ここには
二つのドアがある
右が兄の部屋
そして
左が私の部屋
そこには昔のように
テレビの音も、エアコンの風も
そして夜、明かりが窓から溢れる当たり前だった日々の景色は今はない
私は大分へ
兄は広島へ…
母は、寂しさを私にぶつけてきた
でも、あくまで寂しいとは言わない。だけど電話口で、見えることのない表情が目を閉じると浮かんできて苦しくなる。だから母の電話に出る時はいつも覚悟がいる
この感情は、母にしか分からない
そして、今の私の感情も私にしか分からない…
ただ、分かることは
その感情を辿れば、実は同じだということ…
いつか母にこんな事を言われた
それは
実家に帰り、また大分へ帰るとき
玄関でのこと
「じゃ帰るね」と私が言うと
母は
「ここが家やん、行ってきますでしょ」と。
タクシーで駅に向かう私は、しばらく運転手さんにも、コンビニでも、お土産屋でも、うまく声を発することができなかった
人は大人になり、自分の道をゆく
だけど決して1人ではないのだと、一緒に住んでいた時よりも感じることができる
何かにつけて答えは探せない
探せないことの方がむしろ多い
その方がきっと面白い…
二つのドアから明かりが照らすとき
私たちはそのたびに感謝が増え
その感謝の言葉を大切な家族へ伝え合う日でありたい
家族の待つ家は
どんなに遅くなっても玄関の鍵は開いている
それだけで待っていてくれているのがわかる
それだけで有難い…
それは昔から変わってないはずなのに…
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