入してる私には既に知ってること。
ただ、この仕事をしてきて、出産経験者及び妊婦さんに、その発言をしたことはない。
なぜなら、私はまだ未経験者だから、そんな発言は生意気だからと思ったからだ。
事実だとしても、私がそう発言して「出産をそんなふうに例えないで」と思われるかもしれない。
だけどMさんは、自分からそう発言してくれた。
メークもファッションも、仕草も持ち物も、とにかく全て新鮮だった。
シンプルすぎでもないし・・・
飾りすぎてもないし・・・
化粧薄いし・・・
でも足りなくない。
とにかく、私はMさんの大ファンになってしまいました。
嫉妬も全く感じないほど。
自分には、あんなになれる要素ゼロだ。
見てるだけで、自分の毒を抜いてもらった気がした。