夫は蹴られた所が骨折しているかもしれない、言っていた。
しかし翌日は日曜で休日で病院が休診だったので
ひとまず1日様子を見てダメそうなら月曜に病院に行こうという事にしたが
仕事を休むのに工場長に言いづらかった。
今思えば、工場長に蹴られてケガをしたのに病院に行きたいと言いにくいなんておかしな話だ。被害者なのに気兼ねしてしまう。
職場の暴力はこういう点が難しいところなのだろう。
そこでさらに上の副社長にまずは一報することにした。
私はすべてに形跡が残るようにと考え、まず、ショートメールで「工場長から昨日暴力を受けて痛みがひどいので病院に行かせてほしい」と送った。
しかし副社長の反応は意外なものだった。
事実関係をすぐに確認して、対応してくれるのかと期待したが
副社長は明日作業はどうするのか??引継ぎはどうするんだ?と、そればかり聞いてきて病院に行きたいから副社長から工場長に休むと伝えてほしい、とお願いしたら「それを言ったらアナタが私に告げ口したみたいに思われませんか?これは聞かなかったことにします」という残念なものだった…。
終わっている…私はこの時点でこの人は無理だ、と見限ることにした。
翌日夫は自分で工場長に電話をして休暇の了承をとった。
工場長の返事は「いいけど…」というものだった。
整形外科で診察を受けると「左腓骨骨幹部骨折・加療6週間」という診断だった。
その日から松葉杖生活になり完治まで丸3ヶ月かかった。
私はまず親会社のコンプライアンス窓口に電話で一報を入れた後メールで詳細な文書を送った。通報者はくれぐれも明かさないでと念押しした。
逆ギレされて報復されるのが怖かったし、通報者が誰かなんて明かさないのは当たり前だと思っていたから。
メールで通報した後コンプラ窓口からは何の連絡もなかった。
このままシカトするつもりなのかと思ったので外部通報窓口(法律事務所)に連絡して通報が届いているのかの確認をしたいと依頼すると、すぐに電話がかかってきた。
一応受理まではこぎつけた。
この親会社は一部上場の大手だ。会社のホームページにも
コンプライアンスがー、とかガバナンスがー、とかいかにもクリーンですよ~とうたっていたし、通報があったらこういう流れで処理します~という立派なテンプレートまで記載されていたが、私が勤めた今までの職場の調査方法や対応と比べると大変お粗末で自浄作用など全くなかった。
それとも子会社の事件だからどうでもよかったのか???
コンプライアンス窓口は通報者を明かせないので強く追及できない、と言い訳をし、工場長はヒアリングでは前回と同じように突っぱねたが最終的に「ちょっと小突いたかもしれない」と本人は言っている、という連絡がきた。
業務中のケガなので労災を適用してほしいと会社の人事に依頼したが工場長が暴力を認めないので申請できない、という回答だった。
夫は歩けないので通勤すらままならず、代休3日と有給休暇25日で休むことになった。
有給の残りも少なくなってきたので骨はくっいてなかったが職場復帰した。
松間杖が外れるまでのひと月は電車で通勤が出来なかったので自家用車で自腹出勤もした。
こちらには非は全くないのに、健康を害され、自分の有給休暇を当てさせられ、治療費を払い、通勤費用も自腹、加害者は犯罪を犯しているのに何の負担もなく被害者ばかりに負担がかかる理不尽な気持ち。どうにも納得がいかない。
私は労基に問い合わせた。
労働相談窓口の人に「労災は会社が掛けているものだから会社が申請するものです、会社から申請してもらって下さい。」と言われた。
会社が申請してくれないから電話しているのに。
日を改めて夫は松葉杖をついて労基に出向き事の内容を伝え労災を自分で申請したい、と申し出た。
窓口の人はひと通り申請書類を用意して渡してくれたが複雑な上に会社の協力がないと埋められない内容だった。その時にコンプラに出した通報文書と診断書を持って行ったら労基の人はコピーをとっていたらしいが、「それは傷害じゃないですか」と言いつつも、だからといって調査するわけでもなし、結局労基もなんの役にも立たんのだと、また一つ世の中の現実を経験した。
弁護士に依頼すれば出来るであろうとは思ったが、電話で問い合わせても労働問題は門前払いされた。法テラスに相談に行こうにも平日の日中しかやっていない、労働問題を扱ってそう、ホームページに夜間や休日も対応しますよ、とあっても実際に問い合わせるとそうではなかった。
そもそもあっちが弁護士に頼んで示談してくるものじゃない?と思ったり、
どうせ示談に応じるつもりもないし、損害賠償請求しないならそもそも弁護士さんにお願いすることもないな、と考えそれはひとまず見送ることにした。
そして
工場長からは「ごめん」とか「すまなかった」等の謝罪の言葉は一切ない。