秋の空には雪が降る。
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片想い 8

pm.8:00――


『……あぁー、で?今までのぐだぐた40分の会話で分かったのは……みんなに笑いのネタを提供しただけってことですか?』
と、あくびをしながら裕太は聞いてきた。

『…結果的にそうなった。』
僕は渋々答えるしかなった。

夜の公園に裕太の笑い声が響いた。

『誰のせいでこうなったんだよ!?お前が変なことしたからだろっ。』

『でも、話せただろ?』


(…それはそうだ。でも……。)


『ぢゃなかったら、いつまでたっても話せず卒業まっしぐらだったね。』
きっとまったくその通りであろうことをズバッと言ってのける裕太を睨むことしかできなった。

『お前ってば、学年で一番頭いいくせに変に不器用だもんな。こと優衣ちゃんに関しては。』

…もう返す言葉もございません状態だ。


自分で言うのもアレだけど、僕は何でも率なくこなせてしまうタイプだ。
でも、彼女に対しては全然ダメなんだ。

それが裕太にバレてからはからかわれ放題だ。


『…で、優衣ちゃんが言った言葉だけど。たしかに疑問だよな?そもそもお前、話したないんだしな。』

その通り。
入学してから一言も会話をしてないんだ。
クラスが一緒になったのだって、高2のクラス替えからだ。


(…なのに、"入学式"のときからって?)


『お前なんかしたんぢゃね?それ以外ないだろ。』


(あるわけねぇーだろっ。話するだけで大変なときに。)




『…はぁー。』






本当はくだらない企みを実行した裕太にイヤミを言ってやろうと呼んだのに…。

結局、イヤミどころか相談のような感じになってしまった。

しかも、疑問は残ったままだし。

明日からの委員の仕事も不安だらけだ。

片想い 7

カツカツカツ――…。

足音だけが廊下に響く。
もう少しで会議室というところで彼女が振り向いた。
泣きそうな困ったような難しい顔で僕を見る。


『…やっぱり、あたしと一緒ってのが嫌だった?』



(………へ?)



僕は慌てて、
『それはない!絶対ない!……嫌ぢゃない。』
と、必要以上に大きな声で否定した。
先に会議室にいた奴等も何事だと廊下に出てきてしまった。
もちろん彼女もびっくりしていたが、当の本人だって驚いていた。

(…こんなことで目立ってどうすんだよ。)


『あははっ。びっくりしちゃったよぉ~。でも嫌われてなくて良かった。入学してからずっと気にしてたんだよ。』
そう言うと、野次馬達の中から知り合いを見つけたらしく会議室へ入って言った。



(……笑ってくれた。)



こんな小さなことでさっきまでの自己嫌悪も吹っ飛ぶくらい晴れ晴れした気持ちになった。
僕に笑いかけてくれたのが嬉しくてたまらない。


『早く入りなさい。そろそろ始めよう。』
僕は実行委員担当の先生に言われ、会議室に入ろうとした。
彼女が笑ながら言った言葉を思い出しながら。



そこで疑問が生じた。

僕にとっては大きな大きな疑問だった。


片想い 6


『大塚くん?』

机を抱えるようにうなだれていた僕に彼女が声をかけてきた。

その顔は不安そうな恐々した様子だった。

みんなはさっさと帰ったのか教室には僕ら二人だけになっていた。

余計に緊張してしまい声も裏返ってしまった僕は、
『…はい?』
自分でも不味い顔をしていたと思う。
『…えーと、これから文化祭まで…よろしくね?委員の仕事も増えると大変になっちゃうね。』
『…そうだね。』


…………。


(って、こんなんぢゃ全然ダメだろっ。話終わっちゃったし…。最低だわ。)



気まずい雰囲気にさせてしまった僕に、
『そろそろ時間になるし、会議室行こっか?』
と、優しく笑う彼女。
『あっ、…うん。』
またやってしまった僕。


頭の中は"自己嫌悪"という文字で埋めつくされそうだった。

僕はとぼとぼ彼女の後をついて会議室に向かった。

もちろん無言のまま。


(……はぁ~。)