20世紀のお話。
原稿を寄稿していた釣り雑誌が売れていた理由は、魅力的なモノの見せ方とそれにまつわるストーリーが心をそそるデザインで展開されていたからだった。
読者はそこに自分を重ね合わせ、モノを欲しがり、自分なりのストーリーを夢想する。
モノを売るための専門誌はそういうわかりやすい構造をしている。
一方でモノがまったく売れなくても存続する専門誌もそんざいしていた。
走るための知識やテクニックを繰り返し掲載し、ランニングイベントへの参加を促すことで愛好者を増やしてきた「ランナーズ」などはその代表格だ。
ユーザーに夢を見せる機能は変わらない。
「自分も4時間を切れるかも」という夢を売っていて、今でも続いている。
そいうい意味では趣味の専門誌は「夢を見せる装置」だ。
この機能を果たせるのなら、アプローチは色々あってもかまわない。
商業誌でやっていくなら効率よく資金を回収する仕組みも重要だろう。
だがどのような形態であれ、夢を失った専門誌はユーザーに見放される。
夢がわからない編集部は潰される。
抗いがたいものとしては、時代の空気の変遷がある。
バブルの時代に日本でフライフィッシングの道具が爆発的に売れた時代があった。
起爆剤は美しい川でループを描いてキャストされるフライラインとトラディショナルなスタイルの写真だったと思う。
しかし本州の川には巨大な天然のトラウトはいない。
釣り雑誌で美しいニュージーランドのフライフィッシングの写真を見る。
100万円オーバーのオールドタックルを一式揃え、ワクワクする海外の釣行記に心を震わせても、ビッグなトラウトはここにはいない。
夢を見続けることにみなが疲れ、とってつけたようなブームはしぼみ、私も仕事先の一つを失った。
遊びや趣味にとって大事なのは、細々でもいいから継続すること。
休んでもいいからまた始めること。道楽は実は人生のうちの多くの部分を削り取るのだが、そのことを後悔しないこと。
そしてできたら親から子へ、その夢や楽しさを引き継ぐことができること。
人を豊かにする道楽とはそういうものだと思う。
そういう意味では自転車の中でもロードバイクは、道楽としてのコストパフォーマンスが高い。
舗装された道路は今や日本中をつないでいるので、家を出たらすぐに楽しめる。
スポーツでありがちな、腰や足首やひざへの負担も少ない。
道具の選択肢も広いし、いつでも乗れるしどこでも乗れる。
そして大事なことは、ただ乗っているだけでも楽しいということ。
残念ながら、今の日本に本当にロードバイクを楽しむ方法を教える本はない。
フライフィッシングの世界には田淵義雄さんが編集加筆した「フライフィッシング教書」という夢のような本がある。
フライフィッシングの日本での「ブーム」
その本の根底をなすのは、父親が子供たちに教えるような優しいまなざしだ。
いつかロードバイクの世界にもそんな本が生まれることを願って。

原稿を寄稿していた釣り雑誌が売れていた理由は、魅力的なモノの見せ方とそれにまつわるストーリーが心をそそるデザインで展開されていたからだった。
読者はそこに自分を重ね合わせ、モノを欲しがり、自分なりのストーリーを夢想する。
モノを売るための専門誌はそういうわかりやすい構造をしている。
一方でモノがまったく売れなくても存続する専門誌もそんざいしていた。
走るための知識やテクニックを繰り返し掲載し、ランニングイベントへの参加を促すことで愛好者を増やしてきた「ランナーズ」などはその代表格だ。
ユーザーに夢を見せる機能は変わらない。
「自分も4時間を切れるかも」という夢を売っていて、今でも続いている。
そいうい意味では趣味の専門誌は「夢を見せる装置」だ。
この機能を果たせるのなら、アプローチは色々あってもかまわない。
商業誌でやっていくなら効率よく資金を回収する仕組みも重要だろう。
だがどのような形態であれ、夢を失った専門誌はユーザーに見放される。
夢がわからない編集部は潰される。
抗いがたいものとしては、時代の空気の変遷がある。
バブルの時代に日本でフライフィッシングの道具が爆発的に売れた時代があった。
起爆剤は美しい川でループを描いてキャストされるフライラインとトラディショナルなスタイルの写真だったと思う。
しかし本州の川には巨大な天然のトラウトはいない。
釣り雑誌で美しいニュージーランドのフライフィッシングの写真を見る。
100万円オーバーのオールドタックルを一式揃え、ワクワクする海外の釣行記に心を震わせても、ビッグなトラウトはここにはいない。
夢を見続けることにみなが疲れ、とってつけたようなブームはしぼみ、私も仕事先の一つを失った。
遊びや趣味にとって大事なのは、細々でもいいから継続すること。
休んでもいいからまた始めること。道楽は実は人生のうちの多くの部分を削り取るのだが、そのことを後悔しないこと。
そしてできたら親から子へ、その夢や楽しさを引き継ぐことができること。
人を豊かにする道楽とはそういうものだと思う。
そういう意味では自転車の中でもロードバイクは、道楽としてのコストパフォーマンスが高い。
舗装された道路は今や日本中をつないでいるので、家を出たらすぐに楽しめる。
スポーツでありがちな、腰や足首やひざへの負担も少ない。
道具の選択肢も広いし、いつでも乗れるしどこでも乗れる。
そして大事なことは、ただ乗っているだけでも楽しいということ。
残念ながら、今の日本に本当にロードバイクを楽しむ方法を教える本はない。
フライフィッシングの世界には田淵義雄さんが編集加筆した「フライフィッシング教書」という夢のような本がある。
フライフィッシングの日本での「ブーム」
その本の根底をなすのは、父親が子供たちに教えるような優しいまなざしだ。
いつかロードバイクの世界にもそんな本が生まれることを願って。










